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2024年8月23日更新

補助金を活用して 冷凍庫を高効率化|省エネ診断⑨

文・写真/名嘉光男(NPO法人 沖縄県環境管理技術センター)

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補助金を活用して 冷凍庫を高効率化

中小企業のエネルギー使用状況を調査し、省エネの工夫を提案する「省エネお助け隊」。県内でお助け隊として活動するNPO法人・沖縄県環境管理技術センターの名嘉光男さんが、実際の調査結果を基に省エネのヒントを紹介する。


今回の省エネ診断事例は
(株)イバノ(浦添市西洲)

冷凍・冷蔵業、食肉や乳類販売業の(株)イバノ。使用エネルギーは電力が97.2%、A重油が2.6%、LPガスが0.3%


◆イバノの現状

イバノで使っている水冷式冷凍機
 

クーリングコイル(冷却器)


大型冷凍機が複数台

今回、省エネ診断をしたのは食品の冷凍・冷蔵業、食肉販売業、乳類販売業の(株)イバノです。同社の事業所は浦添市西洲の沖縄県卸商業団地内にあり、1991年7月に落成し築33年が経過しています。

最近の国内での冷凍食品の生産状況は増加傾向にあります。そのため、本事業所も冷凍・冷蔵設備の強化、拡充が重要になりました。

本事業所では2階の事務所系統の空調方式は業務用のパッケージエアコンと家庭用のルームエアコンによる個別空調方式です。照明設備のLED化はおおむね済んでいます。

1階の食品工場では大型の冷凍機が複数台稼働しています。冷凍機は24時間、365日稼働しているので、電力消費量が大きいです。使用電力などを監視し、電力使用量を抑制するデマンドコントローラーを設置していますが、設置年数が古く十分には機能していません。


古い設備を更新

また、冷凍庫に使用している水冷式冷凍機は設置年数が古く経年劣化による効率の低下や故障も生じています。そのため補助金を活用して高効率型冷凍機への更新を提案しました。導入コストに関しては、補助金を活用。環境省の補助事業である「コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業」に応募し、採択されました。この事業で使用する冷凍機は地球環境に優しい自然冷媒を使用した高効率の冷凍機です。現在は本年度中に取り付け工事を完了するための機器などを手配中です。

そのほか、冷凍庫の設定温度の緩和やデマンド監視装置の導入など、7項目を提案しました=下記。

提案事項の実施における予想削減金額は年間で761万1千円でした。



◆省エネ診断による提案事項
運用改善
①事務室系統冷房設定温度の緩和
②事務室系統室内機フィルター清掃(室外機フィン洗浄含む)
③1階工場内のクーリングコイルフィルター清掃
④冷凍庫の設定温度の緩和

設備導入による改善
⑤冷凍機の高効率型への更新
⑥デマンド監視装置の導入
⑦自動販売機の高効率型への更新

提案事項の実施における予想エネルギー削減量は30万2471kWh/年、予想削減金額は761万1千円/年



省エネ診断の補助事業(中小企業向け)

事業所のエネルギー使用状況を把握し、省エネできる項目の洗い出し、改善策について提案するのが省エネお助け隊による「省エネ診断」。中小企業は国の補助(地域プラットフォーム構築事業)により、1割負担で診断を受けられる。診断は6640円~(税抜き)。詳細は「省エネお助け隊ポータル」で検索。

▼詳細はこちらをクリック。




執筆者
なか・みつお
NPO法人沖縄県環境管理技術センター理事長、エネルギー管理士、一級管工事施工管理技士。
電話=098・853・3739

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2016号・2024年8月23
日紙面から掲載

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