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2017年9月8日更新

災害の対処法を疑似体験|気になるコト調べます!㉔

地震や風水害、火災といった、さまざまな災害とその対処法を疑似体験できる施設「名護市防災研修センター」が8月、名護市大北にオープンした。宮平達洋さん(63)と島袋義一さん(56)が支援員を務める。地震直後の行動や、水害時にドアを開ける難しさ、火災時に煙の中を避難する方法など、同市許田区のすこやかクラブのメンバー18人による体験を通して紹介する。

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地震、風水害、火災 北部地域の防災意識高める

名護に県内2カ所目の防災研修施設がオープン

体で覚えることが大切

「名護市防災研修センター」は、本島北部地域の防災意識を高めることを目的に、同市消防本部に併設された。防災研修施設としては、沖縄市に続き県内で2例目。「地震」「火災」「風水害」「わが町・わが家の防災」の四つのゾーンに分かれており、それぞれ疑似体験ができる。
「簡易地震体験」では、揺れを体感するだけではなく、その後にどう行動すべきかを学ぶ。家の中を再現した空間で、テレビから緊急地震速報が流れ、しばらくすると室内が揺れる。その後、避難路確保のため「ドアを開ける」、火災予防のため「ガスの元栓を閉める」「電気ストーブを消す」など、実際に動いて10項目をクリアすれば成功となる。体験した崎浜和子さん(69)は「体験前は何をすべきか分かっていても、いざやってみると混乱してしまう。練習して体で覚えることが大切だね」と話した。
高潮や洪水が起きたとき、玄関や車のドアにかかる水圧の大きさを知る「水害時脱出体験」では、水深30センチの水圧を再現したドアを開くのに女性3人がかりだった。宮平さんは「水深10センチで4キロ、30センチで36キロ、50センチだと100キロもの水圧がかかる。『隣がまだだから大丈夫』ではなく、自分で判断して早めの避難を」と呼び掛ける。体全体を使ってドアを押し開けた許田耕助さん(87)は「ドアが開いても水が入って大変なので、こうなる前に避難する大事さが分かった」。


もしものとき、頼れるのは自分

「煙避難体験」は、火災時の煙の中、誘導灯を頼りにした脱出を疑似体験する。煙を吸わないようハンカチで口を押さえ、低い姿勢で出口まで進む。島袋さんは「火災で一番怖いのは煙。有毒ガスを含んでいる上、広がる速度も早い。高温なので、吸ってしまうとのどが腫れ、窒息するケースもある。避難直後は違和感がなくても、病院に行くように」とアドバイスする。
そのほか、初期消火体験、学んだ知識を確認できるQ&Aコーナー、地震の仕組みや津波が襲う様子などを3面の大きなスクリーンで上映する防災学習シアターなどもある。宮平さんは「いざというとき、頼りになるのは自分や地域。センターで学んだことを家族や地域で共有して防災意識を広めてほしい。日ごろから声かけをして関係を築いておくことも大事」と加えた。
体験は事前予約が必要。市内料金は一般270円(市外540円)、中学生120円(270円)、小学生60円(120円)。未就学児はいずれも無料。休館は日曜日と祝祭日、年末年始。


簡易地震体験
地震の揺れと、その後取るべき行動を実際に行う

室内が揺れるとテーブルの下で身を守る。宮平さんから「テーブルが動かないようテーブルの脚を持って」と指導が入った

揺れが収まった直後の様子。手前の女性はドアを開け、奥の女性はコンロの火を消そうとしている


水害時脱出体験

水害時、ドアにかかる水圧を体感できる。男性の力でも開けるのは大変

煙避難体験

ハンカチで口を押さえながら身をかがめて移動するなど煙を吸わないための避難方法を体験

防災学習シアター

3面のスクリーンを生かした迫力ある映像で、災害の怖さや仕組みを伝える。写真は名護市内を津波が襲う様子をCGでイメージしたもの

<問い合わせ・予約>
名護市防災研修センター
0980-52-3174


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編集/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1653号・2017年9月8日紙面から掲載

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出嶋佳祐

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編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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