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2022年2月4日更新

福祉避難所(3)(小規模施設の整備)|みんなの防災計画[34]

障がい者や高齢者などの要配慮者が避難するため、設備が整った福祉避難所。しかし、施設が被害を受けていたり、受け入れが制限される可能性もある。そこで、長堂政美さんは「地域の公民館なども、一時的に要配慮者を受け入れられるよう整備が必要」と訴える。
文・長堂政美

公民館にも福祉設備を


要配慮者が安心して滞在

福祉避難所で制限も
避難を余儀なくされるような広域的大規模災害の発生が予測された時、または発生した時、避難所には多くの住民が避難することになります。

ここで、最も課題となるのは、災害時避難行動要配慮者及び要支援者(以下、要配慮者等)といわれる高齢者や障がい者等への対応です。現状として、市町村は老人ホーム等を福祉避難所として活用するため協定を結び、要配慮者が設備の整った施設に避難できるよう備えています。しかし、施設そのものが被災したり、入所者優先で受け入れが制限されるなどで、要配慮者が避難できなくなる可能性があります。また、福祉避難所自体が必要に応じて開設される二次的な避難所であるため、最初から避難所として利用できないこともあります。

そうなると要配慮者は、福祉避難所の受け入れ態勢が整うまで、設備の不十分な学校等の避難所に避難することになり、要配慮者にとって過酷な環境となってしまいます。

改正の効果はまだ先

前回と前々回、要配慮者のための福祉避難所の整備や、そこに要配慮者が直接避難できるよう、ガイドラインが改訂されたことを社会福祉士の森田清志さんが紹介してくれました。しかし、整備が完了するまでにはまだまだ時間がかかるものと思われます。

そこで必要になってくるのが、地域の公民館や児童館などの整備。これらを一時的な福祉避難所とするのです。健常者が多く避難してくる学校などよりも規模が小さい分、要配慮者に重点を置いた対応がしやすく、要配慮者が安心して滞在できるように整えられると考えます。

その際、必要になってくるのは大きく分けて三つ。「施設の整備」「物資・器材」「人材」です。

施設をバリアフリー化
まず、施設の整備について。古い公民館や児童館などには、段差が多かったり、スロープや手すり、障がい者用トイレなどがない所もあります。要配慮者をケアできる人を確保して介助するのも一つの方法ですが、施設をバリアフリー化することで要配慮者自身が自由に移動しやすくすることも大切です。

非常用発動発電設備もあるといいですね。特に酸素吸入器などを使う要配慮者にとって、バッテリーを充電するための電源は欠かせません。小規模な施設であれば、携帯用発電機を備えたり、電気自動車からの供給を検討しておくのも手です。
「物資・器材」「人材」の整備については、次回紹介します。

■一時福祉避難所にするため、
 公民館や児童館などに必要な「施設の整備」



①バリアフリー化
スロープを設けて段差を解消する、手すりを取り付ける、障がい者用トイレの設置など。古い建物の場合、上記のものが整備されていない場合もあるが、整備することにより、障がい者や高齢者といった要配慮者自身で施設内を移動できるようになる。


②非常用発動発電設備
要配慮者の中には、酸素吸入器などの機器を使うため、電源が不可欠な人もいる。地震などによって送電が停止した場合に備え、非常用発動発電設備などを設置しておく。小規模な施設なら、携帯用発電機などで十分。太陽光発電であれば日常的にも使える。

③通風・換気の確保
一時福祉避難所に避難してくる要配慮者の中には、基礎疾患を持っている人なども多い。コロナ禍での避難も考慮し、開閉できないタイプ窓は、開閉できるタイプに取り換える。

④冷暖房設備
施設によっては、一部の部屋だけに冷暖房が備わっている場合がある。その部屋を一時福祉避難所とするなど、要配慮者優先とする。


ながどう・まさみ/
NPO法人防災サポート沖縄理事長、元沖縄市消防長  
電話098・923・4442

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1883号・2022年2月4日紙面から掲載

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