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2023年9月1日更新

ダイニングの2大お悩み「狭い」「散らかる」を解消!  テーブルのサイズと収納を見直す|家と心理⑱

空間デザイン心理士®で、一級建築士。2児の母でもある、まえうみ・さきこさんが空間を心理学的に解析。今回はダイニング編。「動きづらい」や「モノが散らかりがち」というお悩みの解決方法を紹介します。

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ダイニングの2大お悩み「狭い」「散らかる」を解消!  テーブルのサイズと収納を見直す

 
 

スッキリ使いやすく

ダイニングルームでのお困りごとで多いのは、「狭くて椅子がスムーズに引けない」「人が通れない」という動線に関することと「テーブルの上が散らかる」など。その解決方法を紹介します。


◆ゆったり食事ができ、かつその周りをスムーズに通れるようにするには

まず、「ダイニングスペースが動きづらい、狭い」と感じている人は、部屋の広さとテーブルのサイズが合ってない可能性があります。

ダイニングテーブルを選ぶとき、寸法を見ずに「〇人掛け用」だけを目安にしていませんか? さらには、空間の余裕がないのに「お客さんが来たときのため」と家族の人数より大きいテーブルを買ってしまい、「椅子が引けない」「人が通れない」となってしまうことも。

実はテーブルの幅や奥行きは暮らしに大きく関係していて、30センチの違いでも食事や移動のしやすさが変わります。大事なのは着席したときに隣の人と腕がぶつからないことと、テーブル周りに必要なスペースを確保することです。

まず、1人が快適に食事をするためには一般的に横幅60~70センチ、奥行きは30~50センチが必要と言われています。既製のダイニングテーブルはだいたいこの寸法を基準に作られています。一人のスペースをもとに、家族の人数によって必要なテーブルのサイズを考えましょう。

また、テーブル周りのスペースとして、座るには50センチ、椅子を引くには約60センチ、着席している人の後ろを通るには60~90センチのスペースが必要です。それを考慮して、置きたいテーブルが、本当に自宅に置けるかをチェックしましょう。


 食事も移動も快適なサイズの目安 
1人が快適に食事をするために必要なスペースは、幅が60~70㌢、奥行きが約30~50㌢です。そこに家族の人数を掛けて最適なテーブルのサイズを割り出しましょう
1人が快適に食事をするために必要なスペースは、幅が60~70センチ、奥行きが約30~50センチです。そこに家族の人数を掛けて最適なテーブルのサイズを割り出しましょう

周辺スペースとしては、着席に必要なスペースは約50センチ、椅子を引くのには約60センチ、着席している人の後ろをスムーズに通れるスペースは椅子の後ろから60センチ以上必要です
周辺スペースとしては、着席に必要なスペースは約50センチ、椅子を引くのには約60センチ、着席している人の後ろをスムーズに通れるスペースは椅子の後ろから60センチ以上必要です

空間デザイン心理士®のワンポイント

“景色の崩壊”はダイニングテーブルから!?

物が散らかる最初の兆候は、ダイニングテーブルの上のちょい置きから始まるそうです。テーブルに乗りきらなくなったモノがやがて椅子の上、キッチンカウンター、ソファの上、床へと広がっていきます。つまり、わが家の“景色の崩壊”はダイニングテーブルから始まるといってもいいでしょう。逆に考えれば、ダイニングテーブルの上のスッキリ感を死守していれば、崩壊させずに済むと言えます。今回の記事を参考に、気持ちの良いダイニング空間、そしてわが家の景色を守りましょう!


狭いリビングのアイデア 伸長式やリビングと兼用

来客が多い、家族が増える予定があるというご家庭は伸長式テーブルがオススメ。必要に応じて天板を延ばして拡張できます。

また、どうしても置きたいテーブルがあるのにスペースが確保できない場合は、リビングと兼用にするのも手。一つにまとめることで、ある程度大きなテーブルが置けるようになります

伸縮テーブル(ディノス)
伸縮テーブル(ディノス)

ダイニングソファ(カリモク)
ダイニングソファ(カリモク)


◆テーブルの上を常にスッキリさせるには

実はダイニングテーブルの上がスッキリしていると、周りが少しくらいゴチャっとしていても部屋はスッキリして見えます。人は、平面で面積の大きなところに目が行きがちだからです。ダイニングテーブルや床などにモノがないだけでスッキリと感じるため、テーブルにモノを出しっ放しにしないことが重要です。

モノが出しっ放しになる理由は、モノの定位置が決まっていないことや、決まっていてもその場所が遠かったり行きづらかったりで、しまうのが面倒だからです。

一番いいのは、いつも出しっ放しになる、まさにその場所にモノの定位置をつくってしまうことです。テーブルの下や足元など表から見えない場所に収納を作るのも手です。

また、ダイニングは家族が仕事や宿題など食事以外のこともするため、モノが散らかりがちです。こうした家族の共有の場所で片づけやすい収納方法は、本とか鞄とかモノの種類で収納場所を分けるのではなく、パーソナル(人)で分けること。お父さん、お母さん、子どもと、家族それぞれの収納スペースを確保して、自分のモノは自分で管理してもらいましょう。

毎日、目にする空間だからこそモヤっとした気持ちが蓄積されていくと、脳と心に大きな影響を及ぼします。動線と収納を見直して、快適で居心地の良いダイニング空間を作りましょう。


 ダイニングの収納アイデア 
造り付けキッチンカウンター
造り付けキッチンカウンター

置き型タイプ
置き型タイプ
 
テーブルの足に小物入れを付ける
テーブルの足に小物入れを付ける

テーブルの下にティッシュボックスをくっつけるテーブルの下にティッシュボックスをくっつける

ダイニングテーブルの周りは散らかりがち。手の届く場所に収納があると片付けやすく、便利です。新築ならキッチンカウンターを造り付けにして収納も設けてもらいましょう。賃貸や既存住宅なら、カウンターの下に置き型タイプを置くのもおすすめです。もし、収納を置くスペースがなければ、テーブルの脚や天板の裏にも収納スペースは作れますよ!


 パーソナル(人)で収納を分ける例 


 
まえうみさきこ
[文・イラスト]
まえうみ・さきこ/1976年、嘉手納町出身。建築会社に20年勤務したのち、2021年6月に「ielie(イエリエ)」を設立。建築の知識やママの経験を生かして、住まいの悩みに応じたコンサルティングやインテリアコーディネートを行う。一級建築士、空間デザイン心理士®、夫、2人の子ども、猫2匹で暮らす。http://ielie.net




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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1965号・2023年9月1日紙面から掲載

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