猫と暮らすための部屋|ねこと暮らそう[2]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

スペシャルコンテンツ

地域情報(街・人・文化)

2020年5月15日更新

猫と暮らすための部屋|ねこと暮らそう[2]

文・写真 田場正親
たば・まさちか/猫や犬の殺処分数や、飼育できる物件の少なさに衝撃を受け、「足りないのは愛情よりシステム(部屋)」を合言葉に、猫専用アパート「まやちぐら」を夫婦でゼロから作っちゃった猫好きな人。犬も好き。


猫は日なたぼっこや景色を見るのが好き。窓際は滞在率が高い

 

ルール設け多頭飼いOK

ペット不可物件に内緒で猫と暮らしている方は意外と多いのではないでしょうか。猫を飼える物件が見つからず、仕方なく不可物件で飼っている方から、「窓際で顔をのぞかせる猫ちゃんにヒヤヒヤ」したり、「罪悪感がある」という話をよく聞きます。


少ない「猫飼育可」物件

沖縄で猫と暮らせる物件数は、どのくらいあると思いますか?

試しに、賃貸検索サイトで【ペット可・ペット相談可】という条件で検索してみると、多いところで1千件程度の空室がヒット。しかし、【猫可】となると約70件、さらに【多頭飼い】という条件を加えるとたったの2件まで空室は激減してしまいました。ペット可であっても小型犬のみOKだったり、多頭飼い不可の物件は多く、猫を飼える場所や数が限られているという厳しい現状があります。

不動産オーナーの中には猫に対して、汚す・ニオイが強そう・爪研ぎで柱や壁が傷みそうなど、マイナスイメージを持つ人もいます。

ですが猫はキレイ好きですし、去勢・避妊手術をすればニオイをつける行為が少なくなる傾向もあります。壁が傷付くリスクは、爪研ぎを複数置いたり、こまめに爪を切ることで減らせます。無理なく飼える数であればトラブルも起こりにくいものです。


猫と暮らすために欠かせない爪研ぎ。柱や壁を傷つけないためには必須



猫殺処分数は年間700匹以上

私が運営するアパート「まやちぐら」では、猫に関するトラブルを避け、人と猫が気持ちよく生活するためのルールを設けています。

例えば、完全室内飼いで部屋の外に出さないことで、感染症や万が一の妊娠、交通事故などを防ぎます。住人さんや猫の健康のために敷地内は完全禁煙です。

また、猫は去勢・避妊手術がされていることを条件とし、飼える数は1室あたり3匹まで。これは飼えない数まで増やさないことと病気のリスクを減らすことが目的です。飼いきれなくて捨ててしまう等、悲しい運命をたどる猫たちがいてはいけないからです。

沖縄では少なくなってきたとはいえ、いまだに年間730匹もの猫が殺処分されています。避妊・去勢をせず増やしてしまったり、飼いきれず捨ててしまうことによるかわいそうな猫を少しでも減らすためには、共生できる環境やシステム(部屋)を増やすことが大切なのではないでしょうか。





文・写真 田場正親
たば・まさちか/猫や犬の殺処分数や、飼育できる物件の少なさに衝撃を受け、「足りないのは愛情よりシステム(部屋)」を合言葉に、猫専用アパート「まやちぐら」を夫婦でゼロから作っちゃった猫好きな人。犬も好き。

=毎月第3週に掲載

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1793号・2020年5月15日紙面から掲載

地域情報(街・人・文化)

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2128

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る