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2023年8月25日更新

冷蔵庫の温度細かく調整を|省エネ診断③

文・写真/名嘉光男(NPO法人 沖縄県環境管理技術センター)

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冷蔵庫の温度細かく調整を

中小企業のエネルギー使用状況を調査し、省エネの工夫を提案する「省エネお助け隊」。県内でお助け隊として活動するNPO法人・沖縄県環境管理技術センターの名嘉光男さんが実際の調査結果をもとに省エネのヒントを紹介する。


今回は、(株)照屋食品(豆腐製造工場)の省エネ診断事例
1969年設立の築54年の工場。加熱や冷却、冷蔵保存などエネルギーを多く消費する機器も多数ある
1969年設立の築54年の工場。加熱や冷却、冷蔵保存などエネルギーを多く消費する機器も多数ある

 
加熱、冷却、冷蔵工程あり

今回、紹介する事例は(株)照屋食品(那覇市)の豆腐製造工場です。豆腐の製造工程をエネルギーの使用状況から見れば加熱工程、冷却工程、冷蔵保存工程があり、エネルギー使用機器も蒸気ボイラー、冷凍機、空調機、エアコンプレッサー、照明設備、製造機器等、多岐にわたります。エネルギー多消費型の業務形態で、エネルギー価格の上昇やムダなエネルギーロスは企業経営に大きく影響します。

また、豆腐に限らず食品工場では、すべての食品等事業者は、衛生管理を徹底しながらエネルギー管理を行うことが必要になります。


◆照屋食品の現状

冷凍機はエネルギー消費効率が低め
冷蔵・冷凍庫の温度管理をする冷凍機はエネルギー消費効率が低めなので品質に影響しない範囲で温度を高めにすることを提案


蒸気ボイラーの配管は保温されていなかった
ボイラーは熱損失を防ぐため配管を保温することを提案した

 
温度1度、2度を大切に

本事業所で使用しているエネルギーはおおむね電気(約58%)とA重油(約42%)です。それらの削減が省エネのターゲットになります。

まず現状として、空調システムは業務用のパッケージエアコンによる個別空調方式です。照明設備のLED化は済んでいました。デマンド監視装置(電気の使用状況を監視するシステム)は設置していますが、エネルギー管理の担当者は配置しておらず現場の裁量に任せているため事業所全体の温度設定は全体的に低く設定されていました。

まず提案したのは冷凍機の運用改善です。冷凍機とは冷蔵庫や冷凍庫の温度を下げる機械で、一般用と比べてCOP(エネルギーの消費効率)が低く、冷蔵・冷凍庫の庫内温度が低くなると熱負荷が増大し、エネルギー消費量の増大が進みます。収容物の品質に影響を与えない範囲において高めの温度設定とすることが重要です。大まかな設定ではなく、1度、2度を大切にして細かく調整することを提案しました。そのほかの提案事項=下記参照=も合わせ、実施した際の予想削減金額は年間で約60万円です。


◆省エネ診断による提案事項
運用改善
・事務所系統の空調の設定温度の適正化
・工場を含めた室内機の空調フィルターなどの定期的な清掃(室外機フィン含む)
・冷蔵・冷凍庫の庫内温度の適正化
・冷凍機の除霜の適正化

投資改善
・ボイラーの蒸気配管の保温(熱損失を防ぐため)

提案事項の実施における予想削減金額は60万628円/年の見込み。
電力削減量は21,655kWh/年、A重油削減量は491ℓ/年の見込み。


 

省エネ診断の補助事業(中小企業向け)

経済産業省は、中小企業向けに「省エネ診断」にかかる料金を補助する事業を行っている(2022年度補正予算 中小企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業費補助金」)。1設備につき5280円(税込み)で診断を受けることができる。申し込みや詳細は、特設サイト(https://shoeneshindan.jp)またはこちらで確認を。


名嘉光男(NPO法人 沖縄県環境管理技術センター)
執筆者
なか・みつお/NPO法人沖縄県環境管理技術センター理事長、エネルギー管理士、一級管工事施工管理技士。電話=098・853・3739

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1964号・2023年8月25
日紙面から掲載

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