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2022年3月4日更新

福祉避難所(4)(小規模施設の物資・器材、人材の整備)|みんなの防災計画[35]

前回(2月4日号)に引き続き、公民館などの小規模施設を要配慮者向けの一時的な福祉避難所とするために必要な整備を紹介する。今回は物資・器材、人材について。

ベッド備えて健康保つ


備蓄困難なら行政と連携
一時的でも福祉設備を
大規模災害発生時、高齢者や障がい者といった要配慮者の人たちは、福祉設備の整った福祉避難所の受け入れ態勢が整うまで、一時的に別の施設での避難を余儀なくされる場合があります。

しかし、学校などの大きな避難所は、福祉設備が十分に備わっておらず、要配慮者には過酷な環境となりがち。

そこで必要なのが、地域の公民館や児童館といった小規模避難所を、要配慮者向けの一時的福祉避難所として使えるような整備です。その一つとして、前回は施設をバリアフリー化するなど、施設自体の整備についてお伝えしました。今回はその続きです。

床からの冷気をカット

まず、物資・器材について。公民館や児童館などの小規模避難所で要配慮者を受け入れるために必要な物として、最初にベッドが挙げられます。約40センチの高さを確保することで、床からの冷気を軽減し、床から舞い上がるほこりを吸い込むのも抑えられます。折り畳みベッドや、空気で膨らむエアベッドなどもありますが、段ボールを組み合わせて作るのも手です。

自分で歩くのが難しい要配慮者には携帯トイレ、感染症対策やプライバシー保護にパーテーションも必要です。

ほかにも介護用品や車いす、つえなどを備えておくといいですが、大量に備蓄しておくことは困難だと思われます。その場合は、災害発生時に行政や福祉団体などと連携して調達しましょう。

介護経験者に協力依頼
人材は、避難してきた住民の中にいる、看護師や介護福祉士などに要配慮者のケアをお願いするのが理想です。しかし、小規模避難所ではそのような人材は不在という可能性もあります。その場合は、要配慮者の介護を経験したことのある人に協力を求めてください。ただし、普段から自治会役員などが地域内に居住する要配慮者を把握し、事前に訓練を行うなど、災害時に対応できるよう体制づくりをする必要があります。

公民館などは小規模で地域に密着しているからこそ要配慮者に重点を置くことも可能です。一時福祉避難所として公民館などを活用するという選択肢も有効だと考えます。


共助で地域を守る
これまで3年にわたって、特に住民が行う共助の方法について解説してきました。

近年は、本県にも津波の影響がある「南海トラフ巨大連動地震」の発生をはじめ、瞬間最大風速80m/s以上の猛烈な台風襲来、海岸低地帯地域での高潮などが懸念され、心配は尽きません。

当然のことですが、広域的な大規模災害が発生したら、「公助の限界」という事態に陥る可能性があります。さらに近隣市町村からの応援も不可能な上、県外からの救助もすぐには期待できません。

まず、住民が自分たちの地域を守り、そこに地元の事業者やあらゆる団体の総力をもって災害に初動対応するようにしましょう。

おわり

■一時福祉避難所にするため、公民館など に必要な「物資・器材」「人材」の整備

①ベッド、パーテーション、携帯トイレなど

床からのほこりや冷気の影響が受けにくくなるベッド、感染症防止やプライバシー確保に役立つパーテーション、トイレまで自分で歩けない人に必要な携帯トイレなどを準備しておく。介護用品や車いす、つえなどもあるといいが、備蓄が困難なら、災害発生時に行政や福祉団体などと連携し調達する。


パーテーションと段ボールベッド。パーテーションは、塩ビパイプとビニールシートで作製できるため、備蓄が困難な場合は、あらかじめ地元水道事業者などに支援をお願いしておくのも手

②介護経験者なども交えて訓練

小規模避難所の場合、人材が限られるため、介護経験者などに要配慮者のケアを協力してもらう。平時に訓練をしておくことで、スムーズなケアにつながる。


過去の連載はこちらから▼
「みんなの防災計画」
これまで3年にわたって連載してきた内容は、タイムス住宅新聞ウェブマガジンで閲覧可能。


ながどう・まさみ/
NPO法人防災サポート沖縄理事長、元沖縄市消防長  
電話098・923・4442

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1887号・2022年3月4日紙面から掲載

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