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2015年4月10日更新

設備はまとめて配置|メンテでお得 すまい長持ち[1]

家のこまめなメンテナンスは、長く住むために欠かせない。せっかくなら建てる段階から、維持管理がしやすい造りを考えたい。建物の骨組みや設備の設計に詳しい建築士の新里尚次郎さん(37)は「電気や上下水道、ガスなど設備をなるべくひとまとめに配置すれば、躯体に開ける穴を減らせ、耐久性を保ちやすい」とアドバイスする。

 管理しやすい家① 

躯体の負荷抑える

新里さんが提案する、メンテナンスのしやすい設計のポイントは三つ。

一つ目は、電気やガスの配管、給・排水管などを建物内部に引き込む箇所は、ひとまとめにすること(図1)
図1の例だと、洗面室側からまとめて引き込み、パイプスペースで浴室やトイレ、キッチンに分配する。躯体の穴の数は5カ所と、考慮しない場合の10カ所の半分で住む。

二つ目は、トイレの排水管などの設置では、十分な勾配が取れる床下や天井懐(天井裏)を確保すること(図2)
梁などに穴を開ける事態を避けられ、電気や水道、空調の配管がぶつかるのを防げる。

三つ目は、従来は躯体に埋設するコンセントの配管を、躯体と内壁の間に露出させること(図3)配線の点検や交換がしやすくなる。

これらの点を踏まえて設計すれば、躯体の耐久性を保ちやすくなると新里さん。「中古住宅を見ていると、配管が収まりきらずに梁に穴を開けたケースは多い。穴が多いほど、躯体は劣化しやすくなる」と指摘する。
 

床面積の調整必要

半面、課題もある。建築費との折り合いだ。例えば、室内の天井高はそのままに天井懐や床下を深く取ると、1階当たりの高さを上げる必要があり、建築費がアップしてしまう。対策としては、部屋の数など床面積の調整を挙げる。

敷地条件などで、設計の難易度は上がるとしながらも「長持ちする住まいにするためにも、できる限りの検討は大切」と話した。

次回は、建築費に占めるメンテナンス費の割合や、30年間で出てくる修繕について取り上げる。

◇ ◇ ◇


県内の住宅は、おおむね築22.6年で取り壊される(2008年、住宅・土地統計調査)。要因の一つに、外壁の塗り替えなどの手入れ不足がある。本連載では、メンテナンスに先立つ資金の工面も踏まえて、しっかり手入れしていく術を紹介する。




図1:平面図で比べる配管の引き込み方


配管を建物内部に引き込む箇所をまとめた例 
洗面室の壁に穴を開け、パイプスペースで電気やガスの配管、給・排水管を分配。引き込む部分の壁をコンクリートブロックにすると躯体の負担を抑え、配管の交換もしやすくなる


配管を引き込む箇所をまとめなかった例
躯体に開ける穴が多くなり、新築当初に発生するコンクリートの収縮ひび割れを引き起こしやすくなる


図2:床下・天井懐への配管


トイレの排水管の場合。床下のスペースが広いと、必要な勾配を確保しやすい上に下階への水漏れも防げ、交換もスムーズ。天井懐が深いと、電気や空調など配管同士の衝突も防げる/写真左。床下が狭いと、勾配の確保のために下階の梁に穴を開ける事態を招き、水漏れも下階に及ぶ/写真右


図3:コンセントの配管


従来、躯体に埋設されることが多いコンセントを、躯体と内壁の間に配管すれば、配線の交換をはじめ、コンセントや照明の位置変更もしやすくなる。ただし、配管のスペースを確保するために、従来よりも部屋が狭くなる/写真

 



この人に聞きました​

新里尚次郎(しんざと・しょうじろう)
1977年、浦添市生まれ。アーキテクトラボ.ハローム代表。二級建築士。建物の劣化診断や耐震基準適合証明書の発行、設備の定期調査を行う

 



編 集/我那覇宗貴
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 「メンテでお得 すまい長持ち」<1>」第1527号・2015年4月10日紙面から掲載

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