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2022年9月16日更新

[沖縄]家を建てる① 購入したのは13坪の狭小地|女性のための不動産navi⑥

文・内田志保 (有限会社とまとハウジング不動産売買エージェント)

こんにちは! 沖縄クチコミ不動産とまとハウジング(R)不動産売買エージェント内田志保です。とまとハウジングスタッフによるリレーコラム第6回の本日のテーマは「家を建てる」。私の自宅建築体験記をお話しさせてください。

購入したのは13坪の狭小地

“べっぴんさん”な土地とは?

「大体いつも同じ場所に居るんだから、小さくていいの。雨風を防いで寝れる場所があればいいのよ」の、母の言葉が決めてとなり“狭小地に家を建てる”世界へ迷い込んだ内田です。

土地との出合いは、沖縄の不動産情報のポータルサイトでした。希望する地域に新着売土地情報を発見! 「建築条件付き」(※指定の建築会社で住宅を建築する条件付き)とありましたが、(1)建物を含めた想定総額に「これなら買えるかも!」と期待を抱かせてくれる価格帯(2)しかも、あまり売り地が出ない地域、ということですぐに取り扱い不動産会社へ「購入を検討したいので詳細を教えてください」と電話したのが始まりです。

早速アポを取り、「建築条件付き」の建築担当=後の棟梁(とうりょう)とも会えるという現地へ。仕事柄、地図は読めると思っていた私ですが、「えっ?!ここ?!」と、注意しておかなければ認識できないほど主張控えめの一方通行がその土地へ続く進入路でした。結局、不動産会社の方に誘導してもらわなければたどり着けませんでした。

この時点で「飲んだ帰りに運転手さんに道順説明できる気がしない」が頭をよぎり「さて、どうお断りしようか…」なんて考えていたところに、現地に来ていた建築会社兼棟梁がおっしゃったのです。「うん、べっぴんさん」と。

すぐに、私への褒め言葉ではないことは察知し「べっぴんさん…とは?」と質問したところ、べっぴんさんの条件は二つ。一つ目は整形(土地の形が四角)であること、二つ目は電信柱が道向かいにあること(工事中も施工後も邪魔にならない)、という答えでした。「ほぉ、これがべっぴんさんかぁ」と、さっきまで断るつもりだった私の心は一転「べっぴんさん」につかまれました。数分前のマイナス印象をへてのプラス情報は、効果抜群でした。人に対してだけでなく土地にもあるんですね、「ギャップ萌(も)え」。

建坪8坪の家づくり開始

ともあれ、このべっぴんさんとお付き合いすることを決めた私が最初に向き合わなければならなかった「個性」はその、13.56坪という面積でした。幸い、隣地の一部を借地させていただけるとのことで、駐車スペースはそこに確保することとし、肝心な建坪(土地に対して建築可能な建物の1階部分の面積)はというと、なんと、約8坪(畳約16枚分)。

そう。ここで、母のあの言葉です。「雨風を防げれば良い」

衝撃的な狭さに驚愕(きょうがく)しながらも、棟梁や母の言葉に私の背中はボンッと勢いよく押され、わたしは見事べっぴんさんと結ばれました。結婚も土地購入も「勢い」というエッセンスは少なからず必要なのかもしれません。

無事土地を購入し、ようやく「家を建てる」のはじまりです。

ハードル高めの制約の中で、いかに空間を有効に活用するか…。それまで抱いていた、めいっぱい膨らんだ「わが家」への期待を、現実に向かってそぎ落とす。それが、私の家づくりの目指すところとなりました。ですが、決して後ろ向きではなく制約の中でいかに「好き」を形にするか。を考えるのはココロオドル作業でした。「Roomclip」や「インスタグラム」といったSNSを中心にインターネットでたくさんのさまざまな事例を集め、その中から「これ好きかも」をとにかくピックアップすることから始めました。

インターネットから集めた画像は、棟梁と「こんな感じ」を共有するのにとても有効でした。足りないボキャブラリーをイメージ画像が補完してくれたからです。

次回は想定外の出費に見舞われつつ完成までこぎつけた道のりをご紹介します。

◇        ◇

「住宅の新築や売買、不動産投資、相続、不動産業界で働く女性たちの話題まで、女性の視点で解説! 女性不動産エージェント集団「とまとハウジング」の社員が、自身の経験談なども交えつつリレー形式でつづります。

執筆者
うちだ・しほ
沖縄で生まれ、中学卒業までを香川で過ごし、その後再び沖縄を満喫中。外語専門学校を卒業したことをすっかり忘れ、建築会社勤務を経て、23歳の時にとまとハウジング入社。以来、あっという間の16年目を迎えています。
https://www.tomato-okinawa.com/

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1915号・2022年9月16
日紙面から掲載

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