離婚を思ったときに考えること|離婚にまつわる不動産事情Re:コンサル[2]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

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2020年11月20日更新

離婚を思ったときに考えること|離婚にまつわる不動産事情Re:コンサル[2]

自身も2度の協議離婚を経験した「とまとハウジング」代表の川端ゆかりさんがアドバイス! 離婚を考えた時に知っておきたい不動産の知識と、離婚=すべてがネガティブなわけではないという少しの元気をお届けします。

自分の気持ちを整理する|離婚を思ったときに考えること


こんにちは。川端です。突然ですが、真剣に生きていたら人生において「死にたい」と本気で思ってしまうことが一度や二度あるのではないでしょうか。やるか、やらなかったか、の違いに過ぎないというと軽い言葉になってしまうかもしれませんが。それほど、人生において、時に大きな試練が待ち受けていたりします。離婚もその一つかもしれません。そんなときには「だいじょうぶ。焦らなくても、いつか死ぬ」という言葉を8分ほど、深呼吸しながら唱えていただけたらな、と私は思います。

しょっぱなから微妙に話がずれてしまいました。では、離婚を真剣に考えている方に寄り添う言葉はなんだろう、と考えた時に私がお伝えしたい言葉は「別れるまでと、別れた後を総合的に想像してみる」です。離婚のイマジン、シミュレーションです。「離婚を考えた時のホップステップジャンプ」に当てはめていきます。

3ステップで離婚シミュレーション

◆ホップ=「客観視」
まるでひとつのドラマを見ているような感覚で自分と家族を客観視してみることです。自分だけではなく(配偶者)(娘)(息子)、登場人物それぞれの立場から想像してみることが大切です。あれ? と気が付くことや思い改めること、揺るがない気持ち、など客観視することで自分と向き合うことができます。自分と登場人物それぞれの気持ちを体感します。



◆ステップ=「問題の把握」
ズバリ「不動産(主に自宅)の問題の把握」です。はい、きました! 思いっきり現実です。簡易的なチェック項目は上表の通りです。

信頼できる友人にもなかなか相談できないのが、このステップ部分ではないでしょうか(ちなみに私は別名ステップ川端です)。

夫婦で築いた資産の中でも大きな割合を占める不動産が「自宅」。毎月10万円以上払っている住宅ローンの残高を確認してみると思いのほか借入額が減っていない、不動産会社に査定してもらうと、たとえ売却しても住宅ローンが全額返済できず「負動産」になってしまっているケースもあります。

◆ジャンプ=「お金の準備」
最後はズバリ「お金の準備」です。離婚後の当面の生活費は確保できていますか? 1年間は働かなくても困らない資金があると用意周到だと私は思います。子供を養わなければならない場合はシングルマザーもシングルファザーも大変です。また、離婚の際のメンタル強化のためにも軍資金は大切です。離婚で弱っているメンタルにつけいる輩もいたりしますから。

離婚する際は、周囲から「大変ね」という言葉はかけてもらえますが、基本は「自分で道を切り開いて」「孤独と仲良く」「先に備える」ことが必要です。場合によっては配偶者とそのままの生活を維持していた方が気楽かもしれません。前述の3ステップを通して、まずはご自分の気持ちを整理することをオススメします。

円満でも家の価値と金利はチェック

余談になりますが、仲むつまじいご夫婦にもぜひ、お勧めしたいことが二つ。

(1)自宅の市場価格を常に把握しておくこと。
米国を例にあげますと、自宅を資産として捉え当然のこととして常に市場価格を把握し、「売り時」には自宅を売却しています。マイホームを「一生に1度」と考えず、まるでヤドカリのようにさらに自分たちにあった住まいにレバレッジを利かせて住み替えるのが普通。それが趣味(?)の方もいらっしゃるようです(じつは私もどちらかというとそのタイプです)。

(2)住宅ローンの金利を見直してみること。
長年当たり前に同じ金利を支払っていませんか? ご相談者の中には借り入れしたときの金利と現在の金利にだいぶ開きがある場合も見受けられます。銀行との信頼関係にもよりますが、支払い状況と属性から金利の交渉ができることがあるかもしれませんので相談の価値ありです。

自宅というのは、購入したら終わり、住んだらそのまま最後まで、ではないのであります。それは現代の結婚のスタイルとどことなく似ているかもしれませんね…って「お前が言うな!」という声が、今週も西と東の方角から聞こえている気がします。

次回は「住宅ローン残高と市場価値の把握は大切」と題し、自宅不動産の状況確認の方法をお届けします。




執筆者 川端ゆかり(かわばた・ゆかり)
1971年、浦添市出身。短期大学卒業後、那覇空港地上職・地元情報誌編集・建設会社不動産部勤務を経て1999年(有)とまとハウジング設立。趣味は猫とお酒と読書、仕事が絡まないゴルフ。https://www.tomato-okinawa.com/rikon/
 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1820号・2020年11月20日紙面から掲載

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