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2020年7月10日更新

ようこそ♪DIYの世界へ レール付きの引き出し

#28 本連載講師の島袋さんが手掛けた家具などを事例に、DIYのポイントなどを紹介する。今回は、アンティーク風に仕上げた机などクリニックの待合室や院長室の家具。

 新健幸クリニックの家具 

重厚な趣の院長室

タモ材で古風&自然に
那覇市久茂地の新健幸クリニックに納めた家具たちです。待合室から事務室、院長室まで、家具全般を担当させてもらいました。イメージとしては、待合室などが「ナチュラルでアットホーム」、院長室は「重厚なアンティーク調」です。
そこで、材料はタモ材やタモの合板を中心に使いました。木目がきれいですし、もともと落ち着いた色なのでアンティーク調に塗装するのにも向いています。
その中で、今回は院長室の机にもある、引き出しの取り付け方を紹介します。ただ、初心者でも作りやすいよう、四角い枠に、底板と前板、レールを取り付けるだけの造りにアレンジ。前板を側板や棚板に当てることで、引き出しが奥に行き過ぎないようにします。
ポイントとなるのは、やはりレール。例として使うのは、本体の側板と、引き出しの底板に取り付けたパーツを組み合わせるタイプで、引き出しの一部は棚に収まったままとなります。
他にも、引き出しを丸ごと出せるタイプなど、さまざまな種類があるので、好みのものを選んでください。
その際、サイズはもちろん、レールの耐荷重にも配慮を。耐荷重を超えた物を入れると、レールが曲がってしまう可能性があります。
作るときは、中に納める箱部分のサイズに注意。レールの厚みや、取り付け位置の高さなども考慮しないと、棚の中に納まらなくなってしまいます。特に高さは、本体の側板に取り付けたレールの位置によって変わるので、事前に計算しておきましょう。


 ポイント1  太さで重厚さを表現

書棚。天板の側面はモールディングで飾りをつけ、エレガントな印象に。側板はあえて太くし、重厚さを出した。壁面の換気口やコンセントの位置にあたる背板は、穴を開け、使用時に干渉しないようにした。

 ポイント2  アンティーク感増す取っ手

オイルステンを塗り、クリア(ニス)で仕上げた机。金物屋で見つけた引き出しの取っ手によって、よりアンティーク感が漂う。全体的にタモ材を使っているが、天板の上は傷に強いメラミン化粧板を敷いている。

 ポイント3  座面上げて立ち上がりやすく

待合室のソファ。一般的な座面の高さは床から40センチだが、クリニックの要望で、床から48センチのものも製作した。ひざなどの関節に痛みがある患者でも、座ったり、立ち上がったりという動作が楽になるという。

 ポイント4  木陰のようなベンチ

図書コーナーにある円形のベンチ。部屋の端に置かれがちな観葉植物をベンチの真ん中に置くことで、植物の存在感が増し、ベンチに座る人も木陰で休んでいるような気分が楽しめる。
 

引き出しを取り付ける

ナイトテーブルに、上のような引き出しを取り付ける。引き出しにはスライドレール=下部参照=を付け、開け閉めしやすいようにする。



①レールをビスで2カ所ほど留める。このときレールが水平になるよう注意。ローラー部分は下が出っ張っているので、レール部分に合板等を挟むと水平が取りやすい


②引き出しになる四角い枠を組む。幅は、ナイトテーブル本体の内径からレールの厚みを引いたサイズ。高さは、枠に底板を足した時の高さが、棚本体の内径からローラーと棚板間の長さ(①写真ピンク部分)を引いた値より小さくなるようにする。奥行きは自由


③底板を付ける


④引き出し側のレールを1カ所だけビス留めする。レールの何も付いていない方は前板側の角に合わせ、ローラーが付いている方が奥側になるよう向きに気を付ける


⑤④を①のレールに通してみる


このとき②のサイズが間違っているとうまく入らない。特に高さは、一度、本体側のローラーの上に乗せてから入れる感じになるので、②の時点で枠が高くなり過ぎないようにしておく(今回はギリギリ。もっと余裕があった方が良い)

⑥引き出しがうまく入れば、①④で留めた場所以外の穴もビス留めする(3~4カ所)。水平になっていない場合などは①④をやり直す


⑦底板からナイトテーブルの棚板の底までの長さを測る


⑧前板の底から⑦の長さの線を引き、その線に合わせて引き出しをビス留めする
※前板の幅はナイトテーブルの外径、高さは天板の底から棚板の底までの長さ



⑨前板に取っ手を付ければ完成



前板が側板や棚板に当たることで、引き出しが奥に入り過ぎない

 

スライドレールの仕組み


今回のスライドレールは「引き出しに取り付けるもの(ア)」「本体の棚部分に取り付けるもの(イ)」の2種類のパーツを組み合わせて使う。「ア」のローラーが、「イ」のローラーの上を通って=写真1・2=レールに納まることで=3=スライドできる。



レールなしの場合
レールなしの引き出しの場合も、上の手順②と同様に、底板も含めた枠のサイズに注意。棚本体との隙間は、上は5㍉ほど、左右は1㍉ずつくらいがいい。隙間が大きいと、引き出した時に落ちてしまう。




島袋清成(しまぶくろ・きよなり)/INTERIAN代表、インテリアデザイナー。家具デザインを得意とし、インテリアをトータルで提案する。トリップショットホテルズ・コザのリノベーションも手掛けた。
050-1240-4059


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編集/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1801号・2020年7月10日紙面から掲載

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出嶋佳祐

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編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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