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2020年2月7日更新

自分に合った物品備えて|みんなの防災計画[11]

文・長堂政美
災害時に命をつなぐ物品を詰め込んだ災害時非常持ち出し袋。しかし、高齢者、女性、乳幼児のいる人、障がい者など、立場によって、優先的に入れておきたいものが変わってくる。それぞれの立場で必要なものの例を紹介する。

■災害時非常持ち出し袋② 
おくすり手帳は必需品​

カートを袋代わりに
災害時非常持ち出し袋には、自分や家族が日常の生活のなかで最も必要とするものをトリアージ(選択)して入れていきます。前回(1773号、2019年12月27日発行)は一般的なものを紹介しましたが、立場によってはより必要なものもあります。

高齢者であれば、持病薬やおくすり手帳、入れ歯など。中でも、おくすり手帳は必需品です。
災害時、避難所には医師が来てくれますが、診察をすることはほとんどありません。代わりに、「災害処方箋」という応急的な処方箋を出して、薬がもらえるようにしてくれます。

しかし、処方箋を発行するには、何の薬を飲んでいるのか正確に分からなければなりません。例えば「血圧の薬」といってもさまざまな種類があります。

応急的に来た医師でも薬品名が分かるように、おくすり手帳は非常持ち出し袋に入れておきたいですね。

また、普段から使っている座面付きのシニアカート(手押し車)を、非常持ち出し袋として使うのも手です。時間的余裕のある避難の場合、途中でカートに座って休憩することもできます。カートの置き場所の隣に非常持ち出しセットを準備しておき、災害時にはすぐに入れて避難できるようにしておくと良いでしょう。


便利な液体ミルク
女性であれば化粧品です。簡単にでもメークすれば、つらい避難所生活でも少し前向きになったり、気分が変わるそうです。

乳幼児の場合、ミルクは欠かせませんが、粉を溶かすためのお湯の入手が難しいこともあります。しかし最近では、液体ミルクも出ており、パックや缶を開けてほ乳瓶に移し替えるだけでいいので、災害時には特に便利です。

障がい者は、健常者による支援と、障がいの程度を知ってもらうことが必要です。

まずは自身の居場所を周りに知らせるため、笛や携帯ブザーなどが必要です。

また、見た目では判断がつかない、聴覚・内部・知的障がい者であれば、障がいの内容や連絡先、伝えたいことなどをあらかじめ記入した「メッセージカード」がオススメ。周りの支援もスムーズになります。





■前回の記事はコチラ​


ながどう・まさみ/NPO法人防災サポート沖縄理事長、元沖縄市消防長
 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1779号・2020年2月7日紙面から掲載

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