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2021年2月12日更新

【着飾る】ユニークで 一日ウキウキ|アートと暮らす[5]

[アートと暮らす|文・写真 青木嘉一郎]このコーナーでは、アートショップを営む青木嘉一郎さんに工芸やアートを日常に取り入れる面白さを教えてもらいます。

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静岡県の郊外で企画ギャラリーを25年主宰して、いろいろなアーティストの作品展を開催してきた。その中には衣類、バッグ、ショールなど身に着ける作品も数多くあった。私も妻も作家たちが提案するすてきな作品で着飾り、宣伝も兼ねて、ファッションを楽しんでいた。この仕事の役得なところだ。

作家の思いこもる素材

ある人形作家は、何着ものセーターを切り取って、色合わせをしてベストなどの洋服を作っている=写真1。着古したセーターを熱湯で煮込んで、目の詰まったフェルト状にする手法は、アメリカ在住時にヒントを得てできたものだという。着心地は軽く、とても暖かい。アートフルなので着ているとウキウキして、その日一日が楽しくなる。もう何着も着つぶした。


1. 人形作家・原明子さんが作ったベスト。青木家では秋冬の定番アイテムになっている

アンティークな小物をあしらったバッグは、一点物だけあって特別な気分にしてくれる=写真2。キリムという中東のじゅうたんやワッペンなど、作家が世界中を巡って仕入れたものが使われている。工事用の大きなメジャーが肩掛けになっていたりと、ユニークなバッグは見る者も楽しませてくれる。

妻は赤いビーズのピアスを愛用する=写真3。世界中から集めた古いビーズを使うアクセサリー作家が作ったもの。長い年月で角が丸くなり、ベネチアからアフリカに渡ったというルーツを考えるとすばらしい。


2. 高橋裕美さんが作るバッグは世界中から集めたアンティーク素材で仕立てられ、
    同じものは二つとない



3. 妻・容子さんが愛用しているピアス。ビーズ一つ一つが
 持つ歴史を、作家の藤浪勝子さんから聞くのも楽しい



ファッションも直感

毎日弁当を入れるバッグ、藍染めのショールもお気に入り。高価な物でなくても、自分が「これだ!」と思う物と出合い、そういう物を身にまとう。使うと心がとても豊かになり、日々の暮らしが楽しくなる。



沖縄在住の紅型作家・知花千賀子さんが染めた藍のショールも使い込んでいる

直接絵を描きラフな布バッグに仕立てた大城美幸さんの作品。毎日の弁当入れに使っている

 
あおき・よしいちろう/1947年、川崎市出身。舞台監督として、78年「沖縄歌舞団太陽の燃える島」にも携わる。静岡県で妻・容子と企画ギャラリーを運営し、2016年に移住。北中城村のレストラン沖縄物語内の「アートショップ蓉(よう)」で、作品の展示販売を行う
 
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1832号・2021年2月12日紙面から掲載

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