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2022年10月7日更新
【沖縄】暮らしにアウトドア(19)
那覇市曙にあるバイク店・沖縄ヤマハの店内で「燈人(ともしびと)」というアウトドアグッズコーナーを担当している與那嶺康貴です。今回は、キャンプやアウトドアなど屋外ならではの調理「燻製」について説明します。
スモークの香り 楽しむ「燻製」
スタンダードは「温燻」
燻製とは本来、食材を煙で燻すことで保存性を高めることを目的としますが、私はあのスモーキーな風味が好きで、特にお酒のおつまみとしてキャンプの時に調理しています。その燻製には食材や調理環境などにより3種類の方法があります。
◆冷燻……15度~30度ほどの温度で2〜4週間じっくり燻す方法。食感は硬く、水分はほとんどありません。温度と湿度管理が重要で冬場や寒冷地で生ハムやスモークサーモンづくりに用いられます。
◆温燻……30度~60度ほどの温度で数十分〜数時間で燻す方法。水分はある程度残るため軟らかい食感が特徴です。最も一般的な燻製方法でキャンプでも人気があります。
◆熱燻……80度を超えるような高温で数十分から1時間ぐらい燻す方法です。チキンや魚を丸ごと調理する場合に向いています。保存するためというより燻製の風味をつけるイメージです。
燻製する前
燻製後
チーズやウィンナー、うずらの卵などを燻製! 風味がよくおつまみにもピッタリ
道具も調理法もシンプル
食材を燻すための燻煙材には、木材を細かくした「スモークチップ」や木材を圧縮して固形にした「スモークウッド」などがあり、炎を上げずに発煙します。サクラやヒッコリー、白樺や果物の木(ぶどう、モモ)のほか、ウイスキーを貯蔵していた樽材を使用した「ウイスキーオーク」なども香りが良く大変人気です。
食材を燻すためのスモークチップやスモークウッド
使用する道具はシンプル。基本的には、燻煙材を燃やすバーナーとスモーカー(燻製窯)があればオッケー。スモーカーとは熱せられた煙を逃さないよう閉じ込めておく箱状のものです。ふた付きステンレスの調理器具や段ボール、一斗缶で簡易的に作られたものもあります。
調理方法も簡単です。保存目的ではなく当日に食べるものであれば、塩漬け、塩抜きなどの工程も省略できます。
スモーカーの底にスモークチップをセット。その上に網を乗せて食材を燻す
ただ、味付けしていない肉や魚を燻製にするときは、事前に食材に塩を振ったり、塩水やスパイス、ハーブの液(「ソミュール液」や「ピックル液」と呼ばれます)に漬けこんだりします。味が付いているものはそのままで構いません。
また、燻製する前に本来は風に当てて乾燥させたりしますが、すぐ食べるのであれば水気をキッチンペーパーなどで拭き取ればOK。水気が残ったまま燻製にすると、えぐみになってしまうので注意しましょう。
そして、いよいよ燻します。スモーカーの底にチップを敷き、その上に網などをのせ、食材を置きます。しっかり燻製したいものは熱源に近いところ、チーズなど溶けやすいものは熱源から離して置きましょう。燻製中に食材から出た水分がチップに当たるとえぐみや酸味の原因となりますのでチップにアルミホイルをかぶせましょう。完成したら、30分~1時間ほど寝かせると煙臭さが取れ、味もなじみます。
それでは楽しい食欲の秋、キャンプで燻製を楽しんでみてください。
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毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1918号・2022年10月7日紙面から掲載