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2015年9月25日更新

カフェ風を楽しむ 回遊性 2世帯に|(有)武一建設

沖縄本島中部、宜野湾市にあるTさん(41)宅は鉄筋コンクリート造2階建て。上下階とも回遊性のある2世帯住宅だ。Tさん世帯は「カフェのような空間に」と、キッチンは対面式にし、木製カウンターも設置。あちこちでカフェタイムを楽しむ。

漆喰と木で自然の風合い

Tさん宅(家族3人 自由設計 RC造)


2階のTさん世帯のLDK。壁付けの木製カウンターはカフェのようにしたいと作り付けたもの。天井の飾り梁(ばり)は角材を削ることで流木のような風合いに仕上げた

シンプルな外観のTさん宅は、宜野湾市の閑静な住宅街にある。1階に母親(64)、2階にTさん夫妻の2世帯が暮らし、上下階は内階段でつながる。どちらも東にLDK、西に寝室と水回りがまとめられている。
室内は漆喰仕上げで、丸みの多い空間が柔らかい雰囲気を演出。階段やリビングに、東側のステンドグラスの窓から光がこぼれるように差し込む。
夫妻の暮らしの中心は、木の飾り梁やカウンターが目を引くLDK。「もともとカフェ巡りが趣味」ということもあり、好きな雑貨アイテムを飾り、カフェのようなインテリアに工夫した。ソファでのんびり、カウンターでパソコン作業をしながらなど、いろいろな場所でカフェタイムを楽しむ。夫人(40)は「家で過ごす時間が増えた」とうれしそう。
Tさんのお気に入りはリビングに隣接する、小上がりになった和室。食後は縁に腰掛け、テレビを見る。「眠くなったらそのままゴロンと寝転がれるのが気持ちいい」という。リビングと和室の間のアーチがかったゆるやかな仕切りが「かまくらの中にいる気分」と笑顔。

漆喰使いに一目ぼれ
以前はアパートに住んでいたTさん夫妻。将来は2世帯を考えていたこともあり、「増税前に」と築30年ほどの実家の建て替えを決意。住宅情報紙で見た、漆喰仕上げの優しい雰囲気の物件に一目ぼれした。物件を手掛けた建築士に「自然の風合いを感じられるカフェのような空間を」と設計を依頼した。
建築士は漆喰を使用するプランを提案。Tさんは「浴室の天井も漆喰のおかげか、一年以上たってもカビが出ない」と喜ぶ。室内も湿気をほとんど感じないという。
上下階とも使い勝手に配慮し、洗面室や寝室は2カ所から出入りできる。母は「移動が楽」と回遊できる造りに満足。「孫たちがぐるぐる走り回って大変」と話しながらも、その光景に癒やされているという。
「次はオープンカフェのように、デッキでコーヒーを飲みたい」とTさん夫妻。新たな楽しみを思い描く。


2階の対面式キッチン。世帯の中心にあるため、室内全体の様子が感じられる。コンロ正面のステンドグラスや脇のコラベルタイルは夫人のお気に入り


両世帯共通の1階玄関。中央奥の2階への階段入り口は引き戸で仕切れるようになっている


ここがポイント
つなぐ仕切る 引き戸で自在

建築士の末松渚さんが最も気を配ったのが、ライフスタイルの違う両世帯の距離感。Tさん夫妻は共働きで、スッキリ片付いた空間でのんびり過ごすのが好きな一方、親世帯は近くに住む孫たちが遊びに来てにぎやか。
そこで、末松さんは内階段で両世帯をつなぎ、階段の上り口に鍵付きの引き戸を設置するよう提案。これにより「つながりたいときには気軽に行き来でき、プライベートな時間を過ごしたいときには簡単に仕切れるようにした」という。
上下階の似た間取りはTさん世帯の「子どもができたときに面倒を見やすく」、親世帯の「老後でも暮らしやすく」といった要望を組み込んだ結果。「子育ても老後も、寝室に水回りが近く、室内全体が見渡せるワンルームのような造りが暮らしやすい」との考えから、両世帯ともリビングから寝室、寝室から水回りなど、どこにでも移動しやすい造りになった。上下階で水回りの位置も同じなので、寝室やリビングからそれぞれの音がほとんど気にならない利点もある。
夫妻からの要望だった「カフェのような空間でナチュラルな雰囲気」を出すため、漆喰と木を多用。漆喰は調湿、消臭作用があるほか、程よく光を吸収し陰影が出て、室内に奥行きが感じられる効果もある。
そのほか、大切に使い続けている本棚に建具の色を合わせるなど、手持ちの家具を生かす造りと内装に仕上げた。


1階LDK。母親からの「収納がたくさんほしい」という要望を受けた建築士は、キッチンのカウンター前や和室の小上がりの床下にも、物をしまえるようにプラン


床や洗面台にタイルが施された2階洗面室。トップライトで明るい光が入る


階段。白いアイアンの手すりが軽やかな印象を与える


2階寝室。写真手前と右奥の2カ所から出入りできる


東側から見た外観。カーブを描いた壁が印象的


末松 渚さん

[DATA]
家族構成:夫婦、母親
敷地面積:222.89㎡(約67.54坪)
1階床面積:89.01㎡(約26.9坪) 2階床面積:83.56㎡(約25.32坪)
建ぺい率:41.62%(許容60%) 容積率:77.42%(許容200%)
用途地域:第一種中高層住居専用地域
躯体構造:鉄筋コンクリート造壁式構造
設 計:(有)武一建設 末松渚
施 工:(有)武一建設

[設計・問い合わせ先]
(有)武一建設
098-965-3001
http://takeichikensetsu.com/
写 真/高野生優・フォトアートたかの撮影
編 集/週刊タイムス住宅新聞編集部

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1551号・2015年9月25日紙面から掲載

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