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2021年2月19日更新
室内飼いのメリットと注意点|危険少ない分 運動多めに|ねこと暮らそう[11]
文・写真 田場正親
たば・まさちか/猫や犬の殺処分数や、飼育できる物件の少なさに衝撃を受け、「足りないのは愛情よりシステム(部屋)」を合言葉に、猫専用アパート「まやちぐら」を夫婦でゼロから作っちゃった猫好きな人。犬も好き。
私が運営しているアパート「まやちぐら」では猫の完全室内飼いを入居条件として設けていますが、今回は「なぜ完全室内飼いが良いのか?」という話を掘り下げます。
外に出られない不自由さという面で、かわいそうな気持ちはもちろんあります。しかし室内飼いは猫が安全に暮らせるメリットが豊富にあるのです。
外に出られない不自由さという面で、かわいそうな気持ちはもちろんあります。しかし室内飼いは猫が安全に暮らせるメリットが豊富にあるのです。
スリッパで遊ぶ、わが家の愛猫「のす」。お気に入りのおもちゃでたくさん遊んで肥満解消
外に出ると管理が困難
外に出る猫は好きな時に好きな場所へ行けるのでストレスはたまりにくいとされています。ですが、外で何をして、何を食べているのか把握できないため健康管理が難しく、ささいな猫の体調変化を見落とす可能性があるというのは、飼い主としては心配です。他の猫と関わる中でケガを負う、病気をもらう、望まない妊娠なども考えられます。
それから迷い猫になるリスクとは常に隣り合わせ。帰巣本能がある子でも道に迷ったり、大きな道を越えたら戻れなくなってしまったという話も。帰りたくても帰れなくなる原因が外の世界には多く潜みます。
また外を行き来する猫の死因で最も多いとされているのが交通事故。猫は車の前に飛び出すと、引き返せずにその場で固まってしまう習性があり、車にひかれやすいそうです。
近隣住民とのトラブルも深刻。近所のお宅の敷地内で大事な植物に粗相する、ゴミをあさるなどのほか、猫が苦手な人もいます。
家の中にも危険はある
室内飼いは、このような数々のリスクから猫を守ることができます。
ただ注意点も。室内は行動が限られるため、運動不足から肥満になる猫が外猫に比べて多いとされます。おもちゃや体を使う環境を用意し、たくさん運動させましょう。ぽっちゃり猫さんもかわいいんですけどね(笑)。
また、室内は外より安全とはいえ、ガスコンロ、暖房器具、浴室、電気コードなど危ない場所や物が存在します。猫の行動を考え、危険にさらさないよう予防に努めましょう。
猫の平均寿命について、一般社団法人日本ペットフード協会の「2020年全国犬猫飼育実態調査」によると室内猫は16.13歳、外を行き来する猫は13.57歳と約2年も差が開いていることがわかりました。室内猫は長生きするというのは最大のメリットですよね。大切な家族である猫と、できるだけ長く一緒に暮らしたいものです。
多頭飼いで猫同士の相性が良いと一緒に遊んでくれる。運動にもなって猫も寂しくないので一石二鳥
猫が電気コードをかじらないよう、まやちぐらのコンセントは高い場所に設置されている
文・写真 田場正親
たば・まさちか/猫や犬の殺処分数や、飼育できる物件の少なさに衝撃を受け、「足りないのは愛情よりシステム(部屋)」を合言葉に、猫専用アパート「まやちぐら」を夫婦でゼロから作っちゃった猫好きな人。犬も好き。
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1833号・2021年2月19日紙面から掲載