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2020年11月20日更新

脱走を防ぐ|ねこと暮らそう[8]

文・写真 田場正親
たば・まさちか/猫や犬の殺処分数や、飼育できる物件の少なさに衝撃を受け、「足りないのは愛情よりシステム(部屋)」を合言葉に、猫専用アパート「まやちぐら」を夫婦でゼロから作っちゃった猫好きな人。犬も好き。


逃走防止戸。手前が玄関で、戸の奥に部屋がある。開ける時に若干力が必要になるくらいの重みがあるので、猫にはなかなか開けるのが難しい

 

戸を足して逃げにくく

街中で、迷子の猫を探している張り紙を見かけるたびに心が痛みます。猫はよく脱走することがあるので、そのまま迷子になってしまうというケースが多いのでしょう。


好奇心は猫の本能

脱走の理由は猫それぞれですが、大まかに挙げるとまず好奇心。猫は非常に好奇心旺盛な動物なので、窓から外を眺めたり、自分の知らない場所があれば確かめたくなります。面白いものを見つけたら、突発的に追い求めてしまうのは猫の本能なのかもしれません。

わが家の愛猫「のす」も好奇心が強く、ドアを開けるタイミングを狙ってはよく別の部屋へ脱走するやんちゃっ子です。

落ち着きがなくなる発情期の猫が、興奮したまま外へ飛び出して戻れなくなることも。ほかにも、飼い主の引っ越しや新しいペットが家族に加わるなど、周りの環境の変化によって、今いる場所にストレスを感じて逃げてしまうことがあるそうです。扉や窓がたまたま開いていて、少し外へ出てみたら帰り方が分からなくなるパターンもあります。


網戸とストッパーでより強固に

脱走防止という以外にも理由はいくつかありますが、まやちぐらでは完全室内飼いで、猫をベランダなどにも出さないことを住人さんたちに守っていただいています。いくら外で過ごすのが好きだからといっても、迷子になってしまっては結局猫を不幸にすることにつながってしまいます。

建物自体にも脱走を防ぐための対策が三つあります。
(1)逃走防止戸。部屋と玄関の間に戸を設け、容易に玄関へ行けないようにしています。戸はスライド式で、閉まり切る直前にスローになって閉まるものを採用し、猫が挟まれにくくしています。

(2)強化網戸。以前もご紹介していますが、猫の引っかきにかなり強い網戸を採用することで、簡単に破れず突破しにくい造りになっています。

(3)わが家で後付けしたアイテムですが、網戸のストッパーを購入して付けています。電気のスイッチのようにパチパチと切り替えることでロックや解除ができ、その後に開け閉めするので、簡単に網戸を開けて外に出られないようになっています。猫が網戸でじゃれていてたまたま開いてしまったということも無いですし、小さな子どもも網戸を開けにくいのでかなり重宝しています。

さまざまな対策をすることで、常日頃から脱走の危機感を持ち、大切な家族を迷子猫にしないよう暮らしていきたいですね。


網戸ストッパー(構造上、上下逆に取り付けたため文字は逆さま)。サッシの上部に取り付けているので、子どもと猫の手が届かない
写真上:ロックが解除されて網戸を開けられる状態
写真下:ロックがかかっている状態。浮いた部分が左奥のサッシに引っかかることで、開かない仕組みになっている




文・写真 田場正親
たば・まさちか/猫や犬の殺処分数や、飼育できる物件の少なさに衝撃を受け、「足りないのは愛情よりシステム(部屋)」を合言葉に、猫専用アパート「まやちぐら」を夫婦でゼロから作っちゃった猫好きな人。犬も好き。
 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1820号・2020年11月20日紙面から掲載

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