2021年5月14日更新
[沖縄・ものづくり学生紹介]得意の溶接で目標達成
Vol.10 当連載では、ものづくりの大会で入賞したり難関技能検定に合格などした学生を紹介する。2020年12月に行われた、県内高校生対象の「第30回配管技能コンテスト冷凍配管部門」で南部工業高校の伊敷郁輝さん(当時2年)が優勝した。伊敷さんは「練習は授業中のみ。しっかり集中して取り組んだ。優勝できてうれしい」と喜ぶ。
得意の溶接で目標達成
沖縄県冷凍配管技能コンテストで優勝!南部工業高校建築設備科設備工学コース3年 伊敷郁輝(あやき)さん
コンテストでは寸法などの正確性だけでなく、得意の溶接で出来映えも高評価を得ることができた
冷暖房設備や冷凍冷蔵装置などの工事では配管の加工、接続の作業が必要となる。その作業が確実に行われることによって、冷媒ガスや液体などの漏れを防ぎ、システム本来の能力が発揮される。
そんな配管の加工接続に関する技能を競うのが、県工業教育研究所協議会設備工業部会が主催する「配管技能コンテスト」の「冷凍配管部門」。技能検定試験に準じた内容で、制限時間内に与えられた課題をどれだけ正確に出来栄え良くできるかを審査員が評価し順位を決める。
今大会には県内から5人の生徒が参加。優勝した伊敷郁輝さんは「寸法や部品を間違えたり、接続した管から空気漏れがあると減点対象になる。落ち着いて取り組むようにした」と話す。
管を接着させる「溶接が出来栄えを左右する」と言う。火を当て過ぎて穴が開かないよう、火の距離、時間など手元で調整する。もともと溶接は得意。「本番も緊張せず、きれいに仕上げられた」と胸を張る。
配管技能コンテスト冷凍配管部門に出場した伊敷さん。管を接着させる「溶接」では、火を当て過ぎて穴が開かないよう、加減しながら行う
授業に集中 部活も両立
同校バスケット部のキャプテンを務める伊敷さんは「放課後は部活で、技能コンテストのための練習は作れない」と、授業でしっかりと集中して技能の習得に励んだ。優勝で「部活の仲間や先生から、おめでとうと声を掛けられ、みんなが喜んでくれてうれしかった」と笑顔を見せる。
後輩には「緊張せず集中してやれば大丈夫。学校の連勝記録を伸ばして」とエールを送る。
伊敷さんは、ことし、給排水管、ガス管、空気清浄装置や冷暖房の換気設備といった建物に施す配管工事の初級技能者にあたる「建築配管技能検定3級」にも合格。「卒業までに、管工事施工の管理者になれる資格も取得したい」と難関試験突破への目標を語る。
将来は、県外就職を希望しており、「培った技術を生かし、社会で貢献できるような人になりたい」と目を輝かせる伊敷さん。今後の活躍も楽しみだ。
◆友利輝則先生からメッセージ 沖縄県の高校で設備分野の技術や専門科目を習得できるのは2校しかありません。従って学校生活において貴重な経験を重ねてきたと思います。今後も切磋琢磨して後輩たちの見本となるように自分自身を磨いてほしいものです。将来の君の活躍に期待していますよ。 |
★難関技能検定に合格した学生や、ものづくりコンテストで入賞した学生を募集します。
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内容を精査した上、記者が取材に伺います。
取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1845号・2021年5月14日紙面から掲載