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2024年7月5日更新

シューズクローク、パントリー、洗面室と脱衣室を分ける…|あったら便利な空間&間取り|家と心理㉘

空間デザイン心理士Ⓡで、一級建築士。2児の母でもある、まえうみ・さきこさんが空間を心理的に解析。今回は、あったら暮らしやすくなる空間や間取りを紹介します。

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シューズクローク、パントリー、洗面室と脱衣室を分ける…
あったら便利な空間&間取り

現代生活におすすめ空間

理想の家を実現するためには、今住んでいる空間をじっくり考察して解決・改善することが大切だと考えます。

私のところにも、住まいの悩みを解決・改善してほしいとのご相談が多々あります。訪問して分析・解決していくうち、現代の暮らしに「あったら便利な空間」「使いやすい間取り」というのがいくつかあることが分かりました。そのうちの四つをご紹介します。

 

 
 ①ウオークスルーシューズクローク 
外出時や帰宅時は、シューズクロークを通り抜けながら靴を着脱することができる。玄関に靴が散らからず、いつもすっきり


 
    ②パントリー    
パントリーをキッチンのそばに設置すれば、食品の出し入れや在庫の管理もしやすい


 
  ③洗面室と脱衣室を分ける  
洗面室と脱衣室を分けたほか、洗濯動線を短くするために洗面室を中心に洗う、干す、畳む、収納するができる間取りにしている。洗面室に収納棚を設けて、下着や部屋着をおいておくと身支度もスムーズ
 

  ④一人一人のテリトリー  

寝室に夫婦それぞれのワークスペースを計画した例
 
子ども部屋はベッドの向きを変えることでそれぞれのテリトリーを確保した。ポイントは互いの視線を合わせない向きに家具を配置すること。互いに視界に入らず、気にならなくなる。さらに高さ90㌢のカラーボックスでベッドを仕切ることでプライベート感を増している



①ウオークスルーシューズクローク
外から帰ってきて、最初に目にする玄関は、やはりスッキリキレイにしておきたいですよね。仕事で疲れているときなどは特に、雑然とした玄関を見るとさらに疲労が増してしまいます。

玄関での悩みで一番多いのが、「靴箱だけでは足りず、靴やモノが玄関にあふれている」というお悩みです。 また、傘やカバン、玄関の掃除用具など、玄関で使う物の置き場所がなく、玄関の土間や廊下に置いてしまい、散らかってしまい、掃除がしにくいという声も多いです。

そこで、おススメなのが玄関にウオークスルーシューズクロークを計画することです。これなら、日常使用する以外の靴など隠したい物が収納でき、玄関前にあふれることがありません。


②キッチンの隣にパントリー(食料庫)
防災備蓄の観点からも、数日分の水や食料を備蓄することは重要です。また、ウオーターサーバーのボトルの置き場所に困っているお宅もありました。

そんなことからキッチンの収納は、食器棚だけでなく保存がきく食材や簡単に調理できる食材(缶詰や乾燥パスタ、レトルトなど)を常備できるパントリー(食料庫)があると便利です。パントリーがあれば、棚に食料を詰め込まずに済み、在庫をきちんと管理することができます。ムダを減らし、節約にもつながります。


③洗面室と脱衣室を分ける
脱衣室内に洗面台があるお宅は多いですよね。しかし、最近では、家族間でもプライバシーを考慮する意識が高まり、洗面スペースと脱衣スペースを分けるお宅も増えています。分けることで入浴中でも洗面台が使えます。

脱衣室は、着替えるだけなので小さくてもOK。約半帖のスペースからつくれます。 また、洗面・脱衣室内に洗濯機や乾燥機を置いている家が多いです。洗濯では、洗う→干す→取り込む→畳む→収納する、という作業工程があります。洗う、干す(乾燥する)だけでなく、畳む、収納するまでスムーズにできるような動線にするためには、洗濯機を置く脱衣室(あるいは洗面室)こそ充実した収納計画が必要です。

脱衣室には、タオルだけでなく、お風呂から出たらすぐ着替えられるよう、部屋着と下着を収納するスペースも確保しておくととても便利です。


④家族一人一人のテリトリー(なわばり)をつくる
いくら家族が仲良くても、ずっと同じ空間にいるとどうなるでしょうか。 私たちはコロナ禍で、それを経験しました。相手の行動が目に付いたり、自分の思うように行動できなかったりで、イライラしたんじゃないでしょうか。

そのときに実感したんです。家の中では、家族が一緒に過ごす空間と同様に、1人で過ごせる空間も大事だと。これを「テリトリー(なわばり)」といいます。そこには、自分の物だけが置かれ、自分だけが自由にできる空間です。

共働き家庭が増えたことから、夫婦それぞれのワークスペースやくつろぎスペースも考えておくと良いでしょう。

子どもであれば、個室を欲しがる小学校高学年ぐらいから、子ども部屋をつくってあげると良いですね。

もしスペースの都合上、ひとり用の個室が用意できなくても、家具などで仕切るだけでもテリトリーはつくれます。
 
◆  ◆  ◆  ◆  ◆

いかがでしたか? マイホームを計画するときには、これらの空間を確保しておくことをおすすめします!

 
まえうみさきこ
[文・イラスト]
まえうみ・さきこ/1976年、嘉手納町出身。建築会社に20年勤務したのち、2021年6月に「ielie(イエリエ)」を設立。建築の知識やママの経験を生かして、住まいの悩みに応じたコンサルティングやインテリアコーディネートを行う。一級建築士、空間デザイン心理士®、夫、2人の子ども、猫2匹で暮らす。
http://ielie.net


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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2009号・2024年07月05日紙面から掲載

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