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2024年12月27日更新

[ラムハウジング]自然素材に包まれ心身リラックス

住み手の健康を守り続けたいと「空気がうまい家®︎『ゆがふ家』」を手がけるラムハウジングの川上優さん(68)。こだわりの自然素材や造りを存分に生かしつつ、夫婦の好みも散りばめた自宅兼モデルハウスが先月、読谷村に完成した。


夜が明けきる前の南東側から見た外観。障子や玄関先からこぼれる明かりが住まいを包み込む。木のひんぷんと赤瓦は夫人のこだわり。通りからの視線を緩やかに遮るため、玄関を開け放しておいても気にならない


こだわり建材に惚れ
自宅兼モデルハウス

 川上優さん宅/木造軸組真壁工法/(有)ラムハウジング 

住み手の健康を守り続けたいと「空気がうまい家®︎『ゆがふ家』」を手がけるラムハウジングの川上優さん(68)。こだわりの自然素材や造りを存分に生かしつつ、夫婦の好みも散りばめた自宅兼モデルハウスが先月、読谷村に完成した。早朝、紫がかった空を背にこぼれる明かりが家を包み込む。「昼も夜もいいけど、朝もいい。念願の夜の見学会も実現させたい」と話す。
 

玄関側から見たLDK。一本杉を使った親父柱が支える吹き抜けの大空間が伸びやか。キッチンも音響熟成®木材で造作されている。ダイニングテーブル頭上に取り付けたステンドグラスのペンダントライトは智子さんセレクト。小ぶりだが空間の程よいアクセントに


建具・造作まで音響熟成®︎木材
杉の浴室 手入れラク


「新築するならどこかに沖縄らしさを」と妻の智子さん(66)たっての希望で取り入れた、赤瓦を載せた木のひんぷんがお出迎え。石灰岩風のタイルが敷き詰められた玄関に入った途端、心地良い木の香りに包まれる。

目の前にすっくと伸びるのは、家中を支える直径30㌢の「親父柱(大黒柱)」だ。1階はその親父柱のある吹き抜けのLDKを中心に寝室と水回り、2階は二つの個室と、キッチン上にロフトを設けた。


よく眠れ目覚めスッキリ

片流れ屋根が生み出す伸びやかな室内は、構造材から天井や床、建具、造作部に至るまで、すべて「音響熟成®︎木材」仕上げ。壁には微生物を含む「幻の漆喰®︎」を使っている。川上さんは「宮崎県産の杉を、機械乾燥させず、音楽の波動によって水分だけ抜いているのがこの木材。細胞が生きていて油分やエキスもそのまま残っているから香りやツヤが違うでしょ。漆喰は独自の光熱触媒効果で、暗がりでも空気中のホコリやにおい、化学物質などを吸着分解する働きが期待できる。実際、引っ越してきてからよく眠れるし、朝も気持ちよく目が覚めます」と笑顔。

浴室内部や、脱衣室の床・壁も同じ木材と漆喰仕上げになっていて、「すぐ乾くから手入れがラク」と智子さん。 和室はリビングの一角に設け、一続きで使えるようにした。


玄関。土間やゆったりとした階段下のスペースは、物置や収納として活用可能。壁はすべて「幻の漆喰®」で仕上げられている。右手はディスプレースペース。サンゴや植物を飾って楽しんでいる
 

リビングの一角に設けた和室には「竹炭入り清活畳®」を敷き詰めた。保湿・断熱・脱臭・マイナスイオンの発生など竹炭が持つさまざまな効果が期待できる。腰壁や障子と相まって上品な和の雰囲気に


厚い床と遮熱であたたか

以前の住まいは中古で購入した鉄筋コンクリート造だった。15年前、新築した知人宅に使われていたこだわりの自然素材や造りに惚れ込み、「空気がうまい家®︎『ゆがふ家』」を手掛けるように。同じ材を使って自宅の内部をリフォームしたが「いずれはモデルハウスを兼ねた自宅を新築したい」と長年構想をあたため、ことし実現した。 取材日は朝から冷え込んだが、室内は足元から暖か。夫妻も「以前の家より、今の家の方が断然あったかい」とうなずく。理由は38㍉と厚い「うづくりの床」と、遮熱シートと調湿シートを空気層で挟んだ3層構造を屋根に採用している点にあるという。川上さんは「床は通常の倍以上と厚く贅沢ですが、その分安定感があって、当たりも柔らか。建物は外部の熱の影響を受けにくく、室内の熱も逃がさない。この分だと夏場の冷房も28度設定で十分そう」と喜ぶ。

2階には娘たち家族がいつでも泊まれるよう個室を2部屋準備。広いロフトは収納としても子どもたちの遊び場としても大活躍だ。

川上さんが、新築したらぜひやりたかったと話すのが夜の見学会。「お客さんによく言われるのが『帰りたくなくなる』の一言。一杯やりながら、心も体もくつろげるゆがふ家の良さを存分に味わってもらいたい」と話した。


キッチン上部に当たる2階のロフト部分。約6畳の広さがあり、季節物を収納するだけでなく、子どもたちの遊び場にもなる。足元は音響熟成®木材を使った「うづくりの床」が敷き詰められている。「木目の凹凸が浮き出ているので、足触りが良く、滑りにくい。冬は素足でも暖かく、梅雨時や夏場はサラサラ。踏みならすうちにツヤも増し、経年美化が楽しめますよ」と川上さん


1階寝室。端材をアップサイクルしてつくったオリジナル照明が空間のアクセントに。和室の照明も同様のオリジナル
 

浴室の壁や天井に使っているのも音響熟成®木材。「普段の手入れは、お風呂に入った後にサッと温水で流すだけ。乾きも良くてラク」と夫妻


東側から見た外観。手の届きにくい2階外壁は、光熱触媒効果で汚れにくい幻の漆喰®を使った


[DATA]
家族構成:夫婦
敷地面積:230.51㎡(約70坪)
建ぺい率:60㎡(約160%)
1階床面積:72.87㎡(約22坪)
2階床面積:29.48㎡(約8坪)
容積率:58.6%(許容148.38%)
駆体構造:木造軸組真壁工法
用途地域:第1種低層住居専用地域
設計:名幸昌樹建築設計事務所
プランニング・施工:(有)ラムハウジング
建材・プレカット:カイケンコーポレーション(株)

問い合わせ
(有)ラムハウジング
電話=098・936・8808
https://lamb-housing.com


撮影/比嘉秀明
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2034号・2024年12月27日紙面から掲載

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週刊タイムス住宅新聞編集部

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