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2019年7月12日更新

ルーバーで開放的に|(同)アン一級建築士事務所

[お住まい拝見|密集地で視線遮り風光呼ぶ]道路側の2面を木製ルーバーで覆ったYさん(43)宅。ルーバーのおかげでリビングの掃き出し窓も気兼ねなく開け放て、室内から見ると木立に囲まれたようで心地よい。


白を基調にシンプルにしつらえた1階のLDK。窓の外に設けた木製ルーバーで周囲からの視線を遮りながら、採光、風通しを確保。リビングは天井高を上げて開放感を高めた


友集い余興にぎやかに

Yさん宅
RC造/自由設計/家族3人
白壁に大きな木製ルーバーが目を引く2階建ての住宅。浦添市の住宅密集地に建つが、「1階も2階もルーバーが道路からの視線を遮ってくれるから、窓を開け放って過ごせます。エアコンより自然の風が好きなのでうれしい」と夫人(43)。

1階にLDKと和室、2階に寝室と子ども室、水回りという間取り。1階はリビングだけ天井高を上げて、開放感を高めた。リビング上部に設けられた小窓から、風だけでなく人の気配も伝わる。「子どもがまだ3歳なので、どこにいても気配を感じ、声も聞こえるので安心です」。

リビングに面して設けられた小上がりの和室は、友人たちが集えば舞台に早変わり。「人が集まる機会が多い家。みんなで余興を披露したりすることもあるので、舞台のように使えるスペースが欲しかった。キッチンに立っていても見えるように、配置も考えてもらいました」。ベンチ代わりに腰掛けるにもちょうどいい高さ。「友人をたくさん呼びやすくなって、にぎやかに楽しんでいます」と笑う。


外観。隣地専用通路に面した東側、前面道路に面した南側に設けたルーバーが印象的。建物正面と北側に軽自動車なら4台駐車できる
 

1階のリビングは、天井高約3.7メートル。正面には小上がりになった和室があり、その上部に設けられた小窓は、風の通り道と気配を伝える役割を果たす


下部が収納スペースになった和室は、余興の際の舞台としても活用。正面の掃き出し窓から駐車場へ出入りできるようになっている


家事も生活も楽に
結婚して子どもが生まれ、いずれは家をと考えていた。夫人の実家近くで土地探しを始めたところ、家族が偶然、売り地を見つけた。一定期間内に指定された建設業者で家を建てる建築条件付きの土地だったが、設計の依頼先は自由。土地探しから相談していた旧知の建築士に設計を依頼した。

室内は少しでも広く見せたくて。高さ制限がある中、建築士さんがリビングの天井高を上げる方法をひらめいてくれてよかった」と夫人は喜ぶ。

上下階で公私の空間が区分けされているため、家族の生活リズムがずれても、来客のときも、気兼ねなく過ごせるのも気に入っている。夫人は「家事も楽にできてすごく助かっています。これから植物を増やしたり絵を飾ったり、ゆっくりインテリアを整えていきたい」と笑顔で話した。
 

2階西側から見た子ども室。1階リビングの天井高を上げた分、奥のスペースはスキップフロアに。階段部分で仕切れば2部屋として使えるように、ドアや窓が設けられている

2階の寝室。柱を隠しつつデッドスペースを利用するため収納を三つに分けた。浅い壁面棚は、テレビが収まる



ここがポイント
天井高変え風の流れ生む
住宅が密集地にあり、西側に急勾配の前面道路、南側を隣地専用通路に接するYさん宅の敷地。周囲からの視線を遮りながら室内に光と風を取り込むため、建築士の安富祖理絵さんは「リビングに設けた大開口部の外側に2階まで高さのあるルーバーを配置。室内から見ると、木立に囲まれた家という雰囲気を作り出しました」と説明する。

建物の高さ制限の影響で吹き抜けを設けることが難しかった1階東側のリビングは、上部にある子ども室の床を1メートルほど押し上げることで約3.7メートルの天井高を確保。天井高を生かして東側には採光のための高窓を、建物の中央、和室上部の壁には通風のための小窓を設けた。

「リビングの大開口から入った風は小窓から2階の廊下に流れ、物干し場へ出入りする勝手口に抜けます」と安富祖さん。西側に設けた物干し場もルーバーで囲い、視線と西日をカット。網戸付きの勝手口ドアを開け放てば、常に風通しよく過ごせるようになっている。

リビングの天井、2階子ども室の床にあたる部分は木造にした。「子どもが独立して子ども部屋が不要になったときは床をなくして、2層の吹き抜け空間に変更できるように配慮しました。木造にしたことで足あたりも柔らかくなり、子どもにも優しい」と話した。
 


2階廊下の足元に位置する小窓からリビングを見下ろす。落下防止に柵を取り付けた
 

 

2階西側の物干し場。縦型の木製ルーバーで囲むことで、西日と道路からの視線を遮りながら風通しを確保した



[DATA]
家族構成:夫婦、子ども1人
敷地面積:128.38㎡(約38.83坪)
1階床面積:50.08㎡(約15.15坪)
2階床面積:60.78㎡(約18.39坪)
建ぺい率:49.40%(許容50%)
容  積  率:86.35%(許容150%)
用途地域:第二種低層住居地域
躯体構造:鉄筋コンクリート造ラーメン構造
設  計:(同)アン一級建築士事務所 安富祖理絵
構  造:小川淳也
施  工:(有)大和住宅産業
電  気:(同)屋宜電気工事
水  道:(有)住設



[問い合わせ先]
(同)アン一級建築士事務所
098‐894‐2798
http://anne-archi.jp/


撮影/比嘉秀明 取材/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1749号・2019年7月12日紙面から掲載

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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