2022年12月9日更新
住宅の断熱性向上のための先進的設備導入促進事業[知っトク制度(30)]
2022年度の第2次補正予算で創設された「住宅の断熱性向上のための先進的設備導入促進事業」は、窓ガラスやサッシの断熱性能を高めるリフォーム工事の補助金制度。申請期限は2023年12月31日までを予定し、最大200万円が補助される。
窓リフォームに補助制度新設
ガラスなどの高断熱化で最大200万円
申請は来年3月下旬から
経済産業省と環境省の共同事業である「住宅の断熱性向上のための先進的設備導入促進事業」は、窓の断熱性能を向上させることで、省エネルギー住宅を増やす目的で創設された。
窓を高断熱性能のサッシやガラスに取り換える工事に対して補助金を支給。補助の対象となるのは、既存の戸建てと集合住宅で、国に登録したリフォーム事業者が手掛けた工事。事業者登録は2023年1月中旬から同年11月30日までを予定している=表1。
補助金の申請は、23年3月下旬から12月31日までだが、申請金額の合計が予算に達した時点で終了となっている。
表1 事業のスケジュール
申請は事業者が行う
補助金は、製品の購入費や工事費といったリフォームにかかる費用の2分の1以内の金額に対して支払われる。住宅の種類やリフォーム方法、製品の断熱性能のレベルによって異なるが、最大200万円。
また、補助金申請の手続きはオンラインでのみ受け付ける。申請において注意したいのは、施主ではなく、工事を行った事業者が補助金の申請を行うことだ。
また、新設されたばかりということもあり、今後申請の日程などに修正が加えられる可能性がある。そのため、制度を利用する際は、両省のホームページを確認する必要がある。
三つのリフォーム工事
補助の対象となるリフォーム工事は3種類。①既存の窓の内側に新しく窓を取り付ける「内窓設置」②ガラスの表面に特殊な金属膜をコーティングしたガラスなどを使い、窓ガラスを二重にする「ガラス交換」③既存の窓のサッシとガラスを取り換える「外窓交換」―に区分されている=表2。
また、窓の断熱性能の基準となるのは「熱貫流率」。熱貫流率とは、熱の伝えやすさを表す数値。同事業では、ガラスとサッシを組み合わせた窓全体の熱貫流率が1.9以下であることなどが条件。
高断熱の窓にすることで、外からの熱の影響を受けにくくなり、夏は涼しく冬は暖かい室内を保ちやすくなる。さらに、防音性や防犯性などを高めたり、と断熱以外にも多くのメリットがある。ぜひ活用してみては。
表2 リフォームの種類
POINTS
☆対象は窓の断熱性向上リフォーム工事で、最大200万円が補助される。
☆補助金の申請は2023年3月下旬~12月31日までを予定し、予算枠に達した時点で終了。
☆申請の方法はオンラインのみで、工事を行ったリフォーム事業者が申請する。
☆工事の種類は「ガラス交換」「内窓設置」「外窓交換」の3種類。
☆断熱性能の基準となる「熱貫流率」とは、熱の伝えやすさを数値化したもの。
※表1、2ともに、経済産業省の「住宅の断熱性向上のための先進的設備導入促進事業」を参照
編集/市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1927号・2022年12月9日紙面から掲載