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2023年1月20日更新

次世代を見据えて資産形成[女性のための不動産navi⑨]

文・砂川綾子(有限会社とまとハウジング 不動産売買エージェント)
こんにちは! 沖縄クチコミ不動産とまとハウジング®️不動産売買エージェント砂川綾子です。2023年も引き続き不動産&軍用地売買専門会社とまとハウジングスタッフによるリレーコラムをどうぞよろしくお願いいたします。

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さて、9回目のテーマは「不動産相続」。年末年始、久しぶりに親族で集まり、相続不動産について話題が出たご家族もいらっしゃるのではないでしょうか。
 


まず市場価値を知る

私たちが相続不動産について相談を受けた際にまずやることは、その不動産の現在の市場価値を調べることです。例えば「浦添市にある土地50坪」といっても、その土地の形状は? 周辺環境は? 道路はどうなっているの? と、条件次第でマーケット上の価値は変わってきます。法務局で謄本や公図を取り寄せ、役所などで必要な物件調査を行い、物件の個性を確認し、市場に売りに出した場合のシミュレーションをお伝えします。

「いやいや、売るわけではないので」と思われるかもしれませんが、相続する不動産の価値を知っていただくことで「相続後、どのように活用していきたいのか」といった将来的な視点で、ご相談者と一緒にお話しするためには必要な作業なのです。


共有者増え 難航するケースも

例えば、相続人の希望通りに法定分に従って土地を分けると、面積や条件から市場での売買が難しくなることもあります。それならば、と相続人全員で共有という形をとった場合、あらゆる場面で共有者全員の同意や手続きが必要になってきます。将来的に売却したいとなったときに手続きが難航したり、その次の相続により共有者がさらに増えていくことも予想されます。引き継ぐ不動産の将来の姿をご家族で共有することも、不動産相続には大切かなと感じています。

また、相続の場合には資産だけでなく負債(銀行からの借入金など)も一緒に相続するケースもあります。「相続資産を売却して返済したい」というご相談では、どの相続不動産を売却するのか判断することが必要になります。


「安心できる資産残したい」

ご相談者Aさんは「先祖からの土地をきちんと引き継いで、次の世代へバトンタッチしたい」というお気持ちからのご相談でしたが、資産とともに引き継いだ負債を銀行へ返済するために、相続した土地300坪の売却を決断されました。

「先祖の土地を売ってしまうことに申し訳なさも感じたが、肩の荷も下ろすことができた。守ることも大切だが、今は次の子供たちが安心できる資産を残したいと思っている」とコメントをいただき、私たちも一安心。Aさんは返済後の余剰資金で軍用地を購入され、家族のための新しい資産形成をされています。

相続の分割協議や登記、また相続税の計算などの実務の部分は、不動産業に携わる私たちは関わることはできません。しかし不動産相続のご相談の中で必要があれば、信頼のおけるその分野の専門家へおつなぎいたします。


守りつつ新陳代謝も

お客さまからのご相談の内容はさまざまですが、「先代からの資産をきちんと、そして家族仲良く引き継ぎたい」という根っこの部分は共通しているように感じます。守るところは守りながら、資産の新陳代謝を図る。その決断のお役に立てるよう、私たちも不動産のプロとしての情報収集は欠かせません。


住宅の新築や売買、不動産投資、相続、不動産業界で働く女性たちの話題まで、女性の視点で解説!女性不動産エージェント集団「とまとハウジング」の社員が、自身の経験談なども交えつつリレー形式でつづります。



執筆者
砂川綾子(すなかわ・あやこ)
1970年、那覇市出身。マンションモデルルームでのアルバイトをきっかけに、とまとハウジング&不動産のお仕事と出会う。不動産売買エージェント歴15年。
https://www.tomato-okinawa.com/

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1933号・2023年1月20
日紙面から掲載

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週刊タイムス住宅新聞編集部

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