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2019年12月20日更新

親子で気兼ねなく|Arms DESIGN

[お住まい拝見|実家建て替えモダンな平屋に]老朽化した実家を、モダンな平屋に建て替えたKさん(46)。両親の生活スペースと自身の個室を緩やかに分けた造りで、生活リズムが違っても気兼ねのない暮らしを実現した。


1階のLDK。壁付けにしたキッチンを目隠しするようにカウンター付きの壁を設け、緩やかなつながりを保ちながらLDをスッキリとモダンに見せる


庭を楽しみくつろぐ

Kさん宅
RC造/自由設計/家族3人

八重瀬町の緑豊かな住宅地に建つKさん宅。両親との同居をきっかけに、実家を建て替えた。

琉球石灰岩を敷き詰めたアプローチを通り、庭を眺めながら玄関へ。室内は、玄関ホールを挟んで北側にLDKと和室、そして両親の寝室があり、南側はKさんの部屋になっている。「仕事で帰りが遅いことも多く、父や母とは生活リズムが違う。1人暮らしも長かったので、プライベートは大事にしたかった」とKさん。

光庭とテラスに面したKさんの部屋は開放的で、書斎のほかシャワーやトイレも備える。「海外から友人が来たときも、気兼ねなく宿泊してもらえた。いずれホームステイになどにも活用できれば」

東側に広がる庭に面したLDKと和室は、親戚が集まる機会も多いため、広くとった。大開口から柔らかな陽光と風が届き、気持ちがいい。

リビングから続くウッドデッキは、家族の憩いの場。姪っ子が来れば格好の遊び場になり、月夜の晩には、デッキで民謡を聞きながらのんびりくつろぐのが父親(84)の楽しみの一つになっている。


ブルーを基調にしたインテリアが爽やかなKさんの部屋。「県内のリゾートホテルを参考にした」とKさん。ベッドルームの奥には書斎のほか、ユニットバスも設けている


リビングダイニングから庭を眺める。ウッドデッキまでフラットにつながり開放的。掃き出し窓の上部には父親のこだわりで欄間を設けた


リビング北側にある和室。畳の周囲に板間部分を設けることで、畳への雨の吹き込みや日差しの影響を和らげ、隣接するリビングとのつながりも生む


慣れた造りも反映

以前の実家は、祖父の代から住んでいた築60年の平屋と、築30年の平屋が2棟並んでいた。老朽化で増改築は難しく、新築を決めた。

設計は、同僚の家を手掛け、建物の造りや考え方が好みだった建築士事務所に依頼した。「お願いした当初は東京に住んでいたのですが、メールでも丁寧にやりとりしてくださったので、安心してお任せできました」とKさん。

モダンな造りにしながらも、両親が長年慣れ親しんだ環境を少しでも反映できるよう配慮。キッチンは母親(77)が使い慣れた壁付けにし、LDKや和室の窓には欄間を設けた。「欄間を開けておけば、空気がこもらないからいいんですよ」と父親。新たな住まいで家族の絆が強まっている。


クロキが美しい庭から住宅をみる。玄関アプローチやウッドデッキはひさしを深く設けて、室内へ入る直射日光や雨を遮る
 

玄関。靴を脱ぎ履きしやすいように収納ベンチ=写真右手=が設けられていて、写真左手のドアを開ければシュークロークと収納もたっぷりだ
 

物干し場。ポリカーボネートの屋根があるため、天気を気にせず、洗濯物が干せる。花ブロックの仕切り壁の奥に光庭とKさんの部屋がある

 

ここがポイント
玄関を建物の中央に南北で生活空間分け

南側に前面道路があり、ほか三方を隣家と畑に囲まれたKさん宅の敷地。プライバシーと両親が育てた庭木を大切にしたいというKさんの要望を受け、建築士の城間聡さん、西村修さんは、南北に長い住宅を敷地西側に据え、東側に庭と駐車スペースを確保するプランを提案。住宅内部は、「建物のほぼ中央に玄関を配置し、その両側に両親とKさんのスペースを別々に設けることで、お互いのプライバシーを緩やかに確保できるようにしました」と説明する。

南北で分かれた両親とKさんのスペースをつなぐ中央部には、水回りと物干し、納戸を配置。廊下を通って回遊できる。また、ポリカーボネートの屋根をかけた物干し場、天窓や吹き抜けの光庭から光を取り込み、暗くなりがちな建物中央部の明るさも確保する。

室内をスッキリと見せる工夫も光る。LDKは、壁付けキッチンの背後にカウンターのある目隠し壁を設置。キッチン側では、カウンターの両サイドが収納になっているため、物も出し入れしやすい。

コンクリート張りだった庭はいったん、すべての樹木を取り払って整地し、お気に入りのクロキを植え直した。道路に面して設けた駐車場と庭との仕切りは、花ブロックに。「圧迫感なく緩やかに視線を遮りながら、風と光をしっかり通してくれます」。長い花ブロックの塀は、外観のアクセントとしても目をひく。


花ブロックの塀が目をひく南側の外観。雨天時でも車の乗り降りがしやすいよう、建物側の駐車スペースには屋根を設けた

[DATA]
家族構成:両親、息子
敷地面積:545.00平方メートル(164.8坪)
1階床面積:178.99平方メートル(54.14坪)
建ぺい率:31.72%(許容60%)
容積率:26.28%(許容200%)
用途地域:市街化調整区域(自己用住宅立地緩和区域)
躯体構造:鉄筋コンクリート造ラーメン構造
設計・構造:Arms DESIGN 城間聡、西村修
施  工:(株)佐平建設 桑江常弥
電  気:日章電気工事(株) 安里稔
水  道:(有)當山設備興業 當山孝亮



[問い合わせ先]
Arms DESIGN
098‐988‐4242
http://www.arms-okinawa.com


撮影/高野生優(フォトアートたかの) 取材/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1772号・2019年12月20日紙面から掲載

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比嘉千賀子

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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