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2022年5月6日更新

【沖縄】見て食べて楽しむ野草②|今月は「ヤエヤマオオタニワタリ」

文・写真/比嘉正一(県営中城公園 所長)

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今月は「ヤエヤマオオタニワタリ」」
サッとゆでてから調理


ヤエヤマオオタニワタリの新芽。2月~6月が食べごろ

【方言名】
サムムス(宮古)、サラムシラ(石垣)、ヒィラムシル(沖縄・首里) チャセンシダ科の植物で沖縄諸島、宮古諸島、八重山諸島に分布する。


県内には3種類分布

タニワタリ類は、低地から山地にかけて普通に見ることができ、林床や岩、林内の木の幹に着生している姿が多く見られます。繁殖力が強く、一株植えると、みるみる増えて一帯に群生することがあります。また、住宅の庭に観賞用に植えられることも多いです。

一般的な総称として「オオタニワタリ」と呼ばれていますが、実は県内には3種類が分布しています。

「オオタニワタリ」は本部半島や国頭村の山地に自生し、個体数は少なく、新芽はかなりえぐみがあります。「アビス」の名前で売られているのはこのオオタニワタリのことです。

「シマオオタニワタリ」は山地性で、樹木や岩などに着生していることが多いです。新芽を食べる習慣はないようです。

一般的に食用として新芽が採取されるのが「ヤエヤマオオタニワタリ」です。「ヤエヤマ」と名が付きますが、県内の低地から山地まで幅広く分布し、どこでもよく育ちます。そのため、庭や公園、小さな森中でも普通に見ることができます。八重山や宮古では新芽を食用にしています。2月~6月が新芽の時期で、葉先10センチくらいを採取して調理します。

アクが少しあるので、少しゆでてから料理するのが良いでしょう。芯の部分はアスパラガスのような食感で、シャキシャキしておいしいですよ。バターとの相性も良いです。

料理の彩りに使うのもおすすめ。また、バターで炒めたりネバネバ系の食材(オクラ、納豆、山芋など)と混ぜてもおいしい

 

 ベーコン炒め 


【材料】
タニワタリ、ベーコン、白だし、オリーブ油
【作り方】
1.
タニワタリの新芽はゆでておく
2.フライパンにオリーブ油を熱し、1のタニワタリとベーコンを炒めて白だしで味を付ける。


 新芽の天ぷら 


【材料】
タニワタリの新芽、小麦粉、卵
【作り方】
1.
タニワタリは熱湯でサッとゆでる。
2.溶いた小麦粉に卵を入れて衣を作り、タニワタリに衣を付けて油で揚げる
 



5月の公園情報


【中城公園】
「ハイビスカスの栽培と咲かせ方教室」

日時/5月7日(土)午後1時30分~同3時
集合場所/中城公園
対象/大人 定員/10人
講師/比嘉正一氏(学芸員) 料金/1000円
※ハイビスカスの上手な咲かせ方について解説します。土・肥料について、せん定の時期や接ぎ木や挿し木での増やし方を説明。実習した挿し木、接ぎ木は持ち帰りできます。
中城公園/電話=098・935・2666


【名護城公園】
「樹木自然観察会」

日時/5月14日(土)午前9時30分~同11時
集合場所/同園内「のっぽやし広場」
対象/大人 定員/10人
講師/比嘉正一氏(学芸員) 料金/1000円
※名護城公園の散策路沿いに育つ樹木は、名護地域を代表するものばかり。方言名や活用方法など、さまざまな角度で解説します。樹木を観察しながら知識を得られる両得の観察会です。名護城公園/電話=0980・52・7434


【コザ運動公園】
「ハイビスカスの栽培と咲かせ方教室」

日時/5月28日(土)午前9時30分~同11時
集合場所/コザ運動公園 
対象/大人 定員/10人
講師/比嘉正一氏(学芸員) 料金/1000円
※左記中城公園での内容と同様
コザ運動公園/電話=098・932・0777



執筆者
ひが・まさかず、1956年
浦添市生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て浦添大公園、中城公園の管理人、沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
 
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1896号・2022年5月6日紙面から掲載

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