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2020年3月6日更新

[特集・改めて考える防災する理由]最大クラスの地震 沖縄県内への影響は?

2011年3月11日に起こった東日本大震災から間もなく9年がたつ。沖縄県内でも大きな地震やそれに伴う津波がいつ起こるか分からない。想定される最大クラスの地震被害や避難所運営の課題など、なぜ「防災」の取り組みが必要なのか改めて考える。


県海岸防災課が作製した「津波浸水想定図」。最大クラスの地震が発生した際に、想定される浸水の区域(浸水域)と水深(浸水深)を示したもの。埋立地をはじめ、本島の沿岸域は全体的に津波の危険性がある。東海岸側では浸水深20メートル以上が想定されている地域もある


最大クラスの地震 県内への影響は?
離島含めた全域震度5以上



県では本島沖で最大クラスの地震が発生すると、県内全域で震度5以上を観測し、多くの建物や人的被害などが出ると想定している。県の担当者は「想定を上回ることも十分あり得る。ライフラインも寸断されるため、水や食料は1週間分備蓄を」と呼びかける。また、地震・津波の威力がどれほどのものなのか、それらにどう備えるかについて、NPO法人防災サポート沖縄の長堂政美理事長に聞いた。


想定超えもあり得る

県防災危機管理課では、地震や津波による危険性を把握し、防災計画などの基礎資料とするため、陸地で発生する地震、海底で発生する地震といった、想定しうる25パターンの地震を設定し、「沖縄県地震被害想定調査」として公表している。

中でも、地震の規模を示すマグニチュードが9.0と大きいのは、「沖縄本島南東沖地震3連動」と、「八重山諸島南方沖地震3連動」。いずれも、2011年に起きた東北地方太平洋沖地震のように、三つの地震が連動し、同時あるいは時間差で発生することを想定している。

特に沖縄本島南東沖地震3連動では、地震の揺れの大きさを示す震度が本島中南部で6強の地域もあるほか、宮古島市で6弱、石垣市で5強と、離島も含めた県内全域で強い揺れを感じるとされている。

また、このような地震になれば、津波の可能性も出てくる。県海岸防災課の「津波浸水想定図」では、最大クラスの地震が及ぼす津波で、各地域で最大どれくらいの深さまで浸水するかをシミュレーション。県内のほぼすべての沿岸地域で影響が予想されており、本島東海岸側では最大浸水深20メートル以上という地域もある。

さらに、県の担当者は「これらはあくまでも想定であり、想定を上回るケースも十分にあり得る。地震の要因となる断層についても、位置や長さが判明していなかったり、未知の断層もたくさんあるため、地震はいつ、どこで発生してもおかしくない」と注意を促す。




12万人以上が死傷

地震による被害も想定されている。沖縄本島南東沖地震3連動の場合、津波や地震火災などによる建物の全壊棟数は5万8千棟以上、半壊棟数は7万棟以上。1万1千人以上の死者や、11万人以上の負傷者が出るという。

ライフラインへの被害も大きく、担当者は「島しょ県である沖縄では、陸続きの県外に比べて応援にも時間がかかる。那覇空港が被害を受けて使えなくなる可能性もあるし、道路に被害が出れば流通がストップし、支援の手が伸ばせなくなることも考えられる」と説明する。

地中に埋められた水道管は揺れにより折れてしまうため、復旧に時間がかかるという。そのため「普段から使う物を少し多めに備えておくなど、できれば1週間分の水や食糧などを各家庭で備蓄しておいてほしい」と訴えた。



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編集/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1783号・2020年3月6日紙面から掲載

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「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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