相続
2025年10月17日更新
親の不動産の引き継ぎでもめないために…専門家ネットワークの代表が強調すること|相続計画始めよう!地主・家主の生前対策⑲
家族がもめないための「幸せ相続計画」の普及・啓蒙をしている(一社)全国幸せ相続計画ネットワーク。60を超える士業や企業が名を連ねる。9月には、同ネットワーク監修の情報サイト「親の不動産(通称・もめナビ)」を開設。代表理事の亀島淳一さんは「親の不動産の引き継ぎ方について、不安を抱えている人は多い。同サイトはそんな方々の声を基にして監修した。もめない相続のためには親が元気なうちの対策が必要」と話す。その一部を紹介する。

親の不動産の承継
元気な「今」のうち
家族がもめないための「幸せ相続計画」の普及・啓蒙をしている(一社)全国幸せ相続計画ネットワーク。60を超える士業や企業が名を連ねる。9月には、同ネットワーク監修の情報サイト「親の不動産(通称・もめナビ)」を開設。代表理事の亀島淳一さんは「親の不動産の引き継ぎ方について、不安を抱えている人は多い。同サイトはそんな方々の声を基にして監修した。もめない相続のためには親が元気なうちの対策が必要」と話す。その一部を紹介する。

「まだ早い」がもめる種に
「まだ大丈夫」「まだ早い」といって対策を先延ばしにした結果、トラブルになったケースを多々見てきたことから、そういう轍(てつ)を踏まないでほしいとの願いを込めました。
「元気だから大丈夫」と考えている方でも、「親の物忘れや判断力の低下を感じる」「親が1人暮らし」といった点に心当たりはありませんか? そんな時こそ、親の不動産の引き継ぎ方を決めておく「生前対策」が大事です。
対策としては「相続税の額を知る」「負担になる不動産の割合を知る」「子や孫にも優良な財産を残す」の三つがあります。
「相続税」については、「どれくらい税金がかかるかわからないまま相続すると、納税資金を用意できずに優良資産を売却せざるを得ない」という事態が起こり得ます。さらに相続税は「これくらいかな」と予想していた以上に高くなるケースが珍しくありません。納税資金を準備するために不動産を売却するにも時間がかかるため、どの財産をどう活用するか見極めておくことが大切です。
次に「負担になる不動産の割合を知る」は、空き家や活用しづらい土地など収益性が悪い、整理しにくい不動産がどれくらいあるかを知る、ということです。「負担になる不動産」は売却しづらく、維持管理費や固定資産税の重荷を将来的に残すことになってしまいます。それを誰が引き継ぐかで争いが起こるため、まずは不動産の正しい価値を知っておくことが大事です。
そして「子や孫にも優良な財産を残す」ためには、「不動産をどう分けるか」だけでなく、「売却後の家族のライフプランまで考える」ことが大切です。子や孫が居住環境の変化などに対応するための必要資金を見越し、どう組み替えて運用していくのかを検討することで家族へ安⼼を残すことができます。
ほかにも、「もめない分け方を記した遺言書を作成する」「家族信託の活用」「負担になる不動産の整理」といったことも対策になります。
そして、相続に詳しい専門家に相談することも、もめない相続への第一歩。「親の不動産・もめナビ」を参考に、「まだいいか」から踏み出して、親が元気な「今」のうちに動きましょう。
(一社)全国幸せ相続計画ネットワーク

【執筆】
(一社)全国幸せ相続計画ネットワーク
共同代表・亀島淳一(左下)
士業(税理士、司法書士、弁護士)を中心に全国の相続の専門家が集う組織。 「相続で家族をもめさせない」「相続で優良財産を減らさない」「子や孫を将来お金で困らせない」ことを目指し、「相続計画」という新しい考え方の普及・啓蒙活動を行う。
https://souzoku-planning.org/
◆「親の不動産」相続お悩み相談会 10月23日(木)~24日(金)
場所/全国幸せ相続計画ネットワーク本部事務局(中城村南上原1007-3F)完全予約制。無料。
※自宅訪問などの希望はご相談ください。
電話=050・1809・0106(受付:平日9時30分~17時)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2076号・2025年10月17日掲載
第2076号・2025年10月17日掲載









