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2023年10月6日更新

ポイントは「見やすく」「まとめる」「取り出しやすく」 冷蔵庫を整えるとお金がたまる⁉️|家と心理⑲

空間デザイン心理士®で、一級建築士。2児の母でもある、まえうみ・さきこさんが空間を心理学的に解析。今回は食費や電気代に大きく関わる冷蔵庫の整え方について紹介します。

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ポイントは「見やすく」「まとめる」「取り出しやすく」
冷蔵庫を整えるとお金がたまる⁉️

 
 

食費や電気代に直結

いきなりですが「冷蔵庫を整えると、お金がたまる」ってよく言われますよね。家計を見直す時は通帳や財布などに目が行きがちですが、冷蔵庫も食費に直結する場所です。

皆さんは毎月食費にいくら使っているか把握していますか? ぜいたくをしていないつもりでも冷蔵庫の中が乱れていると、食材をムダにしている可能性があるんです。京都市の調査によると食品ロスの平均金額は、なんと一世帯(家族4人)で年間約6万円という試算も出ています。物価が上がり、家計も厳しい昨今、冷蔵庫の整理整頓にも取り組まないといけませんね!

下の写真を見てください。このように買い足したものを何も考えず冷蔵庫に入れていくと、取りたいモノが行方不明になりがち…。ガサゴソと探しているうちに、ドアの開け放しでピーピーピーと鳴りだし、「あ~! 電気代が~!」と罪悪感。さらには奥の方に傷んだ果物や残りものが! 「せっかく買ったのに…もったいない」と整理するものの、すぐにごちゃごちゃに。毎日使う場所だけに、「どうやって整えればいいか分からない」。その気持ち、よーく分かります。

では、整理整頓された状態を保つためにはどうしたら良いのでしょうか?


整理前の冷蔵庫
買い足したものをそのまま突っ込んでいた冷蔵庫。そのため、新しいものが前になり、古いものはどんどん奥へ。必要なものを探すのも「発掘」状態。冷蔵庫はしょっちゅう「ピーピーピー」と悲鳴を上げていた買い足したものをそのまま突っ込んでいた冷蔵庫。そのため、新しいものが前になり、古いものはどんどん奥へ。必要なものを探すのも「発掘」状態。冷蔵庫はしょっちゅう「ピーピーピー」と悲鳴を上げていた


まずは中身の把握から

冷蔵庫の整理整頓も、部屋と考え方は一緒です。まずは、冷蔵庫に入っているものを全部出して、食材の賞味期限を確認。期限切れのものは処分しましょう。中身を把握するだけでも意識が変わってきますよ!

そして賞味期限の順、使う頻度などでものの配置を決め、それを見やすく、取り出しやすく収納していきます。

配置・収納の仕方については、さまざまなノウハウがありますが、私が「使いやすい!」と実践していることをお伝えします。

何がどこにあるか見えやすくするため、私は浅底のトレーや透明な容器をよく利用しています。また、「お弁当セット」や「朝食セット」など同じタイミングで使うものを一つのトレーにまとめ、取り出しやすくしています。

配置は、冷蔵庫内で取り出しやすい2・3段目の棚に賞味期限が近いものを、最上段には保存期間が長いもの、下の段はフレキシブルに使える予備スペースを確保しています。詳細は下をご覧ください。

◇       ◇       ◇


いかがでしたか? 冷蔵庫を整理すれば、食材をムダにすることなく、電気代の削減にもつながるでしょう。その分、別の費用にまわせます。やはり冷蔵庫の整理は家計に大きく影響します。ぜひ実践してみてくださいね!


 

空間デザイン心理士®のワンポイント

冷蔵庫収納の基本ルール

①見やすく
食材を詰め込み過ぎない。また、トレーは底が浅いものにしたり、透明で中身が見える保存容器を使うなど一目でわかるようにしましょう。

②まとめる
「お弁当セット」や「朝食セット」など同時に使うものや、種類が同じものを1ヵ所にまとめておきます。

③取り出しやすく
カゴやトレーなどを利用して収納すればサッと取り出せますし、冷蔵庫内の空間を有効活用できます。




 整理後の冷蔵庫 


1番上の段には保存期間が長いものを

冷気は下にたまるので、冷蔵室の最上段は冷えにくい構造になっています。また、奥まで手が届きにくく、見えにくいので最上段には大きなペットボトルや缶ビールなど、保存期間が長くて見えやすいものを入れます。


2・3段目は常備菜やすぐ消費したいもの

取り出しやすい2段目、3段目は取り出しやすいので、常備菜やすぐに消費したいものを入れるのがいいでしょう。

また、同じタイミングで使うものをトレーにまとめておけば、出し入れの時間が短縮されます。例えば「朝食セット」「お弁当セット」「おつまみセット」など。すぐに取り出せるので節電にもつながりますよ!


4段目は日持ちしないものや鍋ごと収納

冷蔵室の最下段は冷えやすいので、豆腐や納豆などの日持ちしないものを入れます。また、棚板がしっかりしているので、作り置きした料理を鍋や皿ごと収納することもできます。ここに予備スペースを確保しておけば、買い足した食材や、いただきものを入れるときにも便利です。


 

 

ドアポケットは、つり下げや立てて収納

ドアポケットは、調味料やソース類、ペットボトルなどを入れることが多いスペースです。さまざまなアイテムをそのまま収納すると容器が倒れたりして、ごちゃついて見えます。スッキリさせるためにはケースを使って立てて収納したり、つり下げて収納するのがおすすめです




 冷凍庫 

箱・袋から出し密閉袋に詰め替え

袋や箱に入っているものは、冷凍スペースを占拠してしまいがち。すべて密閉袋に詰め替えると省スペースに収納できます。その際、サイズをそろえると省スペースに収納できます。

例えば、肉を購入したらすぐに100㌘ずつとか、5枚ずつに小分けして肉の種類ごとにケースに入れて収納する方法です。賞味期限が近いものを手前に並べることで食品のロスを減らすことができます。


 野菜室 

「立てて収納」&「カット収納」

野菜を保存するときは畑で育った状態で保存すると長持ちします。そのため、野菜室の野菜は立てて入れるようにしましょう。

また、カットして保存すると省スペース&時短調理になります。あらかじめトマトのヘタを取っておいたり、野菜や果物を切ってジッパーバッグやタッパーに入れておけば、さっと調理できますね。下処理しておくことで、収納場所も省スペースになりますよ。


 
まえうみさきこ
[文・イラスト]
まえうみ・さきこ/1976年、嘉手納町出身。建築会社に20年勤務したのち、2021年6月に「ielie(イエリエ)」を設立。建築の知識やママの経験を生かして、住まいの悩みに応じたコンサルティングやインテリアコーディネートを行う。一級建築士、空間デザイン心理士®、夫、2人の子ども、猫2匹で暮らす。http://ielie.net


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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1970号・2023年10月6日紙面から掲載

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