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2017年5月4日更新

隙間から漏れる温かな光|フランク・ロイド・ライトの家具[01]

20世紀を代表する建築家の一人、フランク・ロイド・ライト。多彩な建築物を造ってきた彼は、その空間に合う家具も手掛けていた。この連載では、ライト建築に詳しい建築家・遠藤現さんに、ライトの手掛けた家具や照明などを紹介してもらう。初回はその代表作であるフロアランプ。印象的なデザインと温かな光は、今なお多くの人を魅了する。



フロアランプ「タリアセン2」

今なお人気の照明

建築家、フランク・ロイド・ライトの名前をご存じない方でも、左の照明器具には見覚えがあるかもしれません。これが照明だということに気付かず、何だか印象的なデザインのオブジェだとご覧になっていることもあるのではないでしょうか。

テレビのバラエティー番組のセット、あるいはドラマの豪邸のシーンだったり、コマーシャルの背景に、ちょっと変わったところでは特撮ヒーローの基地の中など、いろいろな場面で目にするこのフロアランプは、ライトの自邸兼仕事場であるタリアセンに置かれているもので、「タリアセン2」と呼ばれています。

タリアセンの広大な敷地の中にある、ライトの叔母たちが運営する学校として設計した「ヒルサイドホームスクール」の体育館を劇場として1933年に改装した際、ライトは天井からつるすための照明をデザインしました。

1952年に劇場が焼失して再建された時、そのペンダント照明を元にして、フロアランプも製作されたのです。



 

光量・演出さまざま

ライトが好んで使ったチェロキーレッドという朱色に近い赤、一説には日本の印鑑の朱肉の色だとも言われていますが、それがアクセントとなった四角い箱の中に小さな電球が入っています=左下写真参照。その上下に取り付けられた薄い板材の隙間から漏れる光が、穏やかに周囲を照らす仕組みです。

上下の板材は取り外して向きを自由に付け替えることができ、明かりの量を調節して、光の演出をさまざまに楽しむことができます。

今では大手照明器具メーカーから、ライト財団のライセンスに基づいて、同じシリーズで高さの違う物や、色違いなどの製品展開がされていて、前述したように多くのメディアでも使用されています。

ライトは「全一」という設計思想に基づいて、自らの設計した空間と調和する家具も、建物と一緒にデザインしていました。

造り付けのソファや食卓はもちろん、ダイニングチェア、事務机と椅子のセット、そしてテーブルランプ、フロアランプ、ペンダントといった照明など、生活に必要な調度品を多岐にわたって作り出しています。

この照明器具はまさにそうした作品たちの中の代表作であり、現在でも私たちの生活の一部となって、室内を彩っているのです。

 


ライトの家具をもっと知ろう!
沖縄市役所でイベント「ライトの家具展」

第4回フランク・ロイド・ライト展を2017年5月10日(水)~12日(金)の午前10時~午後5時、沖縄市役所・1階ギャラリーで開催します。テーマは「ライトの家具」。ライトがデザインした椅子に座ることもできます。





[執筆]遠藤現(建築家)
えんどう・げん/1966年、東京生まれ。インテリアセンタースクールを卒業後、木村俊介建築設計事務所で実務経験を積み独立。2002年に遠藤現建築創作所を開設し現在に至る。


『週刊タイムス住宅新聞』フランク・ロイド・ライトの家具<01>
第1635号 2017年5月5日掲載

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