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2021年4月2日更新

避難所運営①「名簿班」| みんなの防災計画 [24]

文・長堂政美
避難所の運営は避難者自身で行うのが基本。そこで今回から、避難所運営組織を構成する班の役割について紹介する。最初は「名簿班」。避難者を把握することで、避難所内を管理しやすくし、適切な支援も受けられるようになる。

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避難所の運営や設営は、「誰かにやってもらう」のではなく、
「避難者自身で行う」のが基本。今回は、難所運営組織を構成する班の役割について紹介する。最初は「名簿班」。避難者を把握することで、避難所内を管理しやすくし、適切な支援も受けられるようになる。

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■避難所運営(1)「名簿班」

避難者把握し的確に救援

「甚大かつ広域な大規模災害」が発生したとき、被災住民は避難所で生活を送ることになります。

しかし、消防や警察、市町村の災害対策本部といった公的機関は、被災状況の実態把握や救助、避難誘導、ライフラインの復旧などの対応に追われることになります。まさに「公助の限界」という最中に、避難者が避難所にたどり着いたとしても、避難所には何もないという極限状態が予測されます。

■安否確認にも役立つ

そこで必要になるのが、自治会や自主防災組織を中心とした、避難者自身による避難所運営組織。避難者の健康維持を前提に、混乱が起きないよう避難所をとりまとめる組織です。

いくつかの班によって構成されますが、一度に全部を組織することは困難です。そのため、最も必要とするものから組織してください。



何よりもまず名簿作成
まず最初に作りたいのは「名簿班」。避難者を把握するためリストを作り、入退所の管理などをします。避難所の入り口で受け付けをして個人情報を確認することで、外部からの安否確認に対応できますし、避難者の職業や能力によっては避難所運営の大きな力にもなり得ます。

また、それらの情報は市町村の災害対策本部にとっても重要。「避難所の収容人数が適正かどうか」「食糧・飲料水をはじめとした物資の種類や必要数はどれくらいか」「医療・福祉的ケア要員の派遣は必要か」など、災害対策本部がそれぞれの避難所の状況に応じて判断し、的確に対処できるようになります。


避難所内を名簿で管理
名簿は、避難所における避難者の配置にも役立ちます。

発災後、避難所に避難者が押し寄せ、混乱の中で「場所取り」が始まってしまうと、その人たちを再び移動させるのは難しくなります。発熱者を別室に案内したり、高齢者や障がい者といった配慮が必要な人のためのスペースも確保できません。

しかし、健康チェックも兼ねて、障がいや介護の程度などを名簿で把握できれば、発熱者、要配慮者、一般の避難者を分けて案内でき、ケアもしやすくなります。

そのためにも平時に避難所内のスペースの使い方を決めておいて、施設管理者や地域住民、市町村などで共有しておくことが重要です。



長堂政美
ながどう・まさみ/NPO法人防災サポート沖縄理事長、元沖縄市消防長 ☎098・923・4442
 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1839号・2021年4月2日紙面から掲載

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