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2024年10月4日更新

空き家の利活用法 地域特性踏まえて|どうするその空き家 あなたの実家も!?

文/山入端学(全国空き家アドバイザー協議会沖縄県名護支部事務局長)

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 文/山入端 学
(全国空き家アドバイザー協議会 沖縄県名護支部事務局長)
 
全国空き家アドバイザー協議会沖縄県名護支部の山入端学さんが、空き家問題の背景や沖縄の現状、具体的な活用方法を紹介。7回目は空き家の具体的な活用方法と全国の事例について紹介する。
 
空き家の利活用法 地域特性踏まえて
 

住居から観光資源まで

空き家の利活用では、(一社)全国空き家アドバイザー協議会の各都道府県支部において、さまざまな取り組み事例が見られます。

代表的な活用法は、もちろん新たな住居としての再利用です。ほかにも住宅や学生向けのシェアハウス、貸事務所といった賃貸物件として活用したり、各種商業店舗として活用したり。福祉施設や学童保育や児童福祉施設集会所などの取り組みもみられます。

観光資源としての活用もさまざま。アフターコロナで需要が復活した国内外の観光客に向けて地域の伝統文化を体験できる施設のほか、体験型宿泊施設や民泊、移住お試し宿泊施設としての活用などです。

このように空き家の活用事例は多種多様ですが、大切なのは地域の特性やニーズに合わせて、適切な活用方法を選択することです。
 

国の支援も確認
空き家の利活用を考える際、まず課題となるのが資金面です。

現在、国は空き家対策総合支援事業として「空き家の除却」「空き家の活用」「除却後の土地の整備」などへのさまざまな支援メニューを用意しております。地域の自治体では空き家対策への取り組みにさまざまな特色がありますので、空き家がある市町村窓口で、何かしらの補助が受けられないか確認することを勧めます。

空き家所有者個人では資金面などの理由から利活用が厳しくても、地域の自治体や商工会、観光協会、民間団体、企業、投資家などにゆだねることで、地域の財産として利活用されるケースもあります。空き家問題は個人の財産の問題のみならず、地域の財産としての要素を大きくはらんでいるからです。


地域と連携
岐阜県養老町の例を見てみましょう。大正時代に建てられ耐震性の問題から解体が検討されていた古い駅舎を未来に残すという決断から、自治体と民間団体が連携して「地域再生計画」を作成。観光拠点として再生するだけでなく、周辺の公園、観光地、宿泊施設なども整備するまち全体の観光拠点整備プロジェクトを立ち上げ、国や地方自治体のさまざまな支援事業メニューで資金を募って「まちづくり」へと取り組んでいます。

また、佐賀県有田町では、人口減少、高齢化、空き家増加が顕著に進んでいる町内をまちづくり団体が参加、ノウハウを提供。国・自治体が必要なサポートを実施することで「有田歴まち地域活性化町づくりプロジェクト」を立ち上げました。まちなかに点在する複数の空き家を「宿泊施設」「民泊施設」「レストラン」「コワーキング施設」へと改修し、周辺エリアを観光拠点として整備する計画が進んでいます。

各種セミナーも開催
国土交通省では、国民の住意識の向上を図り、豊かな住生活を実現することを目的に毎年10月を「住生活月間」と定め総合的な啓発活動を展開しています。

当協議会沖縄県名護支部においても各地域で「ご実家(空き家及び予備軍を含む)問題」「仏壇・お墓問題」「相続問題」などについての「終活セミナー」「住教育セミナー」を開催する予定です。ぜひ、この機会にご家族の近い未来について考えてみませんか?



やまのは・まなぶ
1969年生まれ、名護市在住。昨年、(一社)全国空き家アドバイザー協議会沖縄県名護支部を設立し事務局長就任。(同)城コーポレーション代表社員。沖縄県宅地建物取引業協会会員。北部地区宅建業者会副会長


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2022号・2024年10月04日紙面から掲載

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