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2016年8月12日更新
【未来の住まい】 高遮熱シートを使った住宅|(株)大知建設
時代の最先端を行く「未来の住まい」。さまざまな知恵と工夫を生かしながら、快適に暮らす未来を見つめた住まい作りは進化し続けている。今回は大型の商業施設でも使用が進む高遮熱シートを使った住宅を紹介します。
高遮熱で心地よさアップ 沖縄県宜野湾市・Iさん宅
夏は涼しく 冬あったか沖縄県本島中部、宜野湾市の2階建て住宅。㈱大知建設が施工した高遮熱シートを使った建物だ。大型の商業施設などでも使用が進む高遮熱シートは、宇宙ロケットや宇宙服にも使用される素材を住宅壁材に応用。外からの熱を遮る効果に優れている。その結果、夏は外気をシャットアウトし、室内を涼しく、冬は冷気を通さず暖かい家を実現した。
一般的な断熱材との大きな違いは、厚さが8ミリに満たない薄さ。そのため壁が厚くならず、室内の広さを確保できる。また、ハサミで切ったり、専用のアルミ絶縁テープで貼り合わせたりと、加工しやすい。窓の周辺や細部まで遮熱できるので、家全体をシートで包み込み、遮熱効果が上がるという。
施工中、室内を担当した大工さんから「建物の中に入ってもムワッとせず暑くない」と言う声も寄せられたという。25畳ほどあるリビングルームも熱がこもらず、「クーラーをつけてすぐに冷えるので一カ月の電気料金も以前の半額近い」と施主。その効果を実感している様子だ。
間取りの特徴は、人が多く集まる機会が多いことに対応するため、玄関は開口しやすい引き戸タイプ。靴を脱ぎ履きするスペースを壁沿いに細長くとって、人の出入りをスムーズにした。靴もそのまま床下に収納できるため、靴箱の必要がなく、広めの玄関となっている。
さらに、日中、人通りを気にせずに採光できるよう、通りに面した窓は高い位置に設けた。十分な明るさを確保した上に、室内の照明にはLED電球を採用して省エネへの配慮も。天井にはマイナスイオン発生機、壁にはビルトインタイプの空気清浄機を設置。そのため室内はタバコの臭いが残らず、完成して5年経つというが、新築の雰囲気が漂う。
施工した大知建設の宮城裕一代表取締役社長は「高遮熱シートはコスト高のイメージがあるが、弊社は代理店なので、安価で提供している」と話した。
外壁とベランダの色の対比からシャープな印象に
工期中、コンクリートの壁の内側に遮熱シートを張った状態。このあと室内側の壁を設置して、シートを挟む
遮熱シート
広々スペースのリビング。大容量の収納があり、部屋の中はすっきり。築5年を越えるがきれい
台所側からのリビング
玄関から部屋の壁にそって細長く続く玄関スぺ―ス
1段高くなっているリビングと玄関の段差を利用し、張り出した床の下に靴を収納できるようになっている。そのため靴箱が不要で玄関はスッキリ
天井に埋め込まれたマイナスイオンの発生器
埋め込み式のLED照明
空気清浄機の吹き出し口。ビルトインタイプなので邪魔にならず、処理能力も高い
開け閉めが楽な玄関の引き戸
[DATA]
敷地面積:122.17㎡(37坪)
1階床面積:56.11㎡(17坪)
2階床面積:53.07㎡(16坪)
躯体構造:鉄筋コンクリート造
設計:大知プラン 施工:(株)大知建設
問い合わせ
(株)大知建設
098-943-9843
大知建設の「高遮熱の家」住宅完成見学会が平成28年8月13日(土)14日(日)に沖縄県沖縄市古謝で行われます
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1597号・2016年8月12日紙面から掲載