DIY
2020年8月14日更新
ようこそ♪DIYの世界へ ボルダリング用パネルの設置
#29 本連載講師の島袋さんが手掛けた内装などを事例に、DIYのポイントなどを紹介する。今回は、ベランダに設けたボルダリング用パネル。等間隔に開ける穴がポイントだ。
こどもセンター「ゆいまわる」


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墨つぼで等間隔に印
保育園を改装した建物のベランダに、ボルダリング用のパネルを取り付けました。その建物を使う「ゆいまわる」は、作業療法士による保育所等訪問事業や学校作業療法などで、子どもたちをサポートしています。
ボルダリングは、子どもの心と体の土台作りに効果があるそうです。設置方法やコース設定については、プロから助言も受けました。
そのパネルを家のベランダにも取り付けてみます。
まず、ホールド(つかんだり、足をかけたりする部分)を取り付ける穴をパネルに開けます。ホールドを自由に付け替えやすいよう、パネル1枚当たり約50カ所の穴を等間隔に並べます。
しかし、穴開けの場所を示す印を、等間隔になるよう一つ一つ測るのは大変。そこで墨つぼという道具を使います。墨を含ませた糸を張り、その糸をはじくことで、長い直線をきれいに引けます。今回は格子状に線を引き、等間隔の印にしていきます。

墨つぼ
コンクリートに穴を開けるのには、叩きながら穴を掘る、ハンマドリルを使います。使う機会は少ないと思うので、レンタルでも良いでしょう。
注意するのは設置場所。コンクリートの外壁なら問題ないですが、室内の石こうボードなどでは強度が足りません。水回りも水道管があるかもしれないので、避けた方がいいです。

ハンマドリル
また、パネルは厚さ12㍉を使いました。これより薄いと強度が心配ですし、ホールドをしっかり固定するには、ツメナットの穴の長さよりも少し厚めのパネルを使う必要があるためです。
外出しにくいこの時代、ベランダを有効活用し、楽しんでみてはいかがでしょうか。
ポイント1 2種類の傾斜
1面は90度、もう1面は105度の角度をつけてあり、利用者の体力やレベルに応じて使い分けられる。体格に合わせてホールドも付け替えられるよう、パネル1枚当たり50カ所の穴が開いている。
ポイント2 パネル裏に通路
メンテナンスしやすいように、パネル裏には人が通れる空間を設けた。自宅の場合はスペースも限られるので、無くてOK。
ボルダリング用パネルの取り付け方

組み立て方1 等間隔に格子状の線を引く
①パネル加工図で穴を開ける位置を確認し、その両端に印を付ける(縦方向、横方向とも)

②①の印(赤丸)の位置に墨つぼの針を刺す

③②の対面にある印まで墨つぼの糸を伸ばす

④③の糸を引っ張る

⑤糸を放すと、糸と一緒に染み込んだ墨がパネルに付き、直線が引ける

①~⑤を繰り返す

組み立て方2 ツメナットを取り付ける

ツメナット
①組み立て方1で引いた線が交差する部分に、細いキリで穴を開ける

②パネルを裏返し、①で開けた穴を目印に大きい穴を開ける。今回は、ツメナットの穴の外径が約12ミリなので、ひと回り大きい13.5ミリのキリを使う

③②の穴の裏面にツメナットを当てながら、表からワッシャーを挟んでボルトを通す


③のボルトを手で締めた状態
④レンチで強く締める

⑤④の結果。ツメナットのツメ部分が板に刺さっている

⑥ボルトとワッシャーを外す。ツメナットがしっかり固定されていればOK

組み立て方3 骨組み・パネルの設置
①壁にパネルをあて、取り付け位置の印を付ける

②①に骨組みに使う材の中心を合わせ(赤丸)、材の上からハンマドリルで穴を開ける

③コンクリートの感触がしたら、材をはずして壁に穴を開ける

④②と③の穴を合わせ、コンクリート用のビスで留める

⑤材が水平・垂直になっているか確認しながら、ほかの骨組み用の材もハンマドリルで穴を開け、コンクリート用のビスで留めていく


⑥パネルの表側が見えるように、骨組みにパネルを合わせる

⑦材の中心にパネルの端を合わせ、木工用のビスで固定する

組み立て方4 ホールドの固定
①パネル表側の穴にホールドの穴を合わせ、ボルトを通して締める

②ホールドが回転しないようビス留めすれば完成

島袋清成(しまぶくろ・きよなり)/INTERIAN代表、インテリアデザイナー。家具デザインを得意とし、インテリアをトータルで提案する。トリップショットホテルズ・コザのリノベーションも手掛けた。
050-1240-4059
<ようこそ♪DIYの世界へ 過去記事一覧>
編集/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1806号・2020年8月14日紙面から掲載








