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2022年2月25日更新

[沖縄・マンション売買]case32「同性カップルの住宅ローン」

文・友利真由美

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◆相談内容◆

私たちは同性同士のカップルです。今後の生活のためにマンションを購入しようと考えていますが、パートナーと共同で住宅ローンを組むことはできますか?
 

同性でも収入合算OK

学校の制服をスカートとスボンから選べるようになるなど、沖縄県内でも性的マイノリティーの方に対する理解や配慮が一般的になってきています。その流れをくんで、マンション購入の現場にも変化が出ています。

パートナーシップ制度で関係証明

同性同士のカップルなど、いわゆるLGBTQといわれる性的マイノリティーの方々がパートナーと暮らしていく中で、法的な婚姻関係にないことからさまざまな社会的制限を受けることがあります。

このような制限を解消すべく、婚姻と同等の関係性であると地方自治体が承認する制度を「パートナーシップ制度」といい、沖縄県内だと那覇市と浦添市で導入されています。全国では150以上の自治体に導入されており、人口カバー率は50%に近づいてきています。

この制度で家族に近い関係性が証明できることにより、パートナーが入院した際に病状説明を受けたり治療方針への同意ができる、生命保険の受取人に指定できるなど、少しずつですが社会的制限が緩和されています。


県内5金融機関で利用可能

この流れに対して、金融機関にも動きがあります。同性カップルが一定の要件を満たすことで双方の収入を合算して住宅ローンを組める金融機関が増えてきたのです。沖縄県内だと沖縄銀行、沖縄ろうきん、琉球銀行、みずほ銀行、鹿児島銀行で利用できます。

同性カップルが収入合算して住宅ローンを組めるようになることで、借入可能額が大きくなり、購入できる住宅の選択肢が増えます。また、住宅ローン利用の際に主債務者が加入できる「団体信用生命保険」も利用可能に。パートナーに万が一のことがあった場合、その後の返済が保険金で免除されますので、末永く生活をともにするパートナーの生活を守ることができます。

この同性カップルによる住宅ローンについてですが、パートナー双方による連帯債務、または連帯保証での返済となります。一方で所有は、単独名義または共有名義でマンションを所有することができます。

最近では自治体によるパートナーシップ証明書などの公的な証明書などが不要となり、那覇市や浦添市以外に住む同性カップルでも利用可能となっています。また、琉球銀行では同性カップルではなく、婚姻届は出しておらず法的な婚姻関係にない、いわゆる事実婚の状態であっても、住宅ローンが利用しやすくなるという報道発表も年末にありました。

相続時は遺言書を

少しずつ同性カップルに対する社会的制度は整いつつありますが、カップルが共に暮らし続けるにはまだまだ課題があります。

例えば相続の際、民法で定める法定相続人は親や子、兄弟姉妹などの親族に限定されていて、財産をもらう権利が法的に守られています。そのため、購入したマンションをパートナーに財産として残したい同性カップルは、遺言書でその旨を明記していないと思わぬ形で財産を失う可能性があります。

同性カップルで住宅購入を検討されている方は、同時に遺言書の作成についてもぜひご検討ください。


 友利の結論 
・パートナーシップ制度とは、同性カップルが婚姻関係に近い関係だと地方  自治体が認め発行する証明書

・沖縄県内だと那覇市と浦添市が導入。全国でも150以上の自治体で導入されている

・県内金融機関でも同性カップルが収入を合算して住宅ローンを組めるようになっている

・住宅をパートナーに相続させたいなら遺言書が必須


ともり・まゆみ
(株)エレファントライフ代表。不動産専門ファイナンシャルプランナーとしてマンションの売却や不動産相続の相談に応じている。生粋のマンション好き。 電話098・988・8247


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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1886号・2022年2月25日紙面から掲載

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