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2016年3月18日更新

29坪7LDKの平屋 |間+impression

沖縄県那覇市の静かな住宅街にある山口さん(39)宅は、鉄筋コンクリート(RC)造の平屋。夫人(40)がお菓子教室を開くアトリエを併設する。約29坪の自宅はスキップフロアになっていて、LDKのほか7部屋が機能的に配置されている。夫人は「収納も十分で、本当に使い勝手が良い」とほほ笑む。

楽しく、使い勝手良く

山口さん宅 RC造/自由設計/家族5人


約20畳の広い1階LDKは、天井高最大3・5メートルで開放的。中庭(写真右手)に面して明るく、風通しも良い。左奥の和室からは、中2階にある子ども室下部に設けられた倉に出入りできる

 

居室も収納も充実

天窓から陽光が注ぐ中庭に面した、約20畳のLDKが家の中心。東から西になだらかに傾斜する高い天井が、一層の開放感をもたらす。
LDKの東側、半階上がったフロアに子ども部屋と書斎がある。「小学生のころ、友だちの家で見た中2階の造りが印象に残っていて、どうしても取り入れたかったんです」と山口さん。子ども室の下には倉があり、大容量を収納できる。

家を建てるにあたり夫妻は「明るく、機能的に動けること」を重視した。10歳の長女、4歳と2歳の息子がいる山口家。寝室は対面式キッチンの裏手にあり、「ドアを開ければ調理中も離れることなく、声掛けができて便利」と夫人。

寝室から、家族全員の衣類を収めるウオークインクロゼット、洗面室、室内物干し場と一直線につながり、「仕事の合間に家事も楽にできる」。
夫人が教室を開くアトリエの倉庫につながる和室の隠し扉や、寝室と書斎の通路になる階段状になった本棚など、建具にもユニークな工夫がいっぱい。「私は重宝しているし、子どもたちも楽しいようで遊び方も変わりました」。
 

子どもと一緒に成長

以前の住まいは、築35年余のRC造2階建て。両親から譲り受け、10年ほど暮らした。「仕切りが多く、家事や子育ての面で不便を感じることもあった」と振り返る。6年前に夫人が教室を始めたことで、駐車スペースの確保も課題に。まだ使える建物ではあったが、「子どもたちと成長を共にする家を」と、3人目の出産を機に建て替えを決めた。

設計にあたっては、「意見を出し合いながら、一緒に造り上げてくれる建築士」を選んだ。間取りや動線は夫人、インテリアは山口さんを中心に計画。床は足触りが良く、夏はひんやり気持ちいいスギ板に。木材を保護する自然塗料は夫婦で塗った。「手を掛けた分、愛着も増す。大変だったけど自分で塗って良かったです」。

中庭の一角には、小さな畑もある。「子どもと一緒に野菜を育てるのが、これからの楽しみ」と、山口さんは優しいまなざしを向けた。


中2階にある子ども室前の通路からリビング・ダイニングを望む。右奥、高窓のある壁を隔てて趣味室がある


キッチンは調理時の汚れや熱風がダイニングに行かないように立ち上がりをつけ、コンロ前には壁を設けた。右奥には寝室、正面奥の半階上には子ども室がある


外観。北側(写真左手)の木製ドアがアトリエの出入り口。正面中央が住宅への玄関になっていて、家族と来客との動線を分けた


4.5畳のコンパクトな寝室。左手の引き戸を開ければキッチンにつながる。子どもたちが腰掛けている階段状になった本棚を上って、上部にある書斎へ行き来できる


子ども室。将来は家具などで仕切って、3畳2部屋として使う予定。奥のロフトは和室の上部にあたる


夫人がお菓子教室「オカシノニワ」を開くアトリエは、正面をガラス戸にして開放的に。ガラス戸の外には道路からの出入り口とハーブ園がある


1階の和室は約3畳。左手は一見、木壁に見えるが、アトリエの倉庫に抜ける隠し扉になっている
 


ここがポイント
スキップフロアで空間ムダなく活用

山口さん宅は、夫人が開くお菓子教室を併設。敷地は、北側と西側が道路に面した角地で、南側と東側には隣家が近接することから、住宅部分のプライバシーへの配慮が一つのポイントに。設計を手掛けた建築士の儀間徹さんは、コートハウスを提案した。

スッキリとした空間にするため、躯体のメーンは壁式構造。「ただ、20畳のLDKを実現するためには屋根を支える柱が必要なことから、一部をラーメン構造としました」と儀間さん。教室を開くアトリエは建物の北側に。住居は、西側の中央に設けた中庭をコの字に囲むようにLDKや水回りを配置して、明るく、風通しの良い空間が生まれた。

約29坪の住宅部分では、夫妻が和室、子ども室(2部屋)、書斎、寝室、ウオークインクロゼット、室内物干しの7部屋を要望。限られた面積の中に、いかにコンパクトかつ機能的に居室を収めるかが課題となった。そこで床の高さを変えて居室を設けるスキップフロアにし、空間を立体的に活用することに。子ども室と書斎は、床高をリビングから1・4メートル上げて配置=下図参照。

「下部には倉を設け、和室上部に生まれた空間はロフトとして活用しました」と儀間さん。ウオークインクロゼットも3・7畳あり、収納も大容量になった。






[DATA]
家族構成:夫婦、子ども3人
敷地面積:223㎡(約67坪)
1階床面積:147㎡(約44坪)
建ぺい率:64%(許容70%)
容積率:57%(許容150%)
用途地域:第二種住居地域
躯体構造:鉄筋コンクリート造壁式構造 +ラーメン構造
設 計:間+impression
儀間徹、内間直樹
構 造:建築設計 庵 長間大輔
施 工:(株)ゆめ工房 大湾近裕
電 気:喜友名電気 喜友名盛久
水 道:㈲ライフ工業 高山佳晃

[設計・問い合わせ先]
間+impression  
098・892・3635
http://ma.grrr.jp
写真/比嘉秀明撮影
編集/比嘉千賀子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1576号・2016年3月18日紙面から掲載

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比嘉千賀子

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住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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