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2022年9月16日更新
[沖縄]マイホーム計画の前に 絶対身に付けたい「片づけ力」|家と心理⑥
県内唯一の空間デザイン心理士®で、一級建築士、2児の母でもある、まえうみさきこさんが空間を心理学的に解析。今回から2回に分けて「片づけ力」について説明します。「こんまり®流片づけ」コンサルタント事務局の鈴木美帆子さんにご協力いただきました(質問に対する回答は鈴木さんが担当しました)。
マイホーム計画の前に 絶対身に付けたい「片づけ力」
「こんまり®メソッド」で解決
マイホームのご要望でダントツに多いのが「収納スペースの確保」です。「前の家は収納が全然足りなかったから、とにかく収納スペースを広く取りたい!」とか、「ウオークインクローゼットに憧れている」などなど。
しかし! スペースを広げたにもかかわらず、「家づくりで後悔したこと」の上位に「収納スペースが足りない」という声があるってご存じですか? それだけ「収納スペースをきちんと確保したのに片づかない…」と悩んでいる方が多いんです。
収納スペースは「たくさんつくるほど良い」わけではありません。片づかない原因や対策を知らないまま新しい家に引っ越しても、家がモノであふれ、以前のように片づけに悩む暮らしになってしまいます。
片づく家にするために、2回に分けて「片づけ力」について説明します。今回は「残す物の選び方」。
なんと!「人生がときめく片づけの魔法」でおなじみの〝こんまり®流片づけ〟コンサルタント事務局を統括されているコンサルタントコミュニティーディレクター・鈴木美帆子さんに、片づけ・収納の悩みに答えていただきました!
必要なモノを吟味
鈴木さんのお話を踏まえると、片づけ力とは、「モノと向き合うマインド」のようです。収納を広げる前に、本当に自分にとって必要なモノをじっくり吟味し、自分・家族に合った適正な量を知ることが大切です。
次回は「片づいたおうちをキープするコツ」を紹介します。ちなみに10月1日(土)には鈴木さんと私で「マイホーム計画の前に、絶対身につけたい『片づけ力』」のオンラインセミナーを開催します! 新築だけでなく既存住宅でも使える情報満載です。
【こんまり®メソッド】とは、「一度片づけたら、絶対に元に戻らない」をモットーに、片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんが独自に編み出した片づけ法。このメソッドについて書かれた『人生がときめく片づけの魔法』は世界40カ国以上で翻訳出版され、累計1300万部を超える大ベストセラーとなる。2015年のTIME誌で「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれた。
【回答者】すずき・みほこさん
KonMari Media Japan㈱のコンサルタントコミュニティーディレクター、こんまり®︎流片づけコンサルタント事務局統括。家事代行マッチングサービス「タスカジ」の立ち上げに参画後、2019年、KonMari Media Japanに入社。自身も日米こんまり流片づけコンサルタントの認定を受け、同コンサルタントの育成やコミュニティー形成に情熱を注ぐ。講演業にも力を入れており、企業や国連のイベントなどにも登壇。参加者は延べ2.5万人に達する。フジテレビ「セブンルール」、テレビ東京「なないろ日和!」などメディア出演も多数。著書『伝説の家政婦が自宅で実践!週末15分そうじ術』(SBクリエイティブ)は4刷のベストセラーとなる。
Q モノがなかなか手放せない!
A 「ときめく」モノだけを残す
「ときめき」を察知する感度を上げましょう。こんまり®メソッドでは、そのモノを触ったときに、「ときめき」を感じるかどうかで残す物を決めます。初めは「ときめく」という感覚が分かりづらいのですが、衣類、本類、書類、小物、思い出の品の順番で、簡単なカテゴリーから見ていくと、感覚がつかみやすいです。
人がモノを手放せない理由は「過去への執着か未来への不安」のどちらか。全然使ってないし、本当はもう要らないけど手放せないモノがあった時、それは「過去への執着と未来への不安のどちらだろう?」と自分に聞いてみてください。過去や未来にとらわれて、今をないがしろにする方がもったいないと思いませんか? しばらく着ていない昔買った洋服でクローゼットがいっぱいなのと、本当に着たい服を厳選し、それが整然と並んでいるクローゼット、どちらがワクワクするでしょうか? 今、あなたがワクワク「ときめく」方を選びましょう。ときめきが分かるようになると、ときめかないモノは「片をつけて」すんなり手放せるようになるんです。
Q モノが多い。増やさないコツは?
A 自分の持ち物すべてと向き合う
まずは一度「こんまり®メソッド」で片づけをお試しください。別名「片づけ祭り」と呼び、自分の持ち物すべてと向き合って残す物を決め、その定位置を一つ残らず決めます。その工程の中で、自分が人生で大切にしているモノや価値観が明確になります。そうするとやたらと物を買わなくなり、「足りないと思っていたけど、実は十分に持っていることに気づいた」というお声をよく聞きます。買うときに、それを使っている様子を思い描き「自分の理想の暮らしに本当にそれはあった方がいいかな?」と慎重に考えるようになります。
Q 片づけてもすぐリバウンドする!
A すべてのモノの定位置を決める
リバウンドしないコツはズバリ、「残すモノの定位置を一つ残らず決める」こと。一つでも住所不定のものがあると、不思議とその周りにはモノが集まってきて、あっという間に散らかってしまいます。
一つ残らずというのがポイント。特に新しく買ってきたモノの定位置はすぐに決めてくださいね。買ってきたのに袋から出さずそのまま忘れていたなんてことありませんか? すぐにパッケージから出して、収納の中に定位置を決めてあげましょう。
「定位置管理がいいとわかっていても、戻せない」というお声をよく聞きます。しっかりすべてのモノと向き合って選び切ったときめくモノだけになると、この大切なときめくモノを定位置に戻してあげたいという気持ちになりますし、収納にゆとりが出るため戻しやすくなりますよ。
ビフォー
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アフター すべて選ばれたモノになると、すっきりするだけでなくモノの定位置も決めやすくなります
Q 子どもや家族が片づけない
A まず自分の片づけを終える
目くじらを立てて「片づけなさい!」と言うのではなく、まずはご自分の「片づけ祭り」を終わらせてみてください。家族が片づけないことに不満を感じるとき、実はご本人の片づけが終わっていないことがほとんどなんです。
片づける時は、ご自身の物やご自身が管理しているモノだけ手をつけ、ご家族のモノは触りません。片づいたエリアが気持ち良いことはご家族にも伝わり、あなたが楽しそうに片づけをしていると、不思議と家族も片づけ始めます。
[文・イラスト]
まえうみ・さきこ/1976年、嘉手納町出身。建築会社に20年勤務したのち、2021年6月に「ielie(イエリエ)」を設立。建築の知識やママの経験を生かして、住まいの悩みに応じたコンサルティングやインテリアコーディネートを行う。一級建築士、空間デザイン心理士®、夫、2人の子ども、猫2匹で暮らす。http://ielie.net
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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1915号・2022年9月16日紙面から掲載