リフォーム
2017年12月22日更新
塗装のプロが語る 外壁塗装で「資産価値保つ」|リフォームの現場から
今回は外壁塗装について、塗装や防水の専門会社(株)エースの阿嘉佑樹社長に伺います。「塗装には建物を保護する役目があり、定期的に塗り直しをすることで、資産価値を保つことにつながります」と説明します。
塗装のプロが語る 外壁塗装で「資産価値保つ」
大事なのは塗料や工法
構造体を保護する役目
「外壁って塗り替えが必要なの?」と聞かれることがあります。答えは「はい!、もちろんです」。
外壁には紫外線や風雨、塩害などから構造体を守るという役目があります。
特に沖縄で多い鉄筋コンクリート造では、外壁が内部の鉄筋を保護しています。硬く見えるコンクリートにも経年劣化や塗膜の劣化などによる小さなヒビが発生します。そのヒビから雨水や二酸化炭素が内部に浸入すると鉄筋がサビてしまい、これが爆裂(鉄材などの膨張によるコンクリートの剥離)につながります。
このような現象が起こるのを防ぐために、塗装による塗膜をはり、建物の耐久性を保つ必要があるのです。
塗り替え時期の見極め方
塗り替え時期の見極め方は、大きく以下の四つです。
①ひび割れ(クラック)が見られる。塗料の耐用年数が切れたため、ひび割れを起こし、雨水などの浸入を防げない状態です。
②塗装の膨れ、剥離がある。触るとポコポコと内部に空気が入っているような状態です。
③カビや藻、コケが発生している。
④チョーキングの発生。手や指で外壁を触ると白い粉が付きます。防水性能も損なわれている状態です。
見積もりはここを確認!
塗り替えをする際は、業者に見積もりをお願いします。安いところにお願いしたくなるのは分かりますが、値段だけでなく使用される塗料や工法にも注意しましょう。左表を参考にしてください。
工法は主にはけやローラーを使って職人の手作業で行う工法と、専用機械を使用し吹き付けを行う工法の2種類に分けられます。
吹き付けの場合、安価になりますが、隣家の洗濯物や近隣に駐車している車両などに塗料が飛散する恐れがあり、配慮しなければいけません。
塗装工程についても下地処理後、下塗りを行いますが、下塗り後の塗装が2回なのか、3回なのかなど確認してください。2度塗りより3度塗りの方が耐久性は高くなります。
沖縄は紫外線が強く、塩害もあります。外壁塗装の塗り替え時期を把握し、適切な塗料を適切な工法で塗装することが、資産価値を保つことにつながります。
安い見積もりには安い理由があり、高い見積もりには高い理由があります。工法や塗料の種類など内容をしっかりと確認した上で、業者を決定しましょう!
主な塗料の種類と特徴
・アクリル、ウレタン系塗料
安価。耐用年数は約5年~8年
・シリコン系塗料
アクリル、ウレタン系より高価。耐用年数は約10年~12年
・フッ素系塗料
高価。耐久性、耐熱性、防水性が高く、耐用年数は約12年~15年
※コンクリートの打ち放しでクリア塗装仕上げの場合、塗り替えの見極めがむつかしいです。確認方法としては、カビやコケなどの発生や、黒ずみなどの目視での確認や、触れた際のザラザラした感触などでも確認できます。
塗料は、クリア塗料は耐久性能が約7~10年程度ですが、近年開発された特殊な工法であれば15年~20年と耐久性も高い工法もあります。
阿嘉佑樹(あか・ゆうき)
塗装や防水を請け負う株式会社エースの代表取締役社長。同社は創業9年で、ことし法人化。浦添市に本社、名護市に北部支店がある。モットーは「沖縄の建物はエースが守る」。
エース
0120-394-001
http://www.ace-okinawa.com/
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1668号・2017年12月22日紙面から掲載