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第6回沖縄建築賞

お住まい拝見

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2020年2月14日更新

28坪に家族7人+3匹|建築設計 あ うん

[お住まい拝見|天井高活用 猫の遊び場&ロフト設置」Uさん(41)夫妻と5人の子どもたち、犬・猫3匹が暮らす約28坪の家。リビングの天井高は3.8メートルあり、空間を広く見せる。ロフトやキャットステップも設け、人もペットも伸び伸び暮らす。


Uさん宅のLDK。家族の顔が見える一体的な造り。奥のリビングの天井高は3.8メートルあり、開放的。その天井高を生かし、ロフトやキャットステップを設けている


3.8メートルの天井高 広さ演出

Uさん宅
RC造/自由設計/家族7人+3匹
実家の隣地を購入したUさん。約60坪の敷地で、定められた許容建ぺい率は50%。すなわち、家の床面積は30坪以下にしなければならない。

「面積はあまり気にしていなかった。立地の良さが一番の決め手だった」と夫人(41)。夫妻と2男3女の子どもたち、愛犬1匹・愛猫2匹で暮らす新居に希望したのは「人もペットも心地よく暮らせる空間」。

「ペットを飼っていると臭いが気になる。以前の家は外出時、窓を閉め切らなければならず臭いがこもりやすかった。猫や犬のために年中エアコンを付けていた」。広さよりも風通しを重視。インターネットで好みの空間を作る建築士を見つけ、依頼した。


リビングの天井高は3.8メートル。ロフトもあり、その階段は幅60センチと小さめでキャットステップも兼ねる。テレビ上部の壁や高窓にもキャットステップが設置されている。階段下のデッドスペースは愛犬と猫たちの寝床だ


北側外観。窓にはルーバーを設置。いつでも窓が開けられ「ペットも快適に過ごせている」と夫人

個室もしっかり確保
完成したのは床面積が約28坪で、3LDK+ロフトのある家。リビングの天井高は3.8メートルあり、とても開放的。LDKを挟むように設けられた掃き出し窓や、リビング上部の高窓からは光・風がたっぷり入り「臭いは全然気にならなくなった」と夫人。あちこちの窓にアルミルーバーを設置してもらい、「いつでも開けていられる」と喜ぶ。

天井高を生かし、約5平方メートルのロフトも設けてもらった。ロフトへ上がる階段はキャットステップを兼ねる。リビングの壁にも飾り棚を兼ねるキャットステップがあり、猫が縦横無尽に跳びはねる。

三つの個室は、夫婦の寝室と「男子部屋、女子部屋にしようと思っていた」が、ロフトや納戸もあるおかげで、年頃の子たちにそれぞれ個室をあてがうことができた。

北側にあるのが夫婦の寝室。南側の隣り合う二つの洋室は長女(高校3年)と次女(小学6年)が使う。ロフトは長男(中学3年)が、次男(小学4年)と三女(保育園)はリビングの一画に机を置く。納戸はUさんの書斎代わり。にぎやかな家で「一人になれるお気に入りの場所」だ。

小ささは暮らしやすさにもつながっている。水回りが北西側にまとまっており「生活動線がコンパクト。ここ一帯で家事が済むのでありがたい」と夫人は話した。


ロフトからリビングを見下ろす。約5平方メートルのロフトは長男の部屋。造り付けの机はキャットステップと一体化している


納戸は現在、Uさんの書斎として利用している。小ささが「落ち着く」と話す。小窓の向こうは玄関

ここがポイント
空間や建具を多用途にする
小さな家は家族の顔が見え、家事動線も短くて済む。窮屈感を払拭できればメリットは多い。

U邸を手掛けた、建築設計あ うんの濱崎幸夫さんは「28坪の家を広く見せつつ、人もペットも心地よく暮らせる住まいを提案した」と話す。

そのカギがリビングの天井高。3.8メートルもあり、広さを演出する。「家族が集う場なので、伸び伸びと過ごせるよう配慮した」

天井高を生かして、猫が上下運動できるキャットステップや子ども室代わりのロフトを設けた。そのキャットステップは、ロフトに上がる階段や作り付けの机、飾り棚と一体化している。「小さい家なので無駄を省き、空間や建具を多用途にした」

例えばキッチン。空間を伸びやかに見せるため、前面の吊(つ)り収納は省いた。その代わりレンジフード横の壁を活用して収納を設けた。=下写真。扉は無くてもこの壁で目隠しできる造りで、物の出し入れもしやすい。

広々としたキッチン。収納もたっぷり設けた。レンジフードの横には収納スペースがあるが、壁がしっかり目隠しているから中は見えない


レンジフード横の壁を利用して設けた収納スペース。棚の高さは自由に変えられる。扉が無く出し入れしやすいそう

また施主の希望により、洗面所脇にペットのエサスペースを設けた。高さは約1.1メートルで、幅は約80センチ、奥行きは35センチ。タイル張りで、水などがこぼれてもサッと掃除ができる。その上部にはペットフードなどがしまえる収納も設けている。

風通しのよい廊下には物干し棒を取りつけた。脱衣室にも物干し棒を設置しているが、「家族が多いので、勝手口からたっぷり風が入ってくる廊下も有効活用した」と話した。


タイル張りのエサスペース。さっと掃除ができるようシャワーを設置してもらった。トイレスペースとして作ってもらったがここではしてくれなかったため、トイレは脱衣室へ移動


家族の多いUさん宅。家族の入浴中でも洗面台を使えるよう、洗面室(手前)と脱衣室(奥)を分けた。脱衣室には部屋干し用の物干し棒を設置。写真奥の勝手口の向こうは洗濯干し場


トイレと寝室の間の廊下。風通しが良いことから、物干し棒を設置して部屋干し空間にした。勝手口の向こうは駐車場。荷物が多い時はここから出入りしているそうだ


長女と次女の部屋。中央の引き戸で二つに区切って使っている。下側の窓はペットのためにいつでも開けていられるようアルミルーバーを設置

[DATA]
家族構成:夫婦+子ども5人、犬1匹、猫2匹
敷地面積:198.67平方メートル(60.02坪)
1階床面積:92.20平方メートル(27.93坪)
建ぺい率:49.2%(許容50%)
容積率:46.55%(許容100%)
用途地域:第一種低層住居専用
躯体構造:鉄筋コンクリート壁式造
設計:建築設計 あ うん 濱崎幸夫
構造:獏設計
施工:和川組 
電気:ライン電工
水道:イナモリ設備工業


[問い合わせ先]
建築設計 あ うん
098-989-5770
https://aun.jimdofree.com/


撮影/比嘉秀明 編集/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1780号・2020年2月14日紙面から掲載

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スタッフ
東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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