深呼吸スポット①|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

沖縄建築賞アーカイブ

スペシャルコンテンツ

2020年6月5日更新

深呼吸スポット①

マスクが欠かせない日々が続く。慣れてはきたものの、窮屈さを感じることもある。このコーナーではマスクを外して深呼吸したくなる、開放感あふれるスポットを紹介する。

タグから記事を探す
中城公園の新エリア 眺望と自然を満喫 

中城公園 台グスクエリア(中城村久場)


4月1日から利用可能となった、中城公園の台グスクエリア。駐車場から展望台へ向かう途中の景色。2~3分ほど上っただけで、久高島や津堅島などが一望できる
 
 「マスクを外して深呼吸できるような場所はありませんか」と、県営中城公園の所長・比嘉正一さんに聞いたことろ、「絶好の場所があるよ」と言われて梅雨の晴れ間の5月下旬、撮影に向かった。

 2020年4月1日から利用できるようになった中城公園の新スポット「台グスクエリア」だ。中城城跡から少し離れた場所にあり、護佐丸以前に中城を統治していた按司の居所とも言われているが詳細は不明だそう。
 このほど、展望台や散策路、駐車場やトイレなどが整備された。中城村で一番の高台にあり、駐車場からでも久高島まで見渡せる。
  「新型コロナによる自粛も重なって、あまり知られていない穴場スポットです」。取材時も、広々とした駐車場には車が2~3台しか止まっていなかった。


広々とした駐車場も整備され、トイレや水飲み場、自販機なども備える。駐車場の利用時間は9時~18時


展望台からは水平線と濃緑

 展望台へ向かって散策路を上る途中、下りの階段が現れた。下りていくとけもの道へ続く。

展望台への散策路の途中、下り階段がある。護佐丸の墓へと続く道だ。案内板などは無いので見落としやすい。階段の先は、きれいに舗装されていないけもの道なので気を付けて歩こう


足元に気をつけながら少し歩くと、中城村の英雄である護佐丸の墓にたどり着いた。
県内に現存する亀甲墓としては最も古い時代のもので、文化的にも価値が高い。

護佐丸の墓。県内で最も古い時代の亀甲墓。そばに立つ碑には「毛國鼎(護佐丸の唐名)護佐丸之墓」とある

「以前は車を降りて、だいぶ歩かないと墓まで行けなかったが、今は台グスクの駐車場から10分と掛からず来ることができます」と比嘉さん。
 散策路に戻ってさらに歩くと、両脇の緑の距離が近くなってきた。うっそうと茂る緑を見ながら、「ちょうど月桃の花が咲いています」。「もう少しするとセミの大合唱が始まりますよ」「クロツグの甘い香りがしませんか」。この時期ならではの自然の楽しみ方を教えてくれた。
 500㍍ほど歩き、展望台に到着。浜比嘉島や平安座島なども見渡せる。青く丸い水平線と公園の濃緑という自然が織りなすコントラストが見事だ。周りに人がいないことを確認し、マスクを外して深呼吸。空気がおいしい。五感で清々しさを感じられるスポットだった。


散策路の最上部にある展望台から見る景色。海と空、街並みが180度以上の大パノラマで広がる


駐車場から展望台までは500メートルほど。散策路が整備されていて歩きやすい。緑との距離が近く、植物や虫を観察できる。比嘉さんは、木に止まるシンジュサンという大きな蛾(が)の幼虫などを発見していた

タグから記事を探す

この記事のキュレーター

スタッフ
東江菜穂

これまでに書いた記事:354

編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

TOPへ戻る