[沖縄・マンション売買]case28「マンション売却時のリフォーム」|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

マネープラン

住宅ローン

2021年10月22日更新

[沖縄・マンション売買]case28「マンション売却時のリフォーム」

朝晩涼しくなってきた今日この頃、年度末に向けてマンション購入を検討している方が動きだすシーズンです。てことはもちろん売却を検討している方もこのタイミングを逃す手はありません。今回は中古マンションをより売りやすくするためのリフォームのお話です。
文・友利真由美 (株)エレファントライフ代表

汚れ・傷みの改善を優先

◆相談内容◆
新築で購入してから20年たつマンションの売却を考えています。建具や設備もそれなりに傷んでいるので、少しでも売れやすくするためにリフォームした方がいいか悩んでいます。
 

こだわりある人には現状のまま

マンション売却前のリフォーム、必要とは限りません。中古マンションの場合、できるだけ安くマンションを購入して、リフォームやリノベーションで自分好みの居住空間を作りたい! という人も増えているからです。そういう人には改装せず、現状そのままで、その分お安くした方が売れやすいでしょう。

しかし中古マンションの市場に、こだわりを持ち、時間をかけてマンションリノベを希望する人はまだまだ多くはありません。



ファミリー世帯で市場は活発

まずは沖縄の中古マンション売買の現場から考えてみましょう。不動産価格の上昇で、一般的な沖縄県民の所得では戸建購入へのハードルが高くなっています。

一方、比較的購入しやすい価格帯である分譲マンションへのニーズは高まっていて、中古市場も活発化しています。購入者の大部分はファミリー世帯で、購入のきっかけは出産や進学などが多いようです。つまり特定の時期に必要に迫られて購入する方が多いので、時間をかけてリノベするより、家族のタイミングと立地や間取りなどの条件がマッチした物件を選ぶ傾向が強いという状況なのです。


購入者の視点で考える

住まいの購入は一生に一度の大きな決断。「ここに住みたい」「ここなら家族がゴキゲンに暮らせそう」という気分の高まりが購入意欲の第一歩となります。整えられた空間や手入れされた設備に対し、購入者は「売り主さんが大事にしてきたマンションなのだな」と感じます。そしてそれが付加価値となります。
 反対に、傷んだまま放置されている建具や設備は購入者のテンションを下げるだけでなく、マンションが持つ価値すら下げてしまいます。新築のようにキレイにする必要はありませんが、購入者が「このまま住んでも問題なさそう」と感じられるレベルまでは手を入れておいた方が、確実に売れやすくなります。



費用対効果を見極め着手

とはいえリフォームには費用がかかります。できるだけ出費を抑え、できるだけ高く売りたいのが心情です。その中でも絶対手がけてほしいのは専門業者によるクリーニング。特に水回りなど、キレイに清掃されているだけで印象はかなりアップします。
 次に破損や故障、老朽化が目に見えてわかる建具・設備の修繕または交換。目につきやすい所が手がけたいポイントです。キッチンや洗面台、お風呂などの水回りの交換はかなり好印象となります。しかし全てやると100万円前後かかるので慎重に判断しましょう。
 弊社で売却をサポートした中古マンションでは、リフォーム費用の倍以上に売値を上げても成約となった物件が多々あります。それだけ購入者視点の第一印象は大事。傷みを放置した状態だと購入者に足元をみられ、予想以上の値下げ交渉で疲弊してしまいます。費用対効果を見極めながら資金計画を立て、改装をご検討ください。




 友利の結論 
・中古マンション購入の大部分はリノベ派よりもタイミング重視の家族世帯
・購入者の購入意欲が高まるようにすることが売れるポイント
・値下げ交渉で疲弊するより魅力的にして売値アップしよう
・費用対効果を考慮し資金計画を立てよう


ともり・まゆみ
(株)エレファントライフ代表。不動産専門ファイナンシャルプランナーとしてマンションの売却や不動産相続の相談に応じている。生粋のマンション好き。 電話098・988・8247


これまでの「マンション売買そうだんfile」記事はこちらから。

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1868号・2021年10月22日紙面から掲載

住宅ローン

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2128

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る