2021年4月16日更新
夫の定年機に離婚!?|離婚にまつわる不動産事情Re:コンサル[7]文/川端ゆかり
また4月が来たよ同じ日のことを思い出してぇぇぇ♪ と椎名林檎のギブスをカラオケで熱唱したくなるこの季節、いかがお過ごしでしょうか。
家改修し夫婦関係を再構築
夫の定年機に離婚!? K子さんのケース
さて本題!
夫がずっと家にいる地獄
こ、これは…私の範囲を超えて医療の分野な気も…と一瞬白旗を揚げかけましたが、じっくり考えてみました。そして「あり!?」と気が付きました。
妻は体調不良で離婚を考える
売却だけが選択肢ではない
いずれにせよ、現在の住宅の価値(市場価格)を把握しておくことは大切ですので、お住まいの戸建て住宅の査定をすることになりました。K子さんとO男さんのご自宅は、ちょうど借入金利も不動産価格も高い時期に住宅を購入しており、現在の市場価格で売却しても手元に思うような資金は残らない=あまりメリットがないことが発覚しました。ですが、立地はいいので、これ以上売却価格が極端に下がることは考えづらく、将来2人のお子様のいずれかに相続する方向でいいのでは、とアドバイスさせていただきました。でもK子さんの問題は解決しません。明るい家庭内別居のススメ
そこで「明るい家庭内別居リフォームいかがですか?」とご提案させていただくことに。つまり、一見、仲良く暮らしているように見える住宅の中をお互いが(このケースの場合、主にK子さんが)ストレスなく過ごせるようにリフォームするのです。
玄関はひとつのままでドアを替え、1階をK子さんの生活スペース兼お仏壇など家族行事対応スペースに。キッチンも念願の対面式へ。和室をわずかに残してリビングを広くしました。そして2階は、定年退職して時間を持て余しまくっているO男さんの男部屋スペースに。子供部屋と旦那さんの寝室だった3部屋をキッチンとシャワーのついた1LDKへ。外壁もメンテナンスし、築25年たった住宅は生まれ変わりました。
1階にはK子さんと猫ちゃんが笑顔で暮らし、2階は男の隠れ家。子供たちや家族が集う時にはリビングで、夫婦お互いの生存確認が笑顔でできるようになりました。また、リフォームしたことで将来的には2世帯住宅としても利用可能! めでたしめでたしです。
そして、なんとビックリ!! K子さんのめまい耳鳴りが治まったのです。離婚を行動に移すパワーをリフォームへシフトして、なおかつ住宅の価値もキープ。住む人のストレスも改善され、家族、親族、ペットにとっても安心です。このプランが夫婦間のストレスを抱える全ての方に当てはまるとはいかないかもしれませんが、離婚を思いとどまるストッパー的な役割としてはわれながらイケてる気がします!!
相続での配偶者の立場は最強ですからね…なんてね…(‘◇’)ゞ
次回は「住宅ローン完済+1000万円のご褒美!」 See you~
執筆者 川端ゆかり(かわばた・ゆかり)
1971年、浦添市出身。短期大学卒業後、那覇空港地上職・地元情報誌編集・建設会社不動産部勤務を経て1999年(有)とまとハウジング設立。趣味は猫とお酒と読書、仕事が絡まないゴルフ。https://www.tomato-okinawa.com/rikon/
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1841号・2021年4月15日紙面から掲載