合法で安心・安全な民泊を|気になるコト調べます!㉙|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

オール電化キャンペーン2017年10月10日から12月31日A

家づくりのこと

住まいに関するQ&A

2017年12月8日更新

合法で安心・安全な民泊を|気になるコト調べます!㉙

OKINAWA型中古住宅流通研究会は11月、旅館業許可を取得して民泊を始めるための手続きや注意点などをまとめた冊子「民泊の手引き」を作成した。11月18日には、その冊子を使った「第1回空き家物件の民泊活用セミナー」を開催。講師の一人は「旅館業法や関連法を満たすことで安心・安全な民泊につながる」と話した。

3種の法規クリアで旅館業許可

空き家を簡易宿所として有効活用
OKINAWA型中古住宅流通研究会が手引きを作成

「民泊の手引き」は、空き家対策の一環として民泊を合法的に利用するため、(株)佐平建設と(株)クロトン、アーキテクトラボ・ハロームの3社で構成されるOKINAWA型中古住宅流通研究会が作成。旅館業許可を取得し、簡易宿所として営業を始めるまでの流れを確認しながら、手続きや準備が進められるようになっている。佐平建設の柿本洋常務取締役は「現在の沖縄で民泊を始めるには旅館業許可を取らなければいけない。民泊にグレーゾーンはなく、無許可のものはすべて違法」と話す。

旅館業許可を取得して民泊を始める際は、3種の法規をクリアする必要がある(右上表)。中でも最初に確認したいのが、建築基準法に関わる建物の用途地域。第一種住居地域や商業地域など、民泊が可能な用途地域でなければ旅館業許可を取得できない。役所の建築指導課窓口のほか、沖縄県地図情報システム(http://gis.pref.okinawa.jp/pref-okinawa/top/index.asp)の「都市計画総括図(用途地域等)」でも確認できる。

保健所では、宿泊人数によって変わる、部屋の広さや設備の種類などが旅館業法に適用しているかを確認。例えば、簡易宿所の場合、客室の延べ床面積は33平方メートル(定員10人未満は3.3平方メートル×定員)以上の広さが必要になる。ハロームの新里尚次郎さんは「図面があると話はスムーズ。リノベーションなどの工事を予定している場合は、建築士にも同席してもらうと良い」。

消防法もチェック。部屋の広さや宿泊人数により消防設備の種類が変わる。消火器や誘導灯の設置のほか、カーテンやじゅうたんは「防炎」のタグが付いた製品でなければならない。消防署の立ち合い検査に合格すれば、旅館業許可申請に必要な消防法令適合通知書が発行される。

新里さんは「旅館業法はもちろん、消防法や建築基準法などの関連法を満たすことで安心・安全な民泊につながる。法律に適合しているか迷ったときは、自己判断せず、専門家に問い合わせて」と呼びかけた。手引きには各行政窓口の連絡先も掲載されている。


OKINAWA型中古住宅流通研究会が作成した「民泊の手引き」。セミナー参加者に配布している

 

立地やテーマを意識して改修


法規をクリアし、必要書類をそろえて申請すれば、旅館業の許可を得て開業できるが、事業として成り立たせるには資金計画が重要。収入を左右する宿泊人数は建物のプランによって決まるため、既存の間取りを生かすかどうかだけでなく、「リゾート風」「古民家風」といった立地やテーマなどを意識した改修が必要になる。もちろん法規をクリアすることが前提なため、「プランが固まったら、改修工事前に一度、保健所で確認を」と柿本さん。

収支もシミュレーション。リフォーム費や家具・家電などの初期投資に加え、水道光熱費やインターネット、消耗品などの固定費、売り上げまで予測し計算する。柿本さんは「宿泊金額は相場を見ながら設定。稼働率の目安は60~70%で」。

しかし、予測通り稼働するとは限らないため、先を見据えておくことも大事。「民泊用に」と広いワンルームや収納が少ない間取りにすると、住宅として売却する際に売りにくくなるため、「2LDKなどに家具を配置するといい」と助言する。

柿本さんは家具などで見た目を良くするステージングやゴミの出し方についても話したほか、「許可を取れば保険も入れる」と旅館業許可取得の利点を改めて強調した。2018年1月27日(土)には第2回セミナーも開催予定。問い合わせは佐平建設(電話=098-941-2222)、クロトン(電話=098-877-9610)、ハローム(電話=098-927-0860)。

 

旅館業許可取得のための法規簡易チェック表
法令
【問い合わせ先】
チェック内容 チェック
旅館業法(簡易宿所)
【各保健所】
  • 客室の床面積が33平方メートル以上(10人以下の場合は、宿泊人数×3.3平方メートル以上)
  • 宿泊人数に適した浴室・トイレ・洗面所があるか
  • 半径100メートル以内に学校等の有無(ある場合は要協議)
  • 適当な換気・採光・照明・防湿及び排水の設備があるか
 
消防法
【各消防本部】
  • 誘導灯・誘導標識は設置されているか
  • 自動火災報知設備は設置されているか
  • 消火器は設置されているか
  • 防炎カーテンが設置されているか
 
建築基準法
【各建築指導課】
  • 用途地域(第1住居・第2住居・準住居・近隣商業・商業・準工業であれば可能)
  • 延べ床面積100平方メートル以内(100平方メートルを超える場合は用途変更申請)
  • 建築確認申請図書及び完了検査済証の有無(なければ建築指導課で協議)
  • 建築基準法上の道路に面している
  • 排煙・換気に有効な窓等がある
 


気になるコト調べます!一覧


編集/出嶋佳
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1666号・2017年12月8日紙面から掲載

住まいに関するQ&A

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
出嶋佳祐

これまでに書いた記事:16

編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

建築士の日2017|週刊タイムス住宅新聞

TOPへ戻る