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2022年8月19日更新
[沖縄]内装の色、家具の配置などで変わる! 視覚マジックで部屋を広く見せる|家と心理⑤
県内唯一の空間デザイン心理士®で、一級建築士、2児の母でもある、まえうみさきこさんが空間を心理学的に解析。今回は家を広く見せる五つのポイントを紹介します。
内装の色、家具の配置などで変わる! 視覚マジックで部屋を広く見せる
膨張色の「白」を利用
お部屋が狭くて窮屈だなあ、と感じていませんか? 部屋が狭いと圧迫感があり、ストレスを感じてしまいますよね。
近年は、建築コストもますます上がり、家の広さを最小限にして暮らしの質を上げるというふうに家づくりも変化してきています。
そんな時代だからこそ、「部屋を広く見せるこつ」を知っているとすごく役に立ちます! 開放的な空間は、心理的に気持ちいいだけでなく、閉鎖的な空間よりも「美しい」と感じやすく、脳が活発に動くのだそう。
今回は、お部屋を広く感じさせる五つのポイントを紹介します。
①天井・壁・床の色
部屋の大きな面積を占める天井・壁・床の三つは、印象に大きく影響します。
部屋を広く見せたいのであれば、白っぽい内装(白・ベージュ・ライトグレー)がいいでしょう。白は膨張色なので、空間を広く見せる効果があります。
②家具・カーテンなどの色
次に部屋の面積を占めるのが、家具、ラグ、窓装飾品(カーテン・ブラインドなど)などです。こういったインテリアも白をベースにコーディネートすることで、広がりを感じられます。
ただ、白で統一し過ぎると単調になり、つまらない部屋に見えてしまいます。ラグや家具に少し変化をつけてみましょう。またアクセントとして、ソファのクッションや植栽のグリーン、絵などを飾ってみてください。
③床面を多く見せる
床面を多く見せると、空間を広く感じさせることができます。狭い部屋ではラグのサイズを小さくする、明るめの色にする、床が見えるよう配置するなど、工夫してみましょう。
④ブラインドやロールスクリーンで窓周りをスッキリさせる
広い部屋では優雅に見えるカーテンですが、狭い部屋では室内側にレールが出ることで圧迫感が出ることがあります。また、開けた際、両サイドに布だまりができることで窓周りにもたつき感が出てきます。
改善策として、ブラインドやロールスクリーンにすると開けた際にもコンパクトに収まり、窓周りがすっきりするので、狭い部屋
でも圧迫感を軽減してくれます。
⑤家具の配置、高さを調整して視線の「抜け」をつくる
家具は、室内の片側や両サイドに置いて、入り口から奥まで見通せるようにしましょう。こうした空間の「抜け」を作ることで、部屋の広さを感じやすくなります。
加えて、なるべく「背の低い家具」を取り入れるのも有効です。タンスや食器棚などの収納家具は、容量を重視して大きなものを選びがちですが、家具の背が高くなるほど圧迫感が生まれ、空間が狭く見えてしまいます。空間を広く見せたいなら、自分の腰よりも低い家具を選びましょう。ソファやベッドもなるべくロータイプを選ぶと、目線が下がって天井が高く感じ、空間の広がりを演出できます。
また、見せたいものを限定して余計なものを外に出さなければ部屋はスッキリ広く見えるし、掃除もラクになりますよ。
[文・イラスト]
まえうみ・さきこ/1976年、嘉手納町出身。建築会社に20年勤務したのち、2021年6月に「ielie(イエリエ)」を設立。建築の知識やママの経験を生かして、住まいの悩みに応じたコンサルティングやインテリアコーディネートを行う。一級建築士、空間デザイン心理士®、夫、2人の子ども、猫2匹で暮らす。http://ielie.net
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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1911号・2022年8月19日紙面から掲載