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2024年8月30日更新

金利上昇への備え 元本減らすことから|住宅ローン 繰り上げ返済と借り換え[住まいとお金②]

マイナス金利政策が解除され、既に住宅ローンを組んでいる人は不安を抱えている人も多いはず! そんな今だからこそ知っておきたい住宅ローンの利用ポイントについて、FPの慶田城裕さんに解説してもらう。2回目は、繰り上げ返済と借り換えについて、基本的な考え方と注意点を取り上げます。

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文・図表/慶田城裕(FP、㈲ライブアップ代表)



金利上昇への備え 元本減らすことから

住宅ローン 繰り上げ返済と借り換え

マイナス金利政策が解除され、既に住宅ローンを組んでいる人は不安を抱えている人も多いはず! そんな今だからこそ知っておきたい住宅ローンの利用ポイントについて、FPの慶田城裕さんに解説してもらう。2回目は、繰り上げ返済と借り換えについて、基本的な考え方と注意点を取り上げます。


◆グラフ1  返済額軽減型のイメージ



繰り上げ後の残りの期間を変えずに返済額を軽減する繰り上げ返済が「返済額軽減型」。毎月の返済にあまり余裕がない場合や、近い将来に教育費の負担増などが予想されるような場合にオススメ


 

◆グラフ2  期間短縮型のイメージ

繰り上げ後の返済額を変えずに残りの返済期間を短くする「期間短縮型」。利息の軽減効果は「返済額軽減型」よりも大きいため、毎月の返済に余裕があるなら「期間短縮型」を検討


 

繰り上げ方は2種類

県内の住宅ローンの多くは変動金利となっており、変動金利は日本銀行の政策金利の影響を受ける「短期金利」を基に決められるため、これから段階的な金利上昇が予測されます。また、県内は住宅価格の高騰により借入金額が5千万円を超えるケースも珍しくなく、住宅ローン返済は家計の大きな負担となっています。借入金額(元本)に対して利息計算をしていきますので、まずは繰り上げ返済を行い、元本を少なくすることで将来の金利上昇時の影響を抑えることが可能になります。

変動金利で3千万円を借り入れたケースを例に見てみましょう。グラフ1は、5年目、10年目に100万円を繰り上げ返済し、その後の返済額を軽減する返済額軽減型のシミュレーションです。毎月の返済額はそのままで返済期間を短縮する期間短縮型を選択するとグラフ2になります。総返済額を抑えたい場合は、期間短縮型の方が効果は高くなります。 

 

保険の見直しも有効

繰り上げ返済の効果は理解していても「財源がない」人も多いはず。そこで活用したいのが住宅ローン減税です。

住宅ローンを組んだ結果、税金が還付される制度で、繰り上げ返済に充てるのも一つの選択肢となります。また、住宅ローンを組む際には団体信用生命保険に加入することになりますので、ご自身で加入している保険は減額するなどの見直しをするのもオススメです。住宅ローンは人生最大の借金、しかも30年超の長期にわたり返済を続けなければなりません。保険に限らず家計を見直すチャンスでもあります。

 

長い目で見て判断

さらに心配なのは、住宅ローンの返済額が上がる時期に、子どもの大学進学などが重なること。家計の負担も大きく、資金不足に陥りかねません。繰り上げ返済を考える際は、目先の損得よりも、今後のライフプランを基に返済額軽減型か期間短縮型かを決めることが大切です。

ほかにも、別の金融機関から融資を受けて現在の住宅ローンを返済し負担軽減効果を狙う「借り換え」を検討している人もいると思います。数年前までは、借り換えする人も多かったのですが、最近は、現在の住宅ローンの金利引き下げ交渉で済むケースが増えてきました。借り換え時に発生する登記費用などを考えると、その方がより負担が少なくなります。

どちらにしても、金利が上がってから行動するよりも、早めに情報収集をし、対策を検討する必要が出てきています。まずは、身近にいるFPに相談してみてください。



◆シミュレーション例


 
 
 
◆トータルリビングショウで住宅ローンの仕組みや選び方を解説!
10月4日〜6日に沖縄コンベンションセンターで開催される第38回沖縄県トータルリビングショウで慶田城裕さんがセミナーを開催。〝金利のある世界〟で住宅ローンどう選ぶ?!」と題し、知っておきたいローンの仕組みや、変動金利と固定金利のメリット・デメリット・選び方のポイントを解説します。
◆10月6日(日)10時30分〜11時30分  ◆会議棟B2  ◆定員100人
◆問い合わせ先/日本生命保険相互会社 宇良(070-7040-7169)




執筆者 
けだしろ・ゆたか
㈲ライブアップ取締役
CFPRファイナンシャルプランナー
電話=098(874)6339
 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2017号・2024年08月30
日紙面から掲載

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