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2022年6月3日更新
【沖縄】暮らしにアウトドア⑮
沖縄ヤマハ(那覇市曙)の店内でアウトドアグッズコーナー「燈人」を担当する與那嶺康貴さんがアウトドアギアを紹介します。
キャンプギアと伝統工芸のコラボ
那覇市曙にあるバイク店・沖縄ヤマハの店内で「燈人」というアウトドアグッズコーナーを担当している與那嶺康貴です。今回は、お店で取り組んでいることについて少し話したいと思います。キーワードは「アウトドア(キャンプ)×沖縄伝統工芸品・地場産業」です!「やんばるガラス工芸館」とコラボして製作した、琉球ガラス製のオイルランタン。今月から販売予定。少量生産のため、購入は抽選になる予定
キャンプブームと観光
今年の梅雨は嫌というほど降り続けていますね。ニュースでは降水量が平年の2〜4倍、日照時間も平年の4割程度の地域もあるようで、なかなかキャンプにも行けない日々が続いています。なので今回は、インテリアとしても楽しめるキャンプギアについて紹介します
私が「燈人」のスタッフになった3年前(2019年)は、沖縄の入域観光客数が初の1000万人台を記録した年でした。まだ、新型コロナウイルスが感染拡大する前で、キャンプブームもS N Sなどで盛り上がっている程度でした。キャンプギアの売り場も、沖縄ヤマハのバイクが並んでいる一角に陳列する程度でのスタートでした。
しかし、コロナ禍になり、3密回避やおうちにいながらアウトドア気分を味わえるベランダキャンプやガレージキャンプの普及、屋外での風通しの良いレジャーとしてキャンプブームが起こりました。もう一つ、巣ごもり中に、ユーチューブやS N Sなどでキャンプ動画を見たことがきっかけになり、アウトドアに興味を持つ人が増えたようです。
ブームとともに現在、「燈人」の売り場は沖縄ヤマハの2階部を丸々使うほど広がりました。
そんなキャンプブームとも言える状況と、2020年に前年比7割以上落ちた沖縄観光の現状を踏まえて、何かできないか? と、伝統工芸品とアウトドアグッズのコラボ商品企画を始めました。
「燈人」ではオイルランタン以外にも、コーヒーやさんぴん茶、泡盛、オリジナルスパイスなど地元の企業とコラボして製作・販売している
ランタンの一部琉球ガラスに
まず考えたのが、防災グッズとしても再評価されていたオイルランタンのパーツを伝統工芸品に付け替えることです。炎のゆらめきに癒やされるとして、ショップでも品切れが続いていた人気のオイルランタンのガラス部(グローブ、ホヤとも言う)を琉球ガラスに付け替えることで世界に一つだけのキャンプギアになると考えました。しかし、基本的に琉球ガラスは耐熱製ではなく、「宙吹き製法」のため、上下に大きな開口部を作るのが難しく、かなり難航しました。耐熱の琉球ガラスを開発し、販売している「やんばるガラス工芸館」(本部町)の協力のもと、新たに加工機材を投資し、2年を掛けてなんとか製品化までこぎ着けました。苦労のかいあって、モダンな雰囲気に仕上がりました。
他にも伝統工芸品の壺屋焼を使ったオイルランタンにも挑戦中です。これは、丁子風呂という昔ながらの香炉からインスパイアした、虫よけハーブ入りの燃料を効果的に燃焼できる製品で壺屋焼の沖縄県工芸士の金城英樹さん(工房o−gusuyaオーグスヤ)と目下開発中です。
壺屋焼製のオイルランタン。来月中旬には販売を始める予定。こちらも少量生産のため購入は抽選
かつての日常を取り戻すにはもう少しかかりそうですが、沖縄を感じてもらえるようさらに他の分野でも商品開発を進めていき、沖縄の観光や伝統工芸のお力に少しでもなれればと考えております。
よなみね・やすたか/沖縄ヤマハ内のキャンプギアコーナー「燈人(ともしびと)」スタッフ。店舗は那覇市曙1-8-10、電話098・867・3359
www.ysp-nahaakebono.com
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1900号・2022年6月3日紙面から掲載