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2021年4月9日更新

暮らしをサイズダウン シニアから楽しむ沖縄移住[1]

[暮らしをサイズダウン シニアから楽しむ沖縄移住|文・写真/青木 容子]
60代後半で沖縄に移住した青木容子さん。本連載は、青木さんが移住に伴って、資産整理や断捨離などの暮らしをサイズダウンした経験と、沖縄で生活する中での楽しみを紹介します。

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自宅と店手放し沖縄へ


夫婦どちらからともなく沖縄移住を決意

2016年12月、30年間住んでいた静岡県富士宮市から夫と2人で沖縄に移住しました。移住のきっかけは、夫が40年前に「沖縄歌舞団」ヨーロッパ公演の舞台監督を務め、夫婦で沖縄を訪れるようになったことでした。そのうち、どちらからともなく「年をとったら沖縄に移住しよう」と心に決めたように思います。特に私は、初めて沖縄を訪れた際、夕食に出かけた時に、たまたま近くでエイサーのイベントをやっていて、その音色と青年たちの姿に、わけも分からず涙がこぼれて自分でもびっくりしてしまったことが、ずっと忘れられませんでした。

富士宮では自宅の敷地内に建てた木造店舗で、企画ギャラリーを25年間経営しました。その間4人の息子たちと私の母と7人で暮らしました。毎日、富士山を眺め、おいしい水と自然がいっぱいの中で、アートに囲まれて、いろんな方々との交流ができた思い出は宝物です。



営んでいた企画アートギャラリーの内観。窓枠は全て木製、壁はしっくいで一部にれんがを使うなど、内装にこだわり、温かみが感じられるようにした。写真手前の緑の棚は夫・嘉一郎さんの手作り。「あおきカラー」と呼んで親しんだ色は内観によくなじんだ

何も持たない暮らしへ

ギャラリーを経営して20年たった時に、近い将来もし夫婦どちらかが体を壊したりしたら…と考え、300坪以上の土地と二つの建物、プラスマイナスの資産を元気なうちに片づけ、何も所有しない暮らしにシフトしたいと思うようになりました。物件を売りに出し、何人もの方々が見に来られました。駐車場まで含めると約350坪の土地に母屋と店舗があるので、かなり広い物件だということ、店舗の建物と内装は思い入れがあって、こちらの希望価格が一般的な評価より高いということなどで、なかなか買い手が決まりませんでした。
売りに出してから5年後に店名もそのまま引き継ぐかたちで購入したいという方が現れ、晴れて移住への第一歩を踏み出すことができました。次回は、店の引き継ぎについてお話ししたいと思います。



営んでいた企画アートギャラリーの内観。窓枠は全て木製、壁はしっくいで一部にれんがを使うなど、内装にこだわり、温かみが感じられるようにした。写真手前の緑の棚は夫・嘉一郎さんの手作り。「あおきカラー」と呼んで親しんだ色は内観によくなじんだ


あおき・ようこ/1948年、長崎市生まれ。夫・嘉一郎とともに、90年から静岡県富士宮市で企画アートギャラリー「芸術空間あおき」を経営。2016年に沖縄移住し、北中城村瑞慶覧のカフェ「沖縄物語」内でアートショップを営む。
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1840号・2021年4月9日紙面から掲載

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