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2021年3月19日更新
子猫期の環境づくり|月齢ごとに暮らし方変化|ねこと暮らそう[12]
文・写真 田場正親
たば・まさちか/猫や犬の殺処分数や、飼育できる物件の少なさに衝撃を受け、「足りないのは愛情よりシステム(部屋)」を合言葉に、猫専用アパート「まやちぐら」を夫婦でゼロから作っちゃった猫好きな人。犬も好き。
わが家の愛猫ビビは生後2~3週間ごろに保護し、そのまま田場家の一員となりました。私自身、子猫という繊細な時期から飼い始めるのに憧れつつ、悩むことも多かったので、今回は子猫との暮らし方についてです。
かみつき対策をしたトイレのコード。硬い素材のカバーを巻いているのでかみつきにくい
行動範囲にシートで掃除ラクに
子猫の時期はおよそ6カ月ごろまで。その間は成長が早く、暮らし方も月齢ごとに変化します。生後1週間ごろまでは温度や匂い、触覚を頼りに行動し、2週間ごろまでは2~3時間おきに授乳、排便の補助も必要です。
1カ月ごろはよちよち歩き、毛繕いもでき、トイレも覚えられる時期なので、排せつしたそうなら抱っこしてトイレへ。排せつや砂をかく感覚に慣れさせるうち、上手に排せつできるようになります。失敗や粗相に備え、拭くだけで掃除できるシートなどを、子猫の行動範囲だけでも敷いておくと良いでしょう。
乳歯が生えそろう時期なので食事はミルクから離乳食へ。総合栄養食で、チキンやポークなど良質なタンパク質を取れるものが◎。慣れるまではペースト状の、なめて食べられるものが良いです。食べる様子や便の状態を見ながら、いろいろ試してみましょう。
また、この頃は社会化期という、親や兄弟との触れ合いから環境適応力を学ぶ大事な時期です。子猫を単体で飼う場合は遊びや体のケアなどで触れ合いを特に大切に。
かみグセ対策にコードカバー
3カ月ごろには永久歯に変わり始めるので、徐々に子猫用フードへ移行を。一日3~5回、少量ずつ与えることが大事です。この時期に爪切りや歯磨きなどに慣れさせると、成長してからもケアしやすいですよ。
好奇心が強い時期なので異物の誤飲などの事故やイタズラ、脱走に十分な注意を。網戸を破って外へ出ないよう、強化網戸やペット用の網戸がオススメです。サッシにストッパーも取り付けるとより良いですね。
6カ月ごろは成長が緩やかになり、性格に差が出てきます。永久歯への生え変わりでかみグセが出てくるので、電気のコード等にカバーをつけるなど、対策をしっかりと。
子猫と呼ばれる6カ月間は体温調節がまだ上手にできず、温度変化への対応が困難。理想的な室温の目安は約25度、湿度は40~60%なので、日によって調節しましょう。1日の気温差が7度以上ある場所も体調を崩しやすいため、温度変化の少ない場所で過ごさせて。寝床や休憩場所では、夏は段ボールやタオル、冬は毛布などを敷きましょう。
あっという間に過ぎていく子猫の時期。かわいらしいしぐさに癒やされながら大切に育ててあげましょう。
先住猫がいる場合は、少しずつ時間をかけて子猫の存在を慣らしていく
文・写真 田場正親
たば・まさちか/猫や犬の殺処分数や、飼育できる物件の少なさに衝撃を受け、「足りないのは愛情よりシステム(部屋)」を合言葉に、猫専用アパート「まやちぐら」を夫婦でゼロから作っちゃった猫好きな人。犬も好き。
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1837号・2021年3月19日紙面から掲載