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2021年2月26日更新
スペインの彩り 太陽が似合う空間|HOTELに習う空間づくり[15]
当連載では県内のホテルを例に、上質で心地良い空間をつくるヒントを紹介する。
今回はホテル日航アリビラの空間をクローズアップする。
スペインの彩り太陽が似合う空間
ホテル日航アリビラ(読谷村)
同ホテルのパティオをはじめとするガーデンには800種以上の植物が生育。一年中花と緑が楽しめる
自然の色彩を取り入れて
ホテル日航アリビラには太陽が似合う。赤瓦屋根と白壁が青空に映え、パティオ(中庭)の緑が輝く。その向こうには白い砂浜と紺碧の東シナ海。
沖縄の景色に溶けこみながらも、異国情緒を漂わせる。「アリビラとは、スペイン語の「Alivio(くつろぎ)とVilla(別荘)を組み合わせた名前。外観や内装にも、アイアンやカラフルなスパニッシュタイル、アーチなどを用いた『スパニッシュコロニアル様式』を取り入れています」と同ホテルマーケティング課の谷次瞳さんは話す。南国らしい華やかさの中にクラシックな雰囲気も漂う。
客室は、ブーゲンビレアのようなピンクや太陽のようなオレンジなど、カラフルな壁で彩られている。外観も室内もくっきりしたコントラストが印象的だ。強烈な日差しに負けないどころか、空間からも光を放つようなパワーを感じる。
アリビラの空間コンセプトは「スパニッシュコロニアル」。アイアンワークや
アーチのある造りが特徴。ホテルの顔であるロビーにも色濃く反映されている
県内のリゾートホテルは外の色が強い分、内装は控えめにしているところが多い。だがアリビラは、その鮮やかな自然の色を内装にも落とし込んでいる。「客室は、スパニッシュスタイルを基調にした、明るく華やかな空間となっています」と谷次さん。
プレミアツインルームには、太陽をかたどった鏡と光の輪のような柄の絨毯が敷かれている。スーペリアテラスルームは海中のようなマリンブルーを基調としている。
「沖縄の豊かな自然に囲まれて、くつろぎと癒やしを感じていただきたい」。
沖縄やスペインの文化を内装に落とし込んだ部屋もある。コーナーラグジュアリーツインルームの絨毯は、スパニッシュタイルをイメージしたもの。ヘッドボードの上部には読谷村の伝統工芸『花織』をアレンジしたアートワークが飾られている。内装一つ一つに物語があり、「お客さまに発見や驚きを味わっていただきたい」と話す。
カラフルなスパニッシュタイルもあちこちに用いられている
ロビーから客室へ向かう回廊。アーチが柔らかな印象を与える
南国の太陽をテーマにしたデザインのプレミアツイン。大胆なオレンジ色と、光の輪のような柄の絨毯が印象的。「自然とアートの融合」というコンセプトを反映した華やかな空間
ヒューマンスケールを意識
客室を見て回りながら気付いたのは、建物が横に広いこと。「プライベート感を重視し、397室ある客室を四つの棟に分けてなるべく高層化を回避しています。圧迫感を感じさせず、落ち着いた雰囲気を与える造りとなっています」。
最上階は9階。ロビーも吹き抜けを設けず「お客さまとの触れ合いを生み出すヒューマンスケールを意識しています」。パティオに面した大きな窓から光が室内に差し込み、白壁を柔らかく照らす。アーチの曲線も相まって優しい印象。「くつろぎの別荘」の名を色濃く反映している。
来客の目を引きつけるパティオは同ホテルを象徴する空間の一つ。「パティオをはじめとしたアリビラのガーデンには、800種以上の植物が生育しています。年間を通して花が咲き、さわやかな緑も楽しめます」
クラシカルで異国情緒あふれる空間と、沖縄の美しい自然を調和させて“非日常”を演出していた。
大胆な柄の絨毯はスパニッシュタイルがモチーフ。ヘッドボードの上には花織をアレンジしたアートワークが飾られている
大胆な柄の絨毯はスパニッシュタイルがモチーフ。
ヘッドボードの上には花織をアレンジしたアートワークが飾られている
取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第181734号・2021年2月26日紙面から掲載
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この記事のキュレーター
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- 東江菜穂
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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。