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2023年12月29日更新

[沖縄・表紙のお宅から]ノスタルジーを詰め込んで|サイアスホーム(株)

「古い物が持つ昔懐かしいあったかいカンジが好き」と話すIさん(59)。計画から10年かけてカタチにしたのは、少しずつ集めてきたという窓枠やチェスト、照明、古材がノスタルジックな雰囲気を醸し出す住まい。両サイドを隣家に挟まれた細長い敷地に建つものの、東西に視線が抜け、高窓から差し込む光で明るく伸びやかだ。

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 ノスタルジーを詰め込んで 
LDKには昔の校舎で使われていたという窓枠や古い照明をちりばめた。どれも「古い物、昔懐かしいノスタルジックな感じが好き」なIさんが集めた物(比嘉秀明撮影)


Iさん宅
  鉄筋コンクリート造/サイアスホーム(株)  

「古い物が持つ昔懐かしいあったかいカンジが好き」と話すIさん(59)。計画から10年かけてカタチにしたのは、少しずつ集めてきたという窓枠やチェスト、照明、古材がノスタルジックな雰囲気を醸し出す住まい。両サイドを隣家に挟まれた細長い敷地に建つものの、東西に視線が抜け、高窓から差し込む光で明るく伸びやかだ。
 

古い物を生かして

10年かけて形に

玄関ホールの年代物のチェストやLDKの格子の窓枠が目を引くIさん宅。いつか家を建てる時に使いたいとアンティークショップやネットで探し、集めてきた物ばかりだ。「窓枠は昔の校舎に使われていたもので学生時代を思い出す。ノスタルジックな雰囲気が好きなんです。青緑のペンキが塗られていましたが、木肌が見えるように自分で削って磨きました」とIさん。

使い方にもこだわりが光る。ダイニングでは、これもIさんが好きだという隣家からの目隠し壁に使った花ブロックが見えるよう、高さを合わせて格子窓を設置。リビングの腰窓に使った大正時代の窓枠には、レトロな模様ガラスを探し求めて職人にはめ込んでもらった。

一番高さのある格子窓はキッチンに採用した。キッチンは窓を取り付けたことで独立しつつも明るい印象に。「調理のニオイが気になる時やリビングで冷房をかけている時は閉めればいいし、開ければ風が通って熱がこもることがない」と、開け閉めできる造りがお気に入りだ。


リビング側から見た室内。キッチン、リビング、ダイニングに使ったアンティークの窓枠や照明類はIさんが集めてきた物。ダイニング側の天井は片流れ屋根にし高窓を設けたことで、暗くなりがちな家の中央部も明るい


「無添加住宅」に引かれて

建築関係者だった友人に頼み、間取りを考え始めたのは10年ほど前。「プランが固まり見積もりを出したら、予算をかなりオーバーしてしまって。中断せざるを得なかった」とIさん。RC造を諦めかけた頃、訪れたのがサイアスホームの見学会。漆喰や炭化コルク、無垢材など天然素材にこだわった「無添加住宅」のコンセプトに引かれたこと、予算調整もできたことから話が進み、今年、完成した。
 

トップライトから降り注ぐ光が漆喰壁に柔らかく反射する玄関ホール。季節のあしらいを楽しむアンティークチェストが主役

ダイニング。木枠の向こうに目隠し壁に使った花ブロックが見える

 

キッチン。独立した空間ながら、カウンター前に取り付けた窓のおかげで明るく、広々とした印象。Iさんは「2人がすれ違っても十分なゆとりがある」と使い勝手の良さを実感


寝室。目の前に道路があるが、掘り込み式駐車場の上に居室を設けているため、人目は気にならない。掃き出し窓外には物干しスペースを設け、花ブロックで囲むことで閉塞感を払しょく。風通しも確保した


家と土留めを一本化

敷地は間口約7・5㍍、奥行き約25㍍と東西に細長い上、道路のある東側より西側が2㍍高かった。そこでサイアスホームの新田愛美さんが提案したのは、「住宅と土留めを一体化し、道路側を堀り込み式の駐車場にしてコストを削減する」プランだ。室内はIさん持ち込みの間取りをベースに、LDKは片流れ屋根にして高窓を、玄関や水回りには天窓を設置した。 機能的な水回りにもこだわったIさん。浴室、洗面室、ウオークスルークローゼットは一直線につなげ、隣の寝室や玄関ホールと回遊できる造りにしたことで、朝の身支度や入浴後の洗濯もスムーズにできるようにした。


熟睡できるように

両隣の家は3階ほどの高さがあったため、「当初は埋もれてしまうんじゃないかと心配していましたが、明るい色の床材や漆喰の壁も光を反射して、室内は驚くほど明るい。風もよく通るから夏は涼しいし、雨の日も室内はサラリと気持ちいい。引っ越してから毎日熟睡できるようになりました」と喜ぶIさん。「先日は古材と花ブロックを使ってテレビ台をDIY。次はカーテンも作りたい」と暮らしを楽しんでいる。

 

 



浴室から見た水回り。洗面・洗濯室、ウオークスルークローゼットまで一直線。クローゼットから隣の寝室へも行き来できる
 

外観。高低差を利用し1階は掘り込み式の駐車場に。居室は平屋感覚で使えるようになっている

 

[DATA]
家族構成:2人
敷地面積:181.83㎡(約55坪)
2階床面積:94.1㎡(約28.5坪)
建ぺい率:49.15㎡(約50%)
容積率:51.75%(許容100%)
駆体構造:鉄筋コンクリート壁式構造
用途地域:第1種低層住居専用地域
設計・施工:サイアスホーム㈱
電気:保島電設
水道:沖正設備

問い合わせ
 サイアスホーム(株)
 電話0120・881・080
 https://www.saias-home.co.jp/

↓画像をクリックすると、サイアスホームのホームページに移動します


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 年末年始特別号
第1982号 第2集・2023年12月29日紙面から掲載

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