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2019年1月25日更新

応援!おきなわ技能五輪・アビリンピック2018

パソコンソフト「CAD」を使って建築図面を作成する「建築CAD」競技。ソフトの機能を熟知していることや、建築知識などが問われる。2018年11月に開かれたアビリンピックの同競技で金賞を受賞した知念靖さんに受賞の感想などを聞いたほか、知念さんの大会出場をサポートした上司の川上一男さんに会社の反応や今後、期待することを聞いた。

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アビリンピック金賞受賞者
知念靖さん(33) (有)創建設計事務所

スキルアップのいい機会になった。出場に協力してくれた方々に感謝しています!


練習で仕事効率もUP
-知念さんに聞きました
■アビリンピック出場のきっかけ
会社から声をかけてもらったこと。しかし、川上部長から「出てみないか」と言われたときは、乗り気ではありませんでした。

高校時代からCADを学び、普段の作図業務でも「JW-CAD」を使用していますが、大会で使用するのは「Auto CAD」と聞いていました。操作方法が違うし、出場しても今後の業務に生かせるかどうか疑問だったので断ろうと思っていました。

ですが、大会のために会社がAuto CADをリースしてくれるなどのサポートもあり、出場を決めました。

■大会までどんな練習をしたか
業務後に練習を積みました。昨年8月に行われた県予選は練習不足で不安でしたが、運よく通ることができました。11月の全国大会は使用ソフトがJW-CADに変更され、とてもラッキーでした。

競技では、3時間で図面を描き上げなくてはなりません。効率化を図る中で、CADのさまざまな機能を知ることができたことは、今の業務に生きています。

僕は生まれつき目が悪く、左目は見えず右目は裸眼で0・1。長時間の作業は目に負担が掛かりますが、ついつい業務や練習に没頭してしまいます。そんなとき、先輩方から「休憩したら?」「無理しないで」と声をかけてもらい、目のケアができた。こまめな心遣いがありがたかったです。

■大会の感想
本番は落ち着いて臨むことができたものの、まったく自信はありませんでした。

だから、表彰式で名前を呼ばれたときもピンときていなかったんです。玉城知事から金メダルをかけてもらい、その後、記者に囲まれたときに実感と喜びが湧いてきました。

大会出場は、スキルアップの良い機会になりました。今後もチャンスがあれば、出場したいです。

そして、金賞が取れたのは、会社の皆さんやさまざまな方の協力のおかげ。本当に感謝しています。


11月5日に行われた表彰式で玉城知事から金メダルを授与された知念さん





大会出場サポート 会社も喜び
 川上一男さん (有)創建設計事務所統括部長

金賞受賞は知念さんの努力のたまもの。もっと自信を持ち、世界大会にも出場してほしい。


外の世界知るチャンス
-川上さんに聞きました
■なぜ、知念さんにアビリンピック出場をすすめたか
外の世界を見てほしかった、というのが一番の理由です。知念さんは非常に頑張り屋で、まじめ。だからこそ内にこもってしまいがち。

弊社は建築設計という「ものづくり」の仕事をしています。視野を広げることは仕事にも生きてくる。アビリンピック出場がその扉を開くきっかけになればと思い、声をかけました。

出場することに意味があると思っていたので、まさか全国大会で最高賞を受賞するとは思ってもみませんでした! 知念さんの日ごろの努力のたまものでしょう。感動もひとしおでした。

■大会出場へ向け、会社ではどんなサポートを行ったか
ものづくりをする会社において個性は大事です。知念さんの目のハンディも個性の一つと捉え、5年前の入社時からその個性が生かせるよう、社員はもちろん社外の方々にもサポートしていただきました。

大会に向けては、大会用に機材をリースしたり、体調のケアをしたり、会場までの送迎などを行いました。

期待に応えるように素晴らしい結果を残してくれ、社内も大きな喜びに包まれています。47年の社歴の中でも、喜ばしいニュースとして刻まれております。

■今後、知念さんに期待することは
彼の名刺には「おきなわ技能五輪・アビリンピック2018建築CAD金賞」の一文を入れました。恥じかさーして、あまり渡していないようですが、実力で勝ち取った賞ですから、もっと自信を持っていい。

そして、さらなるスキルアップを目指してほしい。今後も大会に挑戦してもらいたいし、世界大会で活躍するのも夢ではない。引き続き、社を挙げて彼の挑戦を応援していく所存です。 


昨年、県内初開催「おきなわ技能五輪・アビリンピック」

全国アビリンピック大会「建築CAD」競技の様子。真剣な面持ちでパソコンに向かう知念さん(11月4日、沖縄セルラーパーク那覇)

技能五輪とは23歳以下の若手技能者が全国から集まって技を競う大会で、アビリンピックとは15歳以上の障がいのある人が技能を競い合う大会。

いずれも年1回開催されており、2018年11月には沖縄で初めて開かれた。技能五輪は造園や左官、洋菓子製造など42種目に全国から1292人の選手が参加。うち県勢は31種目に111人が出場した。アビリンピックは知念さんが出場した建築CADをはじめ、フラワーアレンジメントやビルクリーニングなど22種目に全国から388人の選手が参加。うち県勢は19種目に29人が出場した。地元開催とあり、技能五輪には18人が入賞、アビリンピックには9人が入賞。いずれも過去最多となった。入賞者のコメントなど、同大会詳細は「おきなわ技能五輪・アビリンピック2018」のホームページでチェックできる。


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1725号・2019年1月25日紙面から掲載

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